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修行

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美術の中でも、デッサンや具象彫刻の世界は、人生のほとんどが修行のようなものです。
修行や努力を苦しいと想像する人が多いでしょうが、実際やっている本人は、苦しくも、楽しくもなく、
修行だと思っていないことがベストの状態です。
修行は、習慣のようなものです。
苦しくても、楽しくても、一時的なもので続きません。
ご飯を食べるように当たり前の、習慣だと捉えてもらえると、わかりやすいかとおもいます。


私の美術修行をすこし紹介したいとおもいます。
18の頃から、続けているものが、朝のドローイングです。
ドローイングといっても線だけで描くものではなく、クロッキーでも、水彩画でも、デッサンでも、なんでもいいんです。
自分で描きたいモチーフをみつけ、朝の仕事が始まるまえにひとつ、小習作をつくります。
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モチーフは私は自然物がおおいですが、人工物でも、風景でも、なんでも構いません。
大事なことは、目の前にモチーフを置いて、短い時間で仕上げまで描くという行為です。
写真資料、デジタルデータ、空想上のものは避け、きっちりとモチーフを目の前で見て描きましょう。
朝に、描写や質感、光などの、新しい発見を日々見つける習慣がつくと、その日の1日の美術の仕事が大きくはかどり、新発見をその日の制作に応用することもできます。

この練習のことを、「朝練」と呼び、できる日にはほぼこの制作前の朝練を続けてきました。
一つの絵を、短い時間でひとつ完成させる、その反復練習は、美術の基礎体力の部分を大きく鍛えてくれます。
美術の準備運動だと思って、習慣にしていくと年を重ねるごとに効果が身に付いてきます。

次に、デッサンの基本的な構成要素を、図解にしてみました。
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自分がどの系統に強いかを知ることがとても大切です。
ぼんやりと考えているとわかりにくいので、図面に置き換えて客観的に自分がどこが強く、どこに弱点があるかを知り、分野を見極めていくことが大切です。

自然系 環境デザイン、建築等、ほかどの分野にでも応用が効く。
立体系 彫刻、空間デザイン、職人、フィギュアや3Dデザイン等。
物質系 プロダクト、あらゆるデザイン、工芸等の分野に長けている。
描写系 絵画、テキスタイル、版画 その他グラフィック、平面系

大きくわかりやすく分けると4つですが、この4つは心技体とつながるのでまんべんなく鍛えていく事をお勧めします。ひとつを極め、残りが標準以下、というよりは、すべての分野で標準以上に持って行った上で、その先にひとつを極める流れの方が、美術の修行では順序良く土台作りができます。
弱点の系統を見つけたら、朝練でその分野を鍛えるモチーフをみつけてみるといいでしょう。
弱点強化し、バランス良く鍛えてからは、好きなものを描き続けてもいいと思います。

個性は、基礎体力を鍛えていくそのかなり先に、滲み出てくるものです。
基礎力がないうちに、個性的であろうとすればするほど、個性から遠ざかり、技術の向上も見えず、美術の修行にとても苦しむことでしょう。
巨匠たちの素晴らしく個性的で完成された作品をみて、その個性の部分だけに目が行き、憧れがちですが、
その下にある巨匠たちのバランスのとれた基礎力は、目に見えにくいですが必ず存在します。
しっかりと自分の美術の世界と向き合い、自分の力と未来を見据えて、進んでいきましょう。

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夏〜秋の展覧会や、ワークショップ情報です。

7月25~8月31日 ケモノたちの棲む森 キッズプラザ大阪
出展作家  彫刻家 はしもとみお、本多絵美子、馬場稔郎、井戸博章
(入館料1,400円、小・中学生800円、3歳以上500円 ※子供向けの展示内容となっています。休日など、入場者数が多い場合は入場制限を設ける場合がありますので、お時間にはゆとりをもってお越しください。)
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8月2日〜8月9日 秋田県 鹿角市 コモッセ 
ちいさな展覧会と、木彫りワークショップを開催します。
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9月6日 港町ポリフォニー 彫刻展示予定
9月26、27日 東京 もみじ市出展

