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遠くと近く

先日横浜のズーラシアと北海道の旭山動物園に動物取材に行ってきました。
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私は飛行機が苦手なのであんまり遠くに行くのは苦手なのですが、やっぱり彫刻はリアルに観察した方がいいものができる、と思い、現地取材を試みました。
現代では写真で、地球上のほとんどの動物たちを見ることができます。
だから私も、写真で見て好奇心をそそられ、たくさんの見たことのない動物たちを作りたくなります。世界中の動物が一同に見られる動物園はもちろん大切な場所です。

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だけどエゾシカのスケッチをしながら、ふっとこんなことを考えていました。
どんなに環境が良くても、人が動物の意思に関わらず作った環境。
スケッチのしやすい動物園は、同時に人と動物の関わり方を深く考えさせられる場所でもあります。遠くの地からやってきた動物たちを、本当の意味で幸せに出来るのか、考えると複雑です。

いつも、理想は自然の中にあります。
いつかすこし広い郊外の土地を買って、犬と、猫と、鳥やヤギ達。ひとと共存出来る少しの動物たちと一緒に生活をして、養い、養われ、自然の暮らしがしたいという夢があります。
その中で生活の身近にある美術、身近な動物たちの肖像を彫刻し、暮らしたいと思います。

野生動物達は、野生のまま、人は、もうすこし豊かさを捨て、共存出来るといいなと思います。
私も人に生まれた以上、人と関わらずには生きて行けません。
その中で人としての豊かさをなるべく捨て、自然に、素朴に生きて行きたいといつも思います。
「捨てた分だけ、空(くう)ができる。この空が、すべてを受け入れる器になるのだ。
 荷は捨てろ。そこに大切なものは何もない。」
と、古代思想の本に書いてありました。

あれもしたいこれも欲しいとなりますが、なるべく欲を捨てるようにすると、逆に満たされる時があります。何もないから、何でもあるような。
遠くの美しい動物たちに思いを馳せながら、近くの美しい動物たちの姿を残して行ければそれがいいかなと思います。

まだまだ理想に遠い今ですが、なんとかして自然の暮らしができるといいなと思います。

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今日は、子供服の作家の井上アコさんと5月の展示の撮影会をしました。
ピンチオブソルトさんの隣の公園がいい!とふっと思った私に、いい!とすぐ共感してくださり、撮影もスムーズにあれよあれよという間に進んで行きました。
お洋服と動物の彫刻の展示は、はじめての企画なのでとっても楽しみです。

展示場所は国立のアグレさん
東京近郊の方で、子供服や動物の赤ちゃんの彫刻が気になる人はぜひ遊びにきてくださいね!
ナナちゃんと新作カメさんも連れて行きま〜す!
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by m_kirin30 | 2010-03-31 23:40 | 日常 | Trackback | Comments(9)

経験値

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幸せか、不幸せか、と聞かれると、順風満帆とは決して言えない人生ですが、幸せだと答えます。
遠くから遊びに来てくれる友達、たよって来てくれる後輩、理解してくれる友人、なついてくれる犬と猫、住める家があって、かろうじて生きていけて、好きな仕事をできている、これを幸せと呼ばずして何といえばいいのでしょう。

小学校では過酷ないじめに遭い、中学校では阪神大震災に遭い、大学では受験に三浪して失敗し、
お金がなくてあきらめてきたことも数知れず、努力しても行きたかった所へ行けず、グレても当然の人生ですが、どうしてこんなにまで幸せだと感じるのか、いつも不思議でした。

ちいさいころから、何にもなくて当たり前でした。
一人も友達がいなくても、なついてくれる犬がいるだけで生きて行けました。
あんまりお金