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水面下

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表面上では何も変わっていないように見えて、見えないところでふつふつと、爆発を繰り返しているものはたくさんあります。

美術をはじめてすぐの頃のことを、最近はよく思い出します。

小さい頃から絵が得意だったはずの私が、美術予備校の中では、まったくの劣等生でした。
絵がうまくて当たり前、さらには感覚の優れたひとたちばかりの中、私は自分のセンスの無さと技術の無さに途方にくれ、大きな海に行くあても無く取り残されたようなカメのような気持ちで、絵を描くことが苦しみだった日々が続きました。

好きに描いていたちいさな頃は幸せでした。
好きな絵を描いて、いいね、上手だねとほめてもらって、うれしくなってまた描いて。
だけど美術のプロになるということは、趣味ではなく、評価される絵を描かなきゃいけない、
かといって、人の評価だけを追い求めると、感覚の神様はそっぽを向いてしまいます。

どうしたらあのひとのようにうまくなれるの?と
毎日誰かにあこがれて、まねをして、でもなれなくて、
かといって自分の個性というのも分からず、うまく描けない日々が続きました。

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そんなとき、私を救ってくれたのが、いつもデッサンでした。
デッサンは、私にとっては、とてもわかりやすいものです。
答えは、目の前に、いつもある。
そんな現実を真っ向からみつめ、描くデッサンは、かっこつけようとせず、自分の目の前のものを信用したらいいので、私には気持ちが楽でした。

デッサンだけは、私が世界を信用した分だけ、答えてくれる。
そうして、ひとつのものをそのままに、リアルに描くことに身を委ねて、私の美術の人生はおおきく変わりました。

そのままで世界は美しいのだということ。
こころが澄んでいれば澄み切っているし、こころが曇ればもやがかかる、
世界は、自分の感情によって、支配されているのだということ、
世界を信用する力が、デッサン力なんだということ、
そんなことを、美術をはじめて3年のあいだに、たくさんたくさん学びました。

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水面下で、周りから見ると、どうしようもないようにみえるような状態でも、
その人の奥底では、明らかに変化があって、はじけて、生まれ変わっている状態のことはよくあります。眠っているときに、一番活発に、成長細胞が動いているように。
成長のペースはさまざまなので、自分だけが人よりおそく感じることもあって、
あせって、見失って、くるしいですが、
そんなとき、私はいつでも、自分を待ってあげることにしています。
自分を、他人のように見つめ、
自分という人間の成長を、信じて待ってあげることにしています。
自分の努力を知るものは、自分自身しか、決してわかってあげられないのだから。
どんなに苦しくても、彫刻をつづける、
それだけを糧に、また、今年の春から、作り続けて行きたいと思っています。

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今回の素敵なお写真たちは、写真家の森田直樹くんが、那須高原の展示会風景を撮ってくれたものです。私は彼の写真がとても好きで、今年は彫刻もたくさん撮ってくれる予定なので、とても楽しみにしています。


今月、岐阜県可児市 レストラン ものがたりさんで、展示会をしています!
お近くの方は、ぜひ、イベントやワークショップ、お食事に遊びにきてくださいね!
20日には、ポチのアミちゃんのライブもあります。
彼女は現在NHK Uta-tubeにも出演中です!



「いきものたちと、ものがたり」展


イベント当日はもちろん、4月5日から約一ヶ月、壁画の森に彫刻家はしもとみおのいきものの彫刻や、画家くまたにたかしの絵がたくさん展示してあります。
どうぶつたちの「ものがたり」とともに、お食事をしながら、彫刻や絵のいきものたちと素敵なひとときをお過ごしください。


4月5日(金)~4月29日(月曜)〈春分の日〉
9:00~21:00


木曜定休・4月20日は14時まで


■ はしもと みお(彫刻)  http://kirinsan.awk.jp/
■くまたに たかし(絵画) http://ameblo.jp/iroha-works/


昨年30周年を迎えたレストランものがたり。季節も春を迎え、内装を一新します。
壁画の森のおひろめを、生き物の彫刻たちや絵、優しい音楽と美味しい料理で彩ります。
優しく楽しい春のものがたりで、みなさんのお越しをお待ちしています。



ワークショップ

完全予約制

レストランものがたりで文化に触れてみませんか?


(1)はしもとみお&くまたにたかしのスペシャルデッサン教室


彫刻家 はしもとみおと 画家くまたにたかしによる
はじめてのコラボデッサン教室
鉛筆と紙を使って、基礎から楽しく
光や影、色や形、ものの見方をちょっと変えてみましょう。


4月28日(日)14:00~
(16:00終了予定)
料金: ¥3,000(1DRINK/おやつ付き)
もちもの:特になし
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(2)はしもとみお木彫教室


彫刻家 はしもとみおの木彫り教室。
レストランものがたりで、個性豊かなカワウソ箸置きを作ろう!