今年もたくさんの場所で展覧会を開きたいと思っていますので、お近くの際ぜひ実際に彫刻に触れにいらしてくださいね。





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by m_kirin30 | 2015-07-22 17:02 | 日常 | Trackback | Comments(4)

観察

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モデルとなる動物たちを、観察できる時間は、私にとっては何よりも貴重な時間です。
見る時間、触れ合う時間の長い短いは関係なく、よくみて、よく覚えておく、体にその子の形まるごとの印象を、焼き付けるような、そんな観察ができると一番いいものが作れます。

具象彫刻は、現実を見た、触れた時の感動から、生まれます。
いまは、インターネットや本で簡単に写真資料が手に入れられる時代で、
誰かの撮ったいい感じの写真をもとに、制作したりしてしまう美術家も多くいると思います。

だけど、本当に大切なことは、
自分の目で見て、空気を肌で感じ、手で触れる、そんな実体験のある観察の描写です。
わたしたち美術家こそ、日々の観察こそいちばんたいせつにしなければならないと感じます。

仕事でどうしても死んでしまった子の写真だけをもとに復元彫刻をすることもあるのですが、
その仕事をするときは、必ず前後に、現実を観察して彫刻する研究を挟むようにしています。
写真資料だけでものをつくる癖がついてしまうと、手は、目は、感性は鈍り、鋭さを失います。
技術だけでものをつくり、感動を置き去りにしてしまうものづくりは、見る人に深い感動を与えることはできません。
リアリティを届ける仕事だからこそ、現実を愛し、現実を観察する研究を常に、続けていきたいと思っています。
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実感を持って、刃物をいれるようにしています。
どの一刀も、その子のかけらであるように、
自分の目で見て、自分の力でみつけた形であるように、
純粋な感覚で、いつも彫刻するようにしています。
現実の深い観察がないと、刃先の角度は鈍り、彫刻は浅いまま、本当のかたちが埋もれたまま、進んでしまいます。逆に、現実へ向かおうと入れた一刀は、拙い彫り跡でも、感動するものです。
慣れで彫るのではなく、
いつのときでも、はじめて目と手と道具と材料をあたえられた者のように、
動物たちに出会った時の、ほんとうに感じた、鮮やかな感動を、そのまま彫刻にして、見る人にとどけられたらな、と思っています。

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現在開催中の個展で、実際モデルとなってくれた動物たちの写真がはじめて飾られていますので、ぜひご覧いただければなと思っています。   
写真   砺波周平さん

彫刻家 はしもとみお展 「旅する彫刻」 〜6月20まで 月火休み      東京 ギャラリーキッサ


個展、展覧会続きます。

7月4日(土)~12日(日) 彫刻家はしもとみお展「木のどうぶつえん」  香川   古木里庫
会期中なんと、大学時代の級友、プシプシーナコーヒーさんの1日出張カフェイベントがあります。

7月25日(土曜日)〜8月30日(日曜日)  ケモノたちの棲む森  キッズプラザ大阪


木彫りワークショップ

横浜 おすわり猫

大阪梅田
午前ねこ

午後イヌ

京都
おすわり犬

おすわり猫


9月 
港町ポリフォニー もみじ市 などなど


今年もたくさんの場所でたくさんの彫刻をかざりたいとおもいますので、お近くの際は遊びにいらしていただければと思います。
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by m_kirin30 | 2015-05-30 18:08 | 日常 | Trackback | Comments(12)

一生

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28のときにたいせつな友人をこの世界から失って、それからは止まり木を失った鳥のように飛び続けてきました。
残されたものにできることは、ほとんど何もなくて、
ただ、ひたすらに生きることしか、できませんでした。
そのころからいつも、私は自分の一生を、外側から見ているような感覚で暮らしています。

