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デッサン10か条

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デッサン10ヶ条


1まるごとを見よ
  モチーフを取り囲む空間のすべてを見ろ。
  どこか一部にとらわれるのでなく、
  また、見ないようにするのでもなく、
  極小の細部から、まるごとの空気まで、
  全てを一度に見よ。

2、描き方を忘れよ
 モチーフを目の前にしたら、
 自分が描いてきた歴史を忘れよ。
 未知のものを描く緊張感でモチーフを見よ。
 鮮度は、全ての技術の上を行く。


3、力を込めよ
 描く道具は手と一体に
 手は自然と天地と一体に
 力を込めれば、力は道具に伝わり、
 紙に伝わり、見る側に伝わる。
 感動を絵に込めよ。

4、絶えず前進せよ
 描けないものはない
 作れない形はない。
 描かないだけだ。
 作らないだけだ。
 進め。前進にはスピードを出せ。

5、重みを描け
 重みに次元が存在する。
 生物の水の重みを
 空気の軽さを描け
 モチーフの、重みを描け。
 地球の重力を感じろ。

6、何度でも失敗せよ
 自分の失敗など、思い込みにすぎない。
 描写に全く影響しない。
 自然は失敗を何度も包み込む。
 そこから持ち直せ。

7、全てを描ききれ
 描けない部分があるとき、
 問題は他にある。
 大事だと思わない部分にこそ、
 リアリティが潜む。
 すべてが必要なバランスだ。


8、自我をなくせ
 くせをなくせ。
 くせというのは、
 物事がよく見えていないとき、
 出てくる自我である。
 客観的に自分の絵を見ろ。
 モチーフに感覚を預けよ。
 第一印象を思い出せ。


9、リアルを探せ
 うまく行ったと思うな。
 満足したとき、
 絵に力は失われ、
 探究心はなくなる。
 リアルは、探さねば見つからない。


10、正しく見よ、眼を信じろ
 モチーフが美しく見えるのは、
 自然の構造と、
 あなたの眼が、
 正しく働いているからだ。
 見えるがままに、正しく描け。
 自らの持つ、眼の力を信じよ。


5年前に、デッサンにおける自分にとって大切なことをまとめたのが、このデッサン10か条です。
デッサンは、上手く描くためのものではないことを、血に染み込ませて覚えていく、
そういったことを体感しつつ、いまなおデッサンを楽しんで続けています。

美術をさいしょに教えてもらった先生が、象鯨美術学院の西村浩幸先生ですが、
私はそのさいしょ、に、とても恵まれました。
さいしょの学びの時間が、たのしくきびしく正しくないと、10年も20年も楽しんで続けられる力は、身に付かなかったでしょう。

私はおしえてもらったことを、たくさんのこれからの世代の美術家に伝えていきたい、美術とは関わりを持たない人にも、美術を鑑賞するたのしさを伝えていきたい、そう強く思っています。

デッサンを観る、描く、愛する、すべての方々へ、
歴史の美しいデッサンたちの、仲間入りができるようなものを作れるように。

2月の展示会では、デッサンも70〜80点展示します。
ぜひ観に来てくださいね〜^^


はしもとみお展 「動物たちからの手紙」
一宮市三岸節子記念美術館
2014年2月1日(土)〜2月23日(日)

 
by m_kirin30 | 2013-12-19 14:18 | ことば | Trackback | Comments(3)