4月29日(月)<春分の日>14:00~
(17:00終了予定)
料金: ¥3,500(材料費込/1DRINK/おやつ付き)
もちもの:汚れてもいい服装/作りたいカワウソの写真など
※小さいお子様の場合はご相談ください


お名前、連絡先、ご予約人数をお伝えください。
下記方法からお申し込みいただけます。
*電話→  0574-63-1710(レストランものがたり)
*メール→ iroha_works☆hotmail.co.jp (いろ葉)☆を@に変更して送信お願い致します。
*Facebook→ https://www.facebook.com/events/573225396029524/「いきものたちと、ものがたり」イベントページ
にて「参加する」ボタンをクリックで申し込み完了です。
 ご参加いただくイベント/ワークショップ(1or2)/
 複数名ご参加の方は人数をコメントで明記ください





イベント


2013年4月20日(土)
17:30 OPEN/ 18:00 START
【場所】   
レストラン ものがたり

岐阜県可児市下恵土5505
(0574)63-1710
【料金】    
大人¥3,500/ 小人 ¥1,750
(食事付き/飲食持ち込み可)
フリードリンクですがウーロン茶/オレンジJ/ワイン/のみ
【定員】   
40名(完全予約制)
【MUSIC】  
アコースティックの優しい音色たち
■ポチとolive    http://amipochi.jimdo.com/
■Flying Doctor  http://flying-doctor.jimdo.com/
【ART】  
自然いっぱいの壁画と動物いっぱいの彫刻と絵
■ はしもと みお(彫刻)  http://kirinsan.awk.jp/
■くまたに たかし(絵画) http://ameblo.jp/iroha-works/
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【ご予約/お問い合わせ】 
20日のイベントとワークショップは完全予約制です。
お名前、連絡先、ご予約人数をお伝えください。
下記方法からお申し込みいただけます。
*電話→  0574-63-1710(レストランものがたり)
*メール→ iroha_works☆hotmail.co.jp (いろ葉)☆を@に変更して送信お願い致します。
*Facebook→ https://www.facebook.com/events/573225396029524/「いきものたちと、ものがたり」イベントページ
にて「参加する」ボタンをクリックで申し込み完了です。
 ご参加いただくイベント/ワークショップ(1or2)/
 複数名ご参加の方は人数をコメントで明記ください
*各アーティストへ直接申し込み
※ご予約は先着順にて定員に達し次第受付を終了させていただきます。
【その他】
レストランものがたり
TEL : 0574-63-1710
木曜定休 9:00 ~ 21:00
■お車でお越しの方
P20台有り(満車の場合は一度お問い合わせください)
■電車でお越しの方
名鉄 広見線「新可児駅」・JR 太多線「可児駅」から徒歩10分
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by m_kirin30 | 2013-04-17 16:44 | 日常 | Trackback | Comments(2)

難しいこと

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難しいことはたくさんあります。
完成させるということを、急ぎすぎると彫刻はみるみる固まっていき、身動きが取れなくなります。
完成、ということに縛られ、一歩も動けなくなって、恐怖で間違った形も壊せなくなるからです。
それなのに、時間というのは残酷で、いつまでも作っていい作品なんて無くて、社会と関わって、仕事として彫刻をやって行く以上は、決められた時間内で最善の完成を持って行かねばなりません。

作品を、決められた時間内に完成させる、これは、美術の中で一番大切な社会との約束で、
それなのに、こんな基本的な約束すら、美術家にとっては最大にして最強の難問でもあります。

完成させねばならないけれども、完成にとらわれない、最後の一秒まで最善の判断と決断をし、どんなに積み上げてきたものでも必要ないと思ったら捨てる、完成には、おおきな勇気と判断力が必要となります。

心を自由に、感覚を素材に預け、思い切って遊んだり回り道をしなければいいものはつくれません、
また、自由の中にも最大の注意を持って、常に生死をさまよう緊張感を持っていないと、ただの遊びで終わってしまいます。その常に持ち合わせた緊張感こそが実力で、そこが作品の勝敗を決する部分でもあります。

上手くいった、というのは、運がよかっただけで、運に頼るととたんに、運は逃げ去って行きます。
ほんとうの実力とは、作品の中で起こった事故を、解決する能力のことを、言うのかもしれません。
上手くやろうとせず、トラブルをむしろ求めるくらいの気持ちで、気流をどう扱って、どう解決、修正して行くかに、努力の差が、あらわれてくるのでしょう。
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私はいつも、美術のことを人に教えたり伝えたりする時、伝えたいことがあります。
それは、努力は作品の外でやる、ということです。

学生さんであったら、授業で提出する作品は、作品なので、普段の努力を出す、発表の場なので、
授業外でどれほど失敗と、修正と、自分の強化ができるかが、大切な時間になってくるでしょう。
作品のなかだけにそれを求めていると、大きな失敗と、時間をかけた修正ができなくなってしまいます。
私たちだったら、仕事は作品です。
仕事以外の時間で、ドローイングや彫刻、思考、あらゆる失敗と修正、それをクリアしておく必要があって、それが、個人の努力というものなのでしょう。


美術において、努力はセンスを生みます。
センスがない=美術に向いていない、と悲観することは全くなくて、
むしろ、センスの無い人が、努力して勝ち取ったものが、いいセンスなのであって、
生まれつきや環境の差なんて、膨大なのちの努力に比べたら、微々たるものでしょう。


言葉では簡単に言えても、簡単なことが一番難しく、今なお勉強のさなかにいます。
それでも私は、自分が美術に出会って、すべてが変わって、美術から教えてもらった幾千の真実を、
ひとつひとつ彫刻に刻んで、伝えて行けたらいいなと思っています。

来年に大きな個展が1つあるので、そちらに向けた制作を、今年は丸ごと費やして作って行こうと思っています。

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今年も、素敵な場所で、ワークショップや展示会をさせていただけることになりました。