ひとつの生は、生まれた時に、もう死への時を刻んでいて、
それは彫刻の始まりのように、いつかは形をこの世界に残して、そして失われていくのでしょう。
私より、彫刻の方が長く、この世界に暮らしていくでしょう、
自分がいなくなった時、どうかこの世界を汚さないようにと、
のこしてきた人たちに、この世界の美しさのかけらでも、伝えられたらと、
現実のそのままのかたちを、自然素材の木というもので、作る具象彫刻家になりました。

私は自分の彫刻には表現など何もなくて、つたえたいことは、ひとつだけ、
現実のそのままが、この世界で一番美しいということ、
それは、この世界から去った者たちの目で、もしかしたら現実を見ているのかもしれません。
犬を撫でている時間、猫に膝にのられた時間、家族と過ごすほんのひととき、友人と話す何気ない会話、
大好きな音楽を聴いている夜、忙しく働いて動いている社会、
そのどれもが美しすぎて、
そのどれもを残したくて、でも残せないものばかりで、
せめて目の前に一生懸命生きている犬を残せたらと、
自分のできることの目の前のせいいっぱいを、日々続けています。

その子の生きた一生を、形にする彫刻の仕事では、
嘘なんかもちろんつけません。
鼻の先から、尻尾の先まで、その子の形は、その子の真実なので、
できる限りにそのままに、そしてただの型取りでなく、命のそこにあるかたちを、
最高のその子を、残してあげたいと感じます。
彫刻をこの世界で出会わせてくれた、私が生まれてきて与えられた使命だと思っています。

一生ほど短い時間、ひとつのことを続けるのは、実はとても簡単なことかもしれません。
この仕事を100年でも1000年でも、死んでも続けたい、
いつか自分が一生を終えたときに、ひとあしさきに終えた友人たちに、また彫刻をつくって、現実の美しさをとどけられるように、
しっかりと、この世界を見ていけたらなと思います。
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サーメルもダマーニも、
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ヴェルちゃんリンゴちゃんも、
私にとっては、たいせつな友達です、
見ているだけで、涙が出るほど、彫刻を見るたび、いつもその子を思い出します。
それは、悲しいとは少しちがう、思い出すような不思議な感覚で、
ありがとう、という思いに、近いのかもしれません。

最愛の生き物たちへ、一生を終えたものたちへ、最高の感謝をこめて。
私からの思いを彫刻に込め、これからも作りつづけていきたいです。
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by m_kirin30 | 2015-04-10 22:42 | 日常 | Trackback | Comments(8)

はたらく

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彫刻で仕事を続けてきて、もうずいぶんと経ちました。
彫刻以外の仕事では、私は生活したことがありません。
それなので、会社勤めの苦労や、彫刻がしたいのに制作の時間がない、というような苦悩は、感じたことがありませんが、それとひきかえに、彫刻をとったら何も残らないぬけがらの自分になりました。

美術で仕事をしていくことに、始める前の私はずいぶんと誤解を持っていました。
過去の話を聞き、売れない画家でもいい絵を描くんだとゴッホを賞賛したり、ただ没頭すればいいんだと若冲を賞賛したり、
もちろん美術には、限りない方法があるので、それぞれの個人の方法で、いいものを残していくには、変わりないのですが、
自分の好きなものを好きなだけ作って、売れないなら売れないでいい、というのは、ほんとうにおおきな間違いでした。

それは、仕事を始めてみて、続けてみて、わかった大切なことでした。

自分のいいと思ったもので、ひともいいと思ってもらえるものをつくること、それが仕事です。
美術の仕事も、他の多くの仕事とおんなじで、自分の作ったものが、誰かの財産になるかどうかが、一番大切なことです。
わたしはこんな簡単なことを、はすかしながら美術の仕事を立ち上げてずいぶんとたってから、実感をもって知りました。
自分の作ったものが、多くの人の財産になればなるほど、それが偉大な仕事ということになります。

美術の作家業のことを、まだまだ学ばなければならないと感じます。
それは、日本の現代社会で、この業種の方が本当に少なく、彫刻家ともなると超絶滅危惧種に近い存在だからです。
いつか、このむずかしい彫刻家という職業を、目指す若い後輩たちが現れた時に、明るく正しい道標が示せるように、私たちが確かな実績を示さなければならないと感じます。

