<< 五感? カクゴのススメ >>

マイノリティ

f0076833_1121156.jpg

これが芸術だ!と、表現し、人に理解してもらえなくてもいい、と思えたらどれくらい楽なんだろう、と思います。
自分の好きなだけの事をし、仕事にならなくても、表現しているのだからいいなら、美術は簡単です。
いちばん難しいのは、自分が発見したごく個人的なマイノリティな真実の美を、いかに多くの人に深く共感されるものに作っていくか、これこそが死ぬほど難しい事なんだと思います。

目の前の感動を伝えたい。
そんな想いで10年間腕を振り続けてきました。
自分が奥深くから感動したものであるならば、それを表現するだけで感動は伝わるはず。
私がやりたかった事は、感動のコミュニケーションなのかもしれません。
その感動を与えてくれるものが、私には木と動物たち、自然界の学問や哲学だったのかなとおもいます。

自分がおおきくなればなるほど、人に知ってもらえればもらえるほど、今までは怖かった。
自分の作りたい物ができなくなるんじゃないかと、大きくなるのを拒んできたのかもしれません。
ちいさいままで、生活して、ほのぼのと暮らすのはある意味しあわせで楽しい事です。
楽がしたかっただけなのかもしれません。
だけど心の奥底で、もっとたくさんの人に届けたいとか、自分の発見した美を見てほしい、といつもおもっているのが本心です。
おおきくなっても、ちいさくなっても、ただしいことをやれる、そんな彫刻家になりたいです。
地球中の美しいものを受け入れられるくらいのおおきなおおきな器になれるように、今はただ努力を続けて行きたいと思います。

f0076833_11315241.jpg

友だちがとってくれた制作風景の写真。10年前より腕が2倍くらい太くなってしまいました。
かわいい服も切れず、髪の毛は木屑まみれ、毎日つなぎ。休日無しの過酷な肉体労働。
全身が筋肉の固まりになってプールでも沈んでしまいます。(あくまで私だけ)
こう描くと彫刻をめざす子はどんどん減ってしまうかもしれませんが、たしかに彫刻は職業の中ではマイノリティ。一般職にくらべると目指す子はとっても変わり者のように思われます。

みんながやりたがらない事、それは、つらく、きびしく、過酷な仕事だからでしょう。
だけど、ちがう、と私は思います。

誰も知らなかった美を、誰もやらなかった手段で、全世界の人に共感し、感動してもらう。
こんなに人類史上の大発見はなかなかありません。
美術にはそれだけの余地がまだまだある。
平和だって作れるかもしれません。
きびしさなんか、その喜びに比べたら微々たるものです。

そんなふうに最近は、思っています。

f0076833_1284756.jpg

国立のアグレアブル ミュゼさんに、作品を常設して頂ける事になりました。
関東では、二つ目の場所。
ここでは出会いが毎回おこります。
月に一度、絵描きのイベントもさせて頂くことになったので、関東近辺のかたは、ぜひお店に遊びにきてくださいね。
f0076833_1213778.jpg

オーナーさんは、いつも私の飼育員のように世話をし、食べ物を与えてくれます。
だから私もここへいくと動物になれて、いい絵が描けるとおもいます。
f0076833_12145970.jpg

[PR]
by m_kirin30 | 2010-06-15 12:15 | 日常 | Trackback | Comments(8)
トラックバックURL : http://mkirin30.exblog.jp/tb/13974564
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
Commented by hina-mayu at 2010-06-15 20:21
制作風景の写真、いいですね~
これ1枚でいろんな想像が膨らんできます。

急がず焦らず少しづつでも沢山の人に
思いが伝わるといいですね~

Commented by m_kirin30 at 2010-06-15 23:38
hina-mayu様:この写真は友だちがお家に遊びにきて後ろからとってくれたもの。カメラが見ためもかっこ良かったです。
回りがほどよくぼやけるカメラっていいなと思います。

ほんと、ひとりづつ、伝わって行くといいな、というような感じです。彫刻、という言葉が固く感じられなくなるといいなと思います。
みお
Commented by そらまま at 2010-06-18 19:05 x
ホント!腕の筋肉が…ステキ!

息子の仲良しさん達は彫刻目指してる子が多いですよ。
そしてみんな筋肉好き!w

国立に伺えなくて残念でした。
でもきっといつか必ず出会える気がします。

私は船越保武・桂さんや奈良さんが好き。
桂さんは確か造形大の先輩でいらっしゃいますよね?
後に造形大で教えてらしたはず。
もしかして授業を受けたことがあったりして??

私には忘れられない光景があります。

ロンドンの知人のデザイナーのオフィスに行くと
お向かいの工場のようなビルの屋上で
若くて綺麗なおねえさんが、いつも黙々と
椅子のようなアート?を作っていたのです。
彫金だか鍛金だか溶接したり、汗だくで日差しを浴びながら
一心不乱に作っていて。
その光景を見る度に、いつか必ずこの人と話してみたい
と思っていました。
(私も向こうも仕事中だったので、話しかけられないまま)

結局会えないままに終わったのですが
あのエネルギーは私に多くのことを感じさせてくれました。
本当にたいせつなのは自分の中での評価。
みおさんは充実されているようで羨ましいです。
もっと、もっと、刻み続けてくださいね。


Commented by m_kirin30 at 2010-06-18 21:48
そらまま様:彫刻キッズたちがふえるといいな〜と思っています。
美術の中でも体育会系、私は個人的には武道や剣道に似ていると思っています。
保武先生の「巨岩と花びら」は私の10年来の愛読書ですが、桂先生も、すごい作家さんなのにほんとに生徒の私たちとふれあい、スポーツをしてくれたり、よく製作中も声をかけてくださいました。
「君の作品には、詩がある」と言ってくれたのが私の宝物の言葉です。
作家としてはまだまだ未熟者ですが、真剣さは受験生の頃から変わらずに持ち続けたいと思っています。
いつか息子さんもお友達も連れて展示に遊びにきてくださいね!
みお
Commented by そらまま at 2010-06-18 23:44 x
武道や剣道!
なるほど!!! 私の感覚では合気道に近い感じ。
相手の力を利用して自分の切りたいように切る。

今52なので、ちょうど大学に入った33年前
近美の外展示で保武さんの「原の城」を見たとき
ぽろぽろ涙がこみ上げてひとりぼっちで佇んでいました。
すると、いつの間にかおまわりさんがやってきて
連れて行かれそうになって驚いた記憶。w

個展ぜひお知らせくださいね!


Commented by m_kirin30 at 2010-06-19 07:30
そらまま様:やっぱりそのあたりのスポーツですよね。
相手が自分なんだけども、いつもそんな感じのしんせいなきもちです。
保武先生の長崎の聖人像がまだ見た事がなくて、行ってみたいな〜と思っています。
原の城もすごい作品ですよね。
保武先生が亡くなり、義達先生が亡くなり、日本の彫刻界も大きな時代がひとつ通り過ぎたような寂しさがあります。
あの頃の彫刻家の先生達の真剣さと純粋さには今も感動させてもらっています。
個展は、ウェブでも日記でもアップさせて頂きますね!
Commented by そらまま at 2010-06-19 16:34 x
ツイッターでもどうぞ♪w

Commented by m_kirin30 at 2010-06-20 07:42
はっ!ツイッターも忘れずにつぶやきます!  みお
<< 五感? カクゴのススメ >>