ミュシカ分室
サタデッサン教室

2013年2月23日(土)  「ゆれる木馬を作ろう」の会
2013年2月24日(日)  「 ペン画で好きな動物を描いてみよう」の会

ご予約先: ミュシカ  お電話またはメールにて
TEL: 052-737-8601 / CONTACTページ お名前、ご連絡先、参加希望日時、人数をお知らせください。




栃木県、那須高原のえほんの家MURMURさん
チルチンびと広場
那須高原ガイド
こちらは那須高原の素敵な場所で、ワークショップやえほんの読聞かせイベント等させていただきます。ぜひ、旅行気分であそびにきてくださいね。


5月には東京でワークショップもあります。そちらもまたアップしますね。
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by m_kirin30 | 2013-02-15 20:19 | 日常 | Trackback | Comments(0)

リアル

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現実は厳しい、という言葉をよく目にしますが、私は現実ほど好きなものはありません。
つらいことや苦しいこと、厳しいことももちろんありますが、そちらに注目すると、世界は苦ばかり、影の部分、苦しいことには人は敏感ですが、
人は幸福に対する感覚はいつも鈍い、そう思っています。
自分はしあわせだ、と言うことにはとても、勇気と体力がいる気がします。それを聞くのも、また。
ちょうど、絵を描いていても、影ばかりはよく追えるのに、光の部分を描くのはとても難しいように。


美術をはじめて、めのまえのすべてが、うつくしいものだと気がついたことが、一生を大きく変える出来事でした。
嫌いなものの中にも、うつくしさがあって、それこそ、もう名前がつく前の、そのもののうつくしさそのもの、というような。
なにげなしにふんでいた雑草、名前もない風景、ただの今日の空、使い古した道具たち、道ばたのカラス、そのすべてが、「絵になる」「彫刻になる」、ということは、美術から教えてもらいました。
どんなものにも、それなりの美しさがある、そんなこと、あらゆるものを描いてみないと、普通に生きてきた私にはとうていわからないことでした。

なんというか、少し恥ずかしいのですが、
私はこの世界がとても好きで、好きな現実の景色をそのまままるごと残したい思いから彫刻をはじめました。
そしたら現実の中に今まで描いていた夢も、無限の自由も見つかると、ある時思って、それからまたとても、楽しくなりました。
自分がみつけた大好きな生き物たちの瞬間、それを、ほかのだれかに、好きな人たちに、まだ見ぬ友達に、そのまま伝えたい、
彫刻は、立体になった手紙のようなものでもあり、レポートのようなものでもあり、たくさんの言葉や、音や、手触り、温度、目だけでは感じられないあらゆることをつめこんで、作っています。

この世界の、光の部分も、影の世界もどちらも好きです。どちらも美しく、互いを引き立てる、そういうもののように思えるのは、ようやく大人になってきたのかも、しれません。それか、子供にもどったのか。

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リアルを追いもとめることは、飽くことはありません。
宇宙人がいつか現れて、彫刻をみせて、ほらこんなに地球は美しいと、見たりさわったり、そんなことが共感できるか分かりませんが、
地球に住んでいる人や生き物たちなら、きっと分かってくれる、そんな気がしています。
今年も残りすこし、大好きな現実を、1つ多くでも、のこしていけたらと思います。

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最近は子供たちに彫刻をさわってもらったり、いろいろ楽しい時間も過ごせました。

次回展示は、大阪、東京と続きます。
まずは大阪、
BODAIJU EXPOに参加させていただきます。

友人が特設サイトもつくってくれました。

11月24、25日、大阪近郊の方はぜひあそびにいらしてくださいね!
たくさんの持ち帰ることのできる彫刻たちもご用意しています。
今回は、仲良しのお店、ミュシカさんがコーディネートも行ってくださいます、
きっと、素敵になる予感です!


12月1日〜25日は、代官山アドレスディセで展示&ワークショップです。
こちらはショッピングモールを彩るクリスマス特設展示で、こちらもミュシカさんがひきつづきコーディネートしていただきます、
飾ることが苦手な私も、つよい味方を手に入れて、こころは大はしゃぎです。
こちらはまた告知しますね。
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by m_kirin30 | 2012-11-07 19:50 | 日常 | Trackback | Comments(0)

あずける

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じぶんひとりで戦ってきた、積みあげてきた、とおもいたくても、ひとの力なくしてはだれも何もできず、芸術の世界なんてさらには、社会が健康である事や、見る人、聞く人、ふれる人がいてくれること
なしには、つくってもチリにおなじです。


つくるのは得意で好きですが、あとのことはほとんど苦手でできません。

それでも「飾る」ことが得意な人に出会ったり、
「伝える」ことが得意な人に出会ったり、
「届ける」ことが得意な人に出会ったり、
それらのたくさんの仕事をつうじた仲間の力をかりて、
いままでなんとか仕事を続けてこられました。

困難なときほど、その目の前の困難とだけひとりで戦ってすべてを見失わないように、
頼れるものは頼り、できないことは相談したりお願いしたり、
世界に感覚をあずけるような気持ちで、仕事をつづけています。
あずける、という感覚は、この世界を信用する、ということと近いんだと感じます。
いいことも、わるいことも、自分にとっては必要な要素だと全力で信じることができたら、
困難は、もう困難ではなくむしろ必要なスパイスになってきたりします。