美術家が、ものをつくるとき、

それが自分にとっての財産になるのだろうか、
それが誰かにとっての財産になるだろうか、
それが社会にとって、国にとって、世界にとって、地球にとって、未来にとっての財産になるだろうか、
いつでも視野を広く大きく、この大切なことをいつも心におき、正しい判断で仕事を選び、制作できればいいなと感じます。
視野が狭いと、たとえ自分の身の回りは潤っても、目に見えぬ誰かや何かを犠牲にしてしまう場合が多いからです。

たったひとりの身近なひとから、やがては多くの見知らぬ人たちへ、
この大好きな世界にとって未来にとってのの財産になるように、そのようなものをつくるために私は、この仕事を続けていこうと考えています。
一枚の紙から、デッサンで多くのひとの心を輝かせるダビンチのように、
一つの石から、彫刻で多くのひとの心を震わせるミケランジェロのように、
なれたらいいな、とおもっています。

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3月末から東京主要駅に、ナチュラキュアという新型自動販売機が並び、動物たちの絵をかかせていただいたり、彫刻の展示会をしたりしました、
忙しくはたらくひとたちに、すこしでも駅の中でほっこりする時間が作れるように、動物たちの絵が入った自動販売機が並びます、みつけたらぜひ、動物を数えてみてくださいね、


近くの展示予定は、

4月4~5 アニマルクリエイターズカーニバル

5月16日〜6月20日 東京 ギャラリーキッサ 旅する彫刻 はしもとみお個展

7月4〜12日 香川県 古木里庫 個展予定

7月25日〜8月31日 大阪 彫刻の大動物園展示予定


お近くの際は、彫刻は触れますので、ぜひ動物たちにふれあいにいらしていただければと思います。
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by m_kirin30 | 2015-04-02 13:15 | 日常 | Trackback | Comments(5)

木を彫る

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彫刻には、大きく分けて2つの種類があります。

モデリング  (粘土などを盛り上げて作っていく手法)
カービング  (彫り下げて作っていく手法)

私の行っている木彫は、木を彫り下げて作る、カービングです。
木彫は、厳しい意思が必要になってきます。
カービングのしごとは決断なので、心にブレがあると進みません。
目標の形を見出したら、ある程度のスピードで一気にその形まで彫り下げていきます。

迷いながら行うカービングの仕事は、ある意味地獄です。
その形を、「失わせる」か「とどめる」かの2択しかないからです。
それなので、すべての仕事が最後の面になるかもしれないという覚悟をもって、仕事を進めていきます。
わたしはそんな、彫刻の持つ、はりつめた緊張感が好きで、
そんな厳しい苦しみの選択の中から、うまれたかたちがとてもあったかいものであったとき、
言葉にできない、愛おしさが彫刻にこみあげてきます。

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木を彫っているときいつも、最高の決断ができるよう、心がけています。
最善をつくしたその結果が、いまのかたちであるように、
最高の形を、見る人に届けられるように、
それは実はとても難しいことですが、いまのひとときを集中して、一刀をいれて、なにかを捨てて、なにかを残していく、彫刻家の一番たいせつなしごとです。

そうおもえば、最高の形は、すでに木の中にあるということです。
始まる前には、最高も最低も、すべて埋まっていて、
そこに向かう途中に、苦しみの中で、最高にたどり着くのをあきらめてしまわないように。
こころを彫刻のようにしっかりと、重力に自立させておく訓練のようにも思います。
「この仕事をつづけていると、そのうち自分が彫刻になってしまうよ」
と、ふと、思いました。わたしはそれで本望です。

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夜中のアトリエに用事で入った時、普段見る昼間の顔とちがう彫刻たちが、そこにはいました。

「一本の木にも流れている血がある
 そこでは血は立ったまま 眠っている」

といった、寺山修司さんのきもちが、そのとき分かるような気がしました。
彫刻たちは、立ったまま、眠っていて、そこには血が流れている。
どうか私よりも、彫刻たちの方が、長く地球で過ごせますように、たくさんの私の知らない人たちに出会えますように。


2月21~ 東京 巣巣 ミニ展示&ワークショップ

3月20~ いなべ市フェア  展示会 ワークショップもあります

4月4~5 アニマルクリエイターズカーニバル 展示会  ワークショップもあります。

5月16〜 東京 ギャラリーキッサ 個展


上記以外にも進んでいることがいくつかありますので、詳細決定次第またアップしていきます。
お近くの展覧会の際にぜひ彫刻たちに会いにきてくださいね。
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by m_kirin30 | 2015-02-22 13:25 | 日常 | Trackback | Comments(4)

まるごと




ものをつくることは、いつのときでも自分を助けてくれました。
どのような時でも手には道具を持ち、なにかを作っていることで暮らしてきました。
ものづくりをすればするほど、自分の弱さと、甘さに気付かされます。
つくり手も人間なので、完璧や正確にはいかない、
だからこそ、自然の完成された美しさに、ひどく感動するのでしょう。

わたしは苦しい時や弱っている時、いつも動物たちや自然の美しさに助けられます。
どんなにつらくても空が美しくみえたり、生き物がかわいくみえたりすると、
自分のこころがまだ、大丈夫だ、と思うことができます。
誰かが作った優しい音楽をきいて、涙が出るように、
美術も、だれかにとってそういうものでなければならないと、深く感じます。
芸術は、ほんとうは、優雅で満たされている者たちの友ではなく、くるしいものたちの、弱いものたちの友達で、ほんとうの昔から人は、芸術にこころを求めて、つくったり大切にしてきたんだと、そう思います。

私は彫刻に、現実の幸せだけでなく、哀しみをいつもちゃんと作りたいと思っています。
生あるものの中にすでにある死を、ちゃんと作りたいと思っています。
哀しいもののなかにある、ちいさな幸せや美しさが、
ほんとうに美術を必要としている人たちの、味方になってくれるような気がするからです。
まるごとを、ちゃんとつくれる作家に、なりたいと思っています。

いつのときでも、そのことを忘れないように、
誰かにとって友達になれるような、そんな彫刻を作っていけたらなと思っています。




12月に、福岡県相島というところに猫の取材に行ってきました。
猫の島、とてもすてきな日本の風景に出会えて、今年は猫の彫刻がどうやら増えそうな予感です。

2015年度の展覧会はすでにいくつか決まっていて、

1月24日 NHK文化センター青山教室  木彫り教室



2月8日 NHK文化センター梅田教室 木彫り教室

はしもとみおと作る動物の木彫りワークショップ
ワークショップ 2/28、3/1
2/21~3/1 はしもとみおの作品のsmall展示  会場 巣巣 東京

3月20〜23日 いなべ市フェア 東京 参加

5月16日〜6月20日  はしもとみお個展「旅する彫刻」   東京 gallery kissa 

8月後半 〜9月前半 大阪 けんちくの種  2人展

雑誌掲載予定 
シーバ  天然”猫”生活 MOEなどなど


2015年も、引き続きオーダーいただいている彫刻の製作と、なるべく多くの土地で展覧会を開きたいと思いますので、お近くの際遊びにいらしてくれたらと思います、今年もよろしくお願いいたします。








 
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by m_kirin30 | 2015-01-03 11:19 | 日常 | Trackback | Comments(13)

友人



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いつのときでも、最善の仕事ができるように準備をしておきたいと思っています。
彫刻のしごとを始めようと思ったとき、彫刻のためなら、なんだってできるとおもいました。
彫刻をするための場所、音を出してもいい環境、制作、運送のための設備投資、
あらゆるものをととのえて、おおきな仕事のために備えようと思っています。

いつでも、自分を磨いておきたいと思います。
どの面でも、自分を磨いてくれるのは、自分自身しかいないように思います。
いくつ年をとっても、自然から何かを学び続ける、学生でありたいと思っています。
きたるべき際に備えて、日々自分の技術を高めて行けたらいいなと感じています。