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ふときがついたのは、

その時々のトラブルも、思い通りに行かないことも、すべてを信用してアドリブでいいものに変えていく技術がもてたら、それは無敵だ、ということ。
強いという無敵じゃなく、すべての素材が味方という意味での敵なし。
そうでありたい、とおもいます。
そもそもが、素材も条件も環境も、はじめから敵対しようとはしていないのだなということ。
あらゆる環境も逆境もただの舞台で、すべてが面白くするための演出なのかもしれなくて、
美を引き立たせるためのノイズなのかもしれない、ということ。

うつくしい、は、うつくしいを汚す要素があることで、はじめてうつくしさを感じることができます。
わたしはむしろ、その汚れやノイズのほうを、信用しています。
敵対してくるとみえる人や環境のほうを、むしろそれが世界のリアルであると感じることができたら、
世界はまだまだ広く、
まだ見ぬ困難や苦しみももっとリアルを知るための要素だと、感じることができます。
リアルの極限には、みたことのない美が待っている、
それをたのしみに今は、制作をつづけています。

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このかわいい写真たちは、「飾る」ことの得意な、ミュシカさんが作って撮ってくれました。
自分の彫刻を生かしてくれるのは、いつも見る側のひとたちです。
私は、世界に愛されるものをつくることだけに集中し、つくりつづけていこう、と思っています。

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by m_kirin30 | 2012-09-05 09:50 | 日常 | Trackback | Comments(10)

これから

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どんなものでも、使うことはとても楽で、作ることは手間ひまかかります。
その、つくる、と、つかう、の、バランスがこわれると、ものは失われて行きます。
一枚のお皿、木の机、一枚の絵。
たいせつに手のひらで作られたものも、いつかは壊れたりもしますが、たいせつなものほど、大事に使ったり、修理したりしながらいつまでもそのかたちが続くように、願われて守られていきます。

最近は、大量生産品が増え、失くしてもいいものが増えてきて、そのせいでか、ものをたいせつにする、使うことが、苦手になってきているような気がします。

すべてが使い捨てなら、よかったのですが、もちろんそんなことは許されません。
むしろ、そうやって後に残るものたちのことを考えず、今を使い尽くしてきたのが、ここ最近の私たちであり、日本なのでしょう。
これからのくらしを、真剣に考えないといけない世代の私たちは、成長期のこの国とは、大きく違った方向でものを使って行かなければならないし、
むしろ、失ったいいものや自然をこれからのために、つくってつくってつくりまくるしかない、そんな時期になっています。

色んな理由があって、色んな夢もあって、私も、この場所にいます。
大変なことがあっても、誰にだって日本で暮らしていきたい理由があり、日本で暮らさなければならない理由もあります。

日本の音楽や芸術、
すばらしい表現者の方々に、巡り会うといつでも、
この人たちの、表現する場を、守っていきたい、と思います。
音楽家がきもちよく音楽を続けられる場所を、
芸術家がのびのびと芸術を創作できる場を、
ものがうまれるところ、を、つくっていきたい、と心から思います。
芸術活動に過度な豊かさは必要ありません。
むしろ、文明を失って火と水だけになっても、つづけられるのが芸術で、
私たちの仕事は、感覚や心の、目に見えない部分の栄養を作り癒す、お医者さんのようなものです。

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使うことよりむしろ、作ることの方が私には楽しいです。
一つの土地で、制作を続けていこうと思うのも、一日でも地道に自分の仕事を進めよう、と思うのも、
今は、ひとつの彫刻家、という仕事を作っている最中なので、
きょろきょろせず、気をそらさず、無駄に手を広げず、
しっかりと、成長できる範囲で足場を作っていきたい、と思っているからです。

もし、興味のおもむくままに色んな物事に手を出し、
興味あることを使い捨て感覚でチャレンジしてはのりかえて
そのどれもが中途半端に終わってしまったら、
どれほど後悔するでしょう。

この仕事からだけは、離れない、そう決めて前へ、
またすこし、進んでいこう、と思っているこのごろです。

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お知らせはいろいろあり、

7月1日に、全国タリーズコーヒーさん店舗で、絵本「神様のないた日」が、再販していただけることになりました、ぜひ、タリーズコーヒーさんにおたちよりの際は、絵本を読んでみてくださいね。

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「ケモノたちの夏休み」 河合塾千種校 ギャラリーNAFで開催決定!

             7/21(sat)~8/5(sun) 10:00~18:00

             木彫りワークショップも同時開催!

会期中は無休です!ご家族で、お友達と、はたまた一人でカメラ片手に、さわったり、思い出のスナップを撮ったり、絵を描いたり、

自由に体験していただける彫刻の展示会が開催します。

場所は愛知県名古屋市、JR千種駅前の河合塾美術研究所付属の、NAFギャラリーです。

展示会&ワークショップもあります、おとな講座は定員になってしまいましたが、子ども講座はまだ申し込めますし、同伴参加もオーケーなので、ぜひ参加してみてくださいね!