大学時代からの友人が、こんなことを言いました。
仕事は、自分を裏切らないね
この言葉は、仕事に人生を費やして来た人なら、共感できる言葉のように思います。
彼女も私も、大学を卒業してから一心に仕事だけを続けてきました。
彼女はコーヒー焙煎師になり香川でプシプシーナ珈琲という珈琲豆屋を営んでいます。

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いつのときでも、仕事を友人のように思っています。
大切に、いつでも思いやりながら、育てて来た仕事は、私たち個人事業者にとっては何よりも大切な存在です。
いつのときでも、仕事に誠実に、ひとつひとつをていねいに、続けて行きたいと思っています。
自分を磨くというのは、仕事という友人のためでもあるのでしょう。
日本では仕事に忙殺され、仕事が嫌な人や、月曜日が憂鬱な人がいるのかもしれませんが、
私は仕事が好きです。
社会人として生きて行ける事に誇りを持っています。
それなので子供の頃より、今の方が楽しいです。
自分の稼いだお金で食べた最初のご飯のことを、私は忘れた事はありません。
仕事が無くてもうどうしようもないときに、注文をいただいた時の感謝を、忘れた事はありません。
仕事とともに成長し、いつでも自分を鍛え上げてくれたものは仕事でした。
そして仕事をともにする仲間たち、そのすべてをまるごと、笑顔にできるように、今日も精進したいと思っています。



今週末はヤネウラット森の文化祭
こちらはまだ若干名空きがあるようなので、この機会にぜひ、自然の中で木彫り体験を楽しんでくださいね。


きたる10月30〜11月2日
福岡銀行本店 「どうぶつたちがやってきた!」
福岡県 福岡銀行本店に、たくさんの木彫りのどうぶつたちが迷い込みます。
受付や、入り口付近、本館前広場!?
等身大のどうぶつたちから小さなどうぶつまで、たくさん迷い込んでいますので、ぜひどうぶつたちとお友達になりにきてくださいね!


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by m_kirin30 | 2014-10-21 15:39 | 日常 | Trackback | Comments(7)

職人

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感動は、自分の感覚の外からやってくるものです。
目の前のモチーフを見て、描くという事を大切にしています。
写真資料をもとに作成する事も多いですが、
ほんとうのところは実際に自分で取材をして、デッサンをして、彫刻を制作すると、
いちばんいい彫刻ができるように思います。
それは、自分の中にぐるぐると動くその動物の3次元の記憶が宿り、呼べば今にも、その子に触れる事ができるような感覚が残っているからです。
時を共にした記憶というのは、深く強く、脳裏に刻まれます。
人間にまつわる事はほとんど覚えられない私ですが、出会った動物たちに関しては忘れる事はありません。

この世界で、一番の願いは、死者にもう一度会えることだと、いつも思います。
それはもちろんかなう事は無く、時はいつも一方通行だからこそ、生き物は美しく、移り行くものはみないとおしい存在になるのでしょう。
そんな中で、いなくなってしまった命に、もう一度触れたいという思いから、彫刻で動物を作る仕事をしています。
現実にはかなわない願いなのですが、彫刻になったその子に、もう一度触れる事で、思い出すことができるたくさんの愛情があります。
私が生きている間に、ひとりでも多くのそのままの美しい姿を、彫刻に残せたらと思うので、
私の仕事は生涯そこから変わる事はありません。

芸術家、表現者、アーティストと呼ばれる人たちは、私の事を認めないかもしれません。
私には、表現というものはなにもないからです。
ただ単純に、どこまでもリアルに、温度のある彫刻を作る事だけに生涯を費やして行きたいです。
この仕事には表現や個性的であろうとする事が挟まってくると、現実が曲がってきてしまいます。
ただ目の前の真実を受け入れる、おおきな器のようなものになって、
現実を、一つ残らず受け止めておきたいと思います。
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私にとっては夢も、奇跡も、感動もすべて現実の中にあります。
そのままの美というものを、残せる最高の職人になれたら、自分の一生は十分だとも思います。
あれもこれもとやりたいことはあっても、こなせることは極わずかなので、この一つの事だけを続けて行けたらなと思っています。

職人というのは、コントロールができる器だと、聞いた事があります。
ものづくりというのは、毎日同じいいものを作るために、実は毎日すこしづつ違った事をしていかねばならないと。
それは、時が経過する事で昨日とは条件がすべて違ってきてしまうからです。
自分の技術の向上、環境の変化、気温、湿度、体調、素材の変化、日々あたらしい条件下でまた、職人は昨日以上のクオリティのものを必要とされます。
技術の向上と平行して感覚も鍛えて行かないと、とたんにものに力は失われて行きます。
どんな環境下でも、美しいものを見つける目を養い、現実を嘘無く作り上げる職人に、なっていきたいとおもいます。


今月末は、東京 もみじ市に参加します。
もみじ市の、猫のブローチワークショップのための見本のはずが、ブローチを30個程制作できたので、会場で限定販売を行いたいと思います、
ワークショップも、ぜひこの機会にご参加ください!
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東京 もみじ市 多摩川河川敷にて開催 9月27日 28日

ワークショップ受付はこちら

10月25日 三重県いなべ市で、ヤネウラットのお化けパーティー に参加します。
森のなかの別荘のような場所で、お化けの木彫りをつくるワークショップもありますので、ぜひ遊びにいらしてくださいね!

10月末、福岡銀行さんで彫刻の大動物園をひらく予定です。

その他、年内ワークショップ、展覧会まだまだありますので、お近くの際はぜひ彫刻の動物たちにふれあいにいらしてくださいね。
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写真は 東京 巣巣さんでひらかれた眠り猫のワークショップの完成画像、みなさまのにゃんこ、すばらしいです!































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by m_kirin30 | 2014-09-13 08:00 | 日常 | Trackback | Comments(2)

彫刻のちから

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彫刻には無限の可能性があります。
美術の持つ力もまた無限です。
長く美術の学問に携われば携わるほど、感じるひとつの思いがあります。
それは、うつくしいものと、きれいなものは、少し違うものだということ。
きれいなものは、うつくしいものには含まれますが、うつくしいものは、もっともっと大きな意味を持つものだと感じます。

きれいなものは、もちろんうつくしいですが、きれいでないものも、うつくしいことがあります。
うつくしいということは、目で見えるものだけではなく、その場の空気のうつくしさや、その時の心のうつくしさ、
時に悲しいものも、うつくしいことがあります。
苦しい物語も、哀しい結末でも、うつくしい物語があるように。
単純なきれいさ、だけでは伝えきれないおおいなるものを含むのが、うつくしさ、というものです。

うつくしいものは、あらゆるものの味方です。
うつくしいものは、それぞれの強さを持っていて、生き物たちを支えているような気がします。
空のうつくしさ、木々や生き物のうつくしさ、都会の風景の、働く人たちのうつくしさ、
私は毎日、いろんなうつくしいものに支えられて、心を整えて暮らしているような気がします。

「芸術家は、もともと弱い者の味方だったはずなんだ、弱者の友なんだ。
 芸術家にとって、これが出発で、また最高の目的なんだ。
 こんな単純なこと、僕は忘れていた、僕だけじゃない。みんなが、忘れているんだ。
 僕は、ポチを東京へ連れて行こうと思うよ。」
 太宰治 畜犬談より

病気で醜い姿になり、弱り果てたポチという犬を、置いていこうかと考えていた作者が、思い直すシーンで語った言葉です。

私たち芸術を仕事にする人間が、弱い者を救えないでどうするのか、と日々思います。
お金で、医療で、物質で、救えないものがあったとして、最後まで味方であり友なのが、芸術の役目なような気がします。
強い者たちに、お金や権力がくっついている事がおおいこの世界でも、死後にはなにひとつ持っていく事はできません。
さいご、なにももたないたった一人の人間という生き物になって、この地球に立った時、
あらゆる物質でなくこころの味方であるのが、自分のつくった美術であるように、
味方であり友である、そんな彫刻が作れるように、
色々な思いを込めて今日も木を彫っていこうと思います。