7月16日には、PoPoyansさんツアーファイナル、「PoPoyanzoo」に、彫刻の移動動物園を開催します!かわいい音楽も聴けて、彫刻にもさわれる、楽しい企画です。


またくわしくはつぎの機会に書きますね!
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by m_kirin30 | 2012-07-02 02:11 | 日常 | Trackback | Comments(5)

できること

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昔は、できないだろうと思っていた毎日彫刻を彫って仕事をする環境、あきらめかけていた作家という仕事、想像さえできなかったことが、今は忙しくも充実しながら、実現しつつ暮らしていて、
よくよく考えると、なぜ、できないだろうと思っていたのか、今となっては考えることがあります。

あれはきっとできない、この仕事にはきっと就けない、
いろんな思いが頭をよぎり、小さい頃の夢をあきらめた経験は誰でもあることかもしれません。
野球選手にはなれない、宇宙飛行士にはなれない、歌手にはなれない、、
あこがれの職業ほど、あきらめてしまうのはなぜなのか、
よくよく考えると、
「なれる可能性」という面では、ほぼ100パーセントの確実で、何にでもなれるでしょう。
日本という国にいれば、ほぼなおさら、何にでもなれるでしょう。
もし何かしらの障害があり、その職業が事実難しかったとしても、確実にその職業のちかくにある仕事に、つける、そう思います。

天賦の才能、という話もありますが、
私は努力でできないことはないと思っています。
持っている「夢」を、持ち続けることができれば、その可能性はほぼ確実です。
なぜなら、夢の実現にむけて努力するということは、
冷静に自分の実力を判断し、無謀な夢は捨て、自分に可能なものを探し、弱点を強化して長所を最大限のばし、着実に階段をのぼっていく、
むしろ、夢を持ち続ける事こそが、何よりもつらく、険しく、精神力のいることなのでしょう。

そこで誰しも生まれ持った力の壁にぶちあたりますが、
自分にしか開けない突破口が必ずあり、なりたい職業の分野で、自分だけにしか戦えない手段が、きっと見つかります。それを見つけさえすれば、何になってなれるし、どこへだって行ける、そう思います。
自分、という鍵はこの世界に一つで、自分だけが開ける扉がある、という謎解きのようなものです。
長い長いロールプレイングゲームのようなもので、どんなに難しくても、時間を費やし努力すれば必ずクリアできると、そういうイメージです。

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では、その自分の「夢」を壊そうとする敵は、なんなのか
よくかんがえると、それば、「既成概念」というやつでした。
脳の中の、「限界フィルター」みたいなもので、
生きてきた経験、受けた忠告、世間の常識、社会の情勢などによって、
振り払おうとしても全く消えてくれない、「既成概念」の重くて分厚い壁が、私たちの夢を拒みます。

「あれは無理だからやめとけ」「そんなのなれる訳ない」「それでは食べていけない」
大人になるにつれてたくさんの現実を見た中で、世間一般にとって難しい事は、自分にとっても難しい、と、判断し、楽な方へ脳が指令を出します。
その、甘い指令に、ちいさく強くすこしづつ抵抗していく事が、きっと、「努力」というものなのでしょう。

「限界突破」の脳さえつくれれば、あとはかなり自由に進みます。
できない事はないので、あとはできるまで時間や努力を費やし続けるだけです。
その、惜しみない努力と時間、犠牲だけが、短い一生の中でどれぼど費やせるかに、かかっているのでしょう。
鈍感で、バカなほどに一つの事をつづければ、たいていの事は、可能になるような気がします。

とはいいながらも、自分もまだまだ限界を知ってはいなくて、
今なお、既成概念の壁と戦いながら、毎日、彫刻をしている暮らしです。


「数学の神は、その自分に払われた犠牲の分以上は、決して人に恩恵を与えない」
これは数学の世界の言葉だそうですが、
どの世界でも、そうなのかなと思います。

美術で生きていくというのもまた、多くの犠牲(という言葉が正しいのかはわかりませんが)を、
自分の暮らしから払わなければ行けないのもたしかです。
これから、どんな厳しいことがあっても、けして美術をやめない精神力を、
養うためにいま、基礎体力作りをしていこうと思っています。

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星ヶ丘洋裁学校での展示会もおわり、会場には本当にたくさんの方が足を運んで、彫刻をさわってたのしんでくださいました。
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今年はたくさんの展示会の機会をいただき、本当にうれしく思っていて、
動物たちも、すこしにやりと喜んでいるような気もします。

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次回展覧会は、名古屋市千種駅近くの、河合塾美術研究所付属の、NAFギャラリーです。

ケモノたちのなつやすみ 展 

2012年7月21日(土)〜8月5日(日)まで 会期中無休 10:00〜18:00

小さな動物たちの彫刻約300体ほか、大きな等身大の犬や猫、異国の動物、ガゼルやラクダなど、たくさんのさわれる木彫りの動物たちを展示します。
彫刻をさわったり、記念写真を撮ったり、絵を描いてみたり?!
お好きな楽しみ方で、展示会にあそびにきてくださいね。


今回も、同時開催で、木彫り教室をします!
河合塾での木彫り教室は、大きなアトリエで一日つかってすこし大きめの作品を作ります。
初めての方も、道具がなくてもすべて貸し出せるので、お気軽に参加してみてくださいね!

お申し込みはこちらから  0120-591-109 です。


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by m_kirin30 | 2012-06-05 12:24 | 日常 | Trackback | Comments(0)

まわりのもの

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ものをつくるということ、は、もののまわりにある見えない空気や感覚をともにつくるということ。
なんだかずいぶん前から考えながらも、わからなかったことが、最近になってわかりかけています。

空間に、ものが生まれると、何かしらの熱量がそこにまきこまれ、重力が生まれるように、
何かを作るということは、そのものが生まれたとたん、引力を持ち回りを巻き込んでゆく、
その、目にも見えず、音もせず、触れもせず、無味無臭の、五感では感じられないものの中にも、心が動かされるものが確かに存在する。
それは何なのか、ずっとかんがえてきましたが、
心の動力源は、いつも、「時」が絡んでいるのだと、気がつきました。

「時」がないと、すべてがむなしく、たいせつなものも何もなくなってしまいます。
人にとって、いきるというのは、時を刻んでつくっていくということ、
今が永遠というくらいすばらしい瞬間に出くわすこともありますが、
それも、過去の苦しみがあるからこそ、ひきたってくる喜びでもあります。

いい、ものには、そのものの中にリアルな「歴史」や「時」や「物語」があります。
人は、その形のない「時にまつわるもの」に感動するのだと思います。
それは、その「時」の長さに関係なく、
オーロラや絶景のように、永遠には見られない一瞬のまたたきのようなものであったり、
古代から数々の時を乗り越えてきた遺産の、悠久の時であったり、
生まれたての赤ちゃんの、まっさらな未来であったり、
時にかかわっていることで、感情が動くのだとおもいます。
感情も、時の流れにのっかって、うごいて浮かんでいるのでしょう。

ものを作る人間は、その作ったものの中に、リアルな「時」をつくれなければ、人の心を動かすものはつくれません。
どんなに長く時間をかけても、いいものができるとは限らない、ただの、作者の時をおしつけられたものを見ても、感情が動くはずもありません。
「時の、ものがたり」を、ものに、こめられる作家でありたいと、
最近ではよくこのことを思っています。
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32度目の春をむかえて、
植物に比べて動物の、あまりの持ち運べる時の短さに、
「うごく」という自由を手に入れたことで手放したおおきな「時間」を、
考えずにはいられません。
植物や細菌類や原子素粒子の生きているその悠久の時、
どれほどの歴史をかかえ、手放してきたのか、
その先端にできているのが、今見えている形であり色であり、
それが美しくない訳がありません。

あらためて、ものがうつくしいのは、
「時」がいろどっているからなのだ、と、
そう感じた春の数日でした。

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5月半ばからいよいよ大阪で展示会です。
見てくださる方のいい記憶のひとときになるように、
精一杯の展示会を、開きたいと思っています。



はしもとみお 『遠い国のケモノたち』
2012.5.16 (水) - 5.27 (日)
open 12:00-18:00   closed 月 火
最終日 27日は17:00まで

場所 大阪 枚方 星ヶ丘洋裁学校内 sewinggallery

UAE(アラブ首長国連邦)に一カ月滞在し、動物たちを取材しながら一緒に過ごした、彫刻家 はしもとみお。現地でふれあった動物たちの彫刻 約60点を展示致します。

彼女の目でとらえた動物の筋肉、毛並み、息づかい。ノミや鋸、彫刻刀を自由に使い、動物の見える形の中にある いのち そのものを彫り出します。会期中には現地取材で描いたスケッチの一部を公開。ワークショップや似顔絵会も多数あります。生命溢れる彫刻の数々をぜひご覧ください。

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木彫り教室&ワークショップを行います

今回は、ソーイングギャラリーさんのすてきな中庭で、木々にかこまれながら木彫りができるといいなとおもいます。晴れたら外で彫りましょう!

◆ 5/19(土) 木彫りワークショップ
「ちいさなラクダを彫ってみよう」   
1部 12:00-14:30 / 2部 15:30-18:00

◆ 5/20(日) いぬのえかきやさんor どうぶつの似顔絵会  

◆ 5/26 (土) 木彫りワークショップ
「ちいさな猫を彫ってみよう」
1部 12:00-14:30 / 2部 15:30-18:00

◆ 5/19(土)  18:00~19:00
ポチ 「ケモノン音楽会」
ワンコインライブ ¥500


ご予約はこちら hamada@sewing-g.com 担当sewinggallery はまだ

関西方面のかたがた、ぜひ遊びに、星ヶ丘にいらしてくださいね!
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by m_kirin30 | 2012-04-26 01:44 | 日常 | Trackback | Comments(0)

なにもないところから

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宇宙は今爆発的に広がっている、ということですが、こんなに創造性にあふれた色とりどりの音にあふれたおいしいものだらけの地球に生まれて、すぐ近くにもたくさんの想像力をかきたててくれるものがあります。

朝一、おおきな彫刻にとりかかるとき、
木を彫ると、軽快な音が飛び散ります。部屋中に、あたり一面に。
音と木屑のかたちには密接な関係性があり、私にはそれがおもしろくて、
木屑の数だけ、彫刻の「時」は進み、刻まれます。
もしかしたら私の一生も、刻んでいる彫刻のようなもので、
有限な物体から、あたりに音とクズを飛ばしながら、少しずつ減っていく時の中で、あれこれ考え、無数の彫刻を残して死んでいく、そんなようなものであれたらけっこう幸せです。