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撮影 森田直樹

現在、開催中の大阪 けんちくの種さんにて展示中の はしもとみお展 「いきものたちの隠れ家」のこりあと一週間です。
関西地方でゆっくりと彫刻を見られる機会に、お近くの方はぜひ彫刻を触りにいらしてくださいね。


今年もなつやすみの企画、河合塾名古屋さんにて、木彫り教室を行います。
8月2日 10日 子供木彫り教室 こちらは親子でご参加いただけます。
8月3日 大人木彫り教室  一日かけて、好きな動物を作っていただける年に一回のスペシャル企画です!
8月11日 動物のお絵描き教室 大人も子供も、ご参加いただけます、実際に動物たちが河合塾に遊びに来ます。

ご予約は、お電話フリーダイヤル0120-591-109または河合塾美術研究所窓口まで。
各回定員20名(定員に達し次第締め切りとさせていただきます)


この夏、ぜひ美術に触れてもの作りのすばらしさを体験していただければとおもっています!










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by m_kirin30 | 2014-07-22 14:58 | 日常 | Trackback | Comments(6)

たのしませること

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子供のころ、絵を描くのが、ものをつくるのがたのしくて仕方ありませんでした。
たのしくつくっていればほめてもらえる、そんな世界で生きていたからかもしれません。
ほんとうにいい美術は、プロであれ趣味であれ、大人であれ子供であれ、
ありとあらゆるところからあらゆる人の手によって生まれる可能性があると、そう思っています。

だけど、仕事としての美術は、たのしくつくる事ができれば、人をたのしませるものがつくれるかといったら、全くそうではありません。
美術の仕事をすればするほど、たのしいだけの制作はできなくなってきます。
それでもいつか、真に自分がたのしくつくるものが、ひとをたのしませる日がくることを、
私が歩む美術の勉強の道は、そのことを学ぶ道でもあります。

たのしくつくる事を学ぶのではなく、つくったものでたのしませる事を学ぶ、それが美術の学問です。
そのためには制作のあらゆる苦悩も、痛みも、必要不可欠なものです。
むしろ難しい制作だからこそ、ひとをたのしませる、感動させる、そういったものをつくることができるのかもしれません。
なにがひとをたのしませるのかを知るという事は、なにがひとを傷つけるのかをよく知っておく事だと感じています。
あるひとをたのしませたからといって、あるひとを傷つけていいわけではありません。
自分のつくったものが、自分にとって、ひとにとって、動物たちにとって、地球にとって、どれかを傷つけるものであってはならない、そう感じます。
まだまだ勉強の途中で、間違える事もあるかもしれませんが、
今の時代のまっすぐな彫刻を、見る人に届けたいと感じています。
やがては自分のつくったものが、100年、1000年、そのずっと先に生きる地球の住民にまで、愛されるように。
今の時代に、こんなに美しい動物たちがいたのだという証明を、つくっていけたらなとおもっています。
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エキサイトブログの10周年記念特設ページに、ピックアップの10人のブロガーのなかに選んでいただきました。
大学生の頃にはじめたこのナマケモノ日記が、これからもたくさんの美術を愛する方々に読んでいただけるよう、
更新はとてもナマケモノですが、続けていこうと思っています。
こちらのページからご覧ください。


現在展示中の、「いぬねこ島へようこそ!」のこり一週間、6月21日までになります。
関東での展示会の機会は少ないので、この機会にぜひ足を運んでみてくださいね。

次回展示は、大阪府箕面市です

はしもとみお展 〜いきものたちの隠れ家〜
2014年7月5日(土)〜7月27日(日)
21日祝日のみ、お休み
11:00〜17:00

けんちくの種
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新作も追加予定ですので、ぜひ遊びにいらしてください!












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by m_kirin30 | 2014-06-16 19:29 | 日常 | Trackback | Comments(3)