「ぼくのちいさい頃、ぼくの家にはなにもなかった。音楽がなかったからこそ、独創的なものがつくれたんだ」
敬愛する音楽家、エルメートパスコアルさんの言葉です。
私が彫刻に駆り立てられる思いがこれとおなじで、
私はちいさい頃から生き物や自然現象がだいすきでしたが、近くにあまり理想の環境がありませんでした。
一人暮らしをしてなにもなくなってなおさら、自分のまわりあたり一面を動物で埋め尽くしたい、という思いに駆られ、部屋中うめつくすほどの動物の彫刻をつくったものです。

なにもないから、つくる。
なにもないところから、じぶんでつくる、
誰かの真似ではない独創的な方法でつくれたら、何にも束縛されず自由で、あたらしいものがつくれるはず。
そう思って、美術館にも行かず、ギャラリーめぐりも画集集めもせず、
わたしはハンマーや石で木を叩いたらどんな現象が起きるか、や、
木彫りを崖から転がしたらどんなことになるか、などの実験にとりつかれていました。

見えているものに無限にちかづくための現象がおきる手段を探して、
見た事のないほどりあるなものをつくろう、と、そのことにとりつかれてもうそろそろ15年が経とうとしています。
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なにもない、というのは、いいことなのかもしれません。
たくさんのものがあたえられていたら、満足して、つくろうという欲は無くなってしまいます。

いい環境でしかいい芸術家は生まれない、なんてことは決して無いと私は思います。
めぐまれた環境の中にいるひとが、優れた芸術家になる事が、多いというだけで、
どんな環境の中でも、創作の目を光らせ、情熱に体をあずけられるひとならば、
歴史を動かす芸術家になれる、と、私は信じています。

「レミーのおいしいレストラン」というだいすきなネズミの映画の言葉。

"Not everyone can became a great artist,but great artist can became from anywhere."

なにもないところからうまれゆく芸術家は、きっとみたことのないすばらしいものをもっているはずです。
それなので私は、生涯かけて彫刻の楽しさを伝え続けたいと思っています。
まだ見ぬすばらしい感覚を、ひとつでも多くみつけて行けたらと思っています。
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また4月のミュシカさんで、春の木彫り会をします、
久しぶりの木彫りワークショップ、とてもたのしみです。
はじめての方も、ぜひ参加してくださいね!

2012年4月22日(日)はしもとみお 木彫り教室 

「春うらら 居眠りワンコを彫ろう」の会

暖かい春の日に、居眠りワンコをみんなで彫りましょう。
ワンコは主に柴犬がモチーフのデザインです。
初めての人でも大丈夫。肉球までがんばって彫れるかな。

時間:1部 13:00-15:30  2部 16:30-19:00 
参加費:3800円(材料費込み)
定員: 8名
持ち物:あれば彫刻刀 汚れてもいい服装、エプロン、バンドエイド(手を切ってしまった時などに)筆記用具

ご予約先: ミュシカ  お電話またはメールにて
お名前、ご連絡先、希望日時、参加人数をお知らせください。
TEL: 052-737-8601 / myshica.com@gmail.com
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by m_kirin30 | 2012-04-14 11:11 | 日常 | Trackback | Comments(2)

学問

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彫刻は不思議です。
彫刻には時が刻まれていき、過去に戻ることはできない、失ったカタチは戻らない、一方通行に進んでいく過去の集積です。
それなので、3次元のかたまりに、時を彫り込む、独自の4次元世界を作るものだともいえます。
そもそも美術は、3次元のものを4次元や2次元に変えていく、次元を超えた行動でもあります。

美術は文学や社会とも、密接に結びついていますが、
その創作風景は、まさにscienceの分野です。
過去の膨大な記憶データによって、瞬時に行動を導きだし、鍛錬した技術で定着させる。
どんな行動を選ぶか、どのようなものが好みか、
それはとてもあいまいで、法則性も無く、一見偶然や主観でしか判断できない哲学の世界に似通っています。

だけど私は、オイラーやアインシュタインが描いたように、美術にも、万物の理論が存在するのだと信じています。
今は、確率を上げていくしかありません。10人中8人がいいと思ってくれるとか、そういうあいまいな話です。
万人のなかにある感動の神経細胞を動かす要素が、何であるのか、まだもちろん見つからないし、
きっと、そんなものは存在しない、人の心はあいまいで、無作為で、統一できるものでは、決して無いのです。
そんな中でも、あらゆる人が共感する、何かの原理がないものか、
私は、探していこうと思っています。
たとえば、自分とまったく逆の考え方の、理解しあえない人がいたとして、その人と共感できるエッセンスを瞬時に導きだせたら、こんなに自由で、こんなに無敵なものはありません。
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音楽、美術、数学は同じ分野の気がします。
答えへのアプローチにそれぞれの美意識が関わるところと、膨大な記憶力と反復練習だけがオリジナリティある答えを見つける手がかりになるというところ。
あらゆる技術を手に入れた上での、それを手放す自由を手に入れること、
美術も、学問のひとつなんだと、いつも思います。
時に心理学や脳科学や哲学のようなものでもあるのに、一方で文学的、社会的な側面もあり、表面は幾何学とサイエンスの集合体、まさに、私の目指している、ジャンルフリーの学問の世界。
ひとつの学問を突き詰めると、最終的にはすべてつながったところの壁に、行き着くのでしょう。

美術における統一理論は存在するのか?
万人が理解できて、感動する美というものは存在するのか?
無いとあきらめるより、それを求めてさまよう宇宙に浮かぶイカダのようなものでありたい、と思って、まずは目の前の地球の美について研究しよう、と、おもいます。
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美術と音楽が同じ、というのは、いつも思っていて、
昨年あたりから、この美術と音楽をつなげるイベントをなにかできないものか、ずっと考えてきました。
私がアトリエで出し続けている、ただの「音」、そのもったいない「音」を「音楽」に変えられたらいいのに。
それがすこしづつ実現して、
この願いを、太田朱美ちゃんと言う不思議な時空で生きるフルート奏者とおかしな仲間達が、かなえてくれました。
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彫刻の4次元空間に、音が加わる、5次元空間で、見る人も、自分たちも、あたまが?になり、とっても気持ちのいい空間です。


そのちょっと不思議世界の動画がこちら。

5次元の空間を、たくさんの人と共有したいので、
名古屋でもひとつイベントをする事にしました。
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ポチと月夜の音楽美術祭

日時>2012,5/12(sat) open 19:00 start 20:00

料金>charge 2000yen  30名様限定ライブ

場所>
パルル parlwr
名古屋市中区新栄2-2-19

予約先>
ご予約・問合せ  pochi.amio@gmail.com ポチ(マツイアミ)
ご予約の方はお名前、人数、ご連絡先を上記のアドレスにメールして下さい。
30名様限定ライブのため、定員に達した場合は先着になりますのでご了承ください。

どうぶつの気持ちを唄にするアニマルポップサウンド、ポチ。
voマツイアミが、数々のケモノになって唄う、
ポチ初のケモノンCD「ポチと月夜のけものたち」発売を記念して、美術と音楽がひとつになった、ケモノの音楽美術祭を開催します。
当日発売のCDに入っている曲をはじめ、月にまつわる曲を演奏。
会場では、はしもとみおによるどうぶつの彫刻展示や、イラストレーター渡邉春菜によるライブパフォーマンスもあり。
音と、美と、月夜に唄うケモノ、ぜひ体験しに来てください!

出演>
音楽
ポチとポチの仲間たち
美術
はしもとみお 渡邊春菜  飯沼由貴
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by m_kirin30 | 2012-03-23 09:31 | 日常 | Trackback | Comments(0)

食べるデッサン

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わたしにとってデッサンは食事のようなものです。
自分の内にあるイメージなんてたいしたことないし、それをもとに作っても、どこかの記憶のあいまいな断片であるような気がしてならず、常に他のものから、あたらしく吸収したものを体に蓄えておきたいという行為です。
デッサンで必要なのは、吸収力。
せっかくいいものを見て、食べても、それを感覚に取り込む力が無いと、体を素通りして、意味のないものばかり吸収してしまいます。
おそらく見えている世界は自分も他者も完全に一緒で、
目で取り込んで食べ、吸収する情報が、人によってちがうのです。
どこで、どんな時に、どんなものを食べて感覚を育てているかが、その人の芸術的感覚のすべてなのでしょう。

そして、次に大事なのが、飢え、のちから。
ハラペコじゃないと、何もかもがおいしく感じられません。
目が、感覚が常に飢えていないと、きっと本当のデッサンをできないのです。
吸収する準備がととのった体でデッサンに向かわないと、全くもって時間の無駄になります。
飽食は、感覚を病気にかける、最もおそろしい誘惑のようなものです。
美しいものばかり見続ければいいわけは無く、きっと泥の中を這いずり回って見つけるちいさな金の輝きを探すように飢えていないと、だめなのでしょう。

この、デッサンの食事を飢えた時にとらないと、
感覚は餓死し、過去の燃料を使ったエネルギー切れの彫刻に、どんどん、どんどん落ちてゆく気がします。
そして燃料が枯渇している事にも気がつかず、死んだまま立っている木のように、中身はすでに空っぽの彫刻になってしまう気がしてなりません。

また、感覚の燃料は、知らないうちに、肉食野生動物のような猛獣に見つかり、逃げる事に失敗すると食べられてしまう、過酷なサバイバルです。社会、人間、情報、たくさんのウイルスや敵が、豊富なおいしいエネルギーをねらっても来ます。自分の感覚は、死守しなければなりません。

私にとっての燃料は自然物のデッサンによる感覚の燃焼ですが、
人によっては書物の中や、
星空を見上げた時や、
海に潜って見つける感覚のエネルギーもあるでしょう。

いつもとなりで見ているはずの犬ですが、
デッサンをしていると、
この子の老いに、一番気づかされます。
カタチあるものがかならず滅びるという事実だけが、
私を彫刻に奮い立たせてくれる、唯一の、原因になっています。
ものの、いのちの死だけが、生産の、活力源。
まさしく「時」が存在する事が、彫刻をも、刻んでいるのでしょう。


デッサンというのも、いのちの取引に、他ならないのだなと、
命がけのデッサンを、重ねられるように、
今日もまた、懲りずにあたらしい感覚の食べ物を、探しに行きたいと思います。
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1000体どうぶつ、今100体が完成しました。
5がつの大阪の展示には、何個で来ているかな?
3/17日にジャズ&彫刻のイベントが東京でまた行なわれます!
このミニ彫刻も連れていこうと思うので、音楽も美術も、スキー!というひとは、ぜひ遊びにきてくださいね!
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by m_kirin30 | 2012-03-03 12:16 | 日常 | Trackback | Comments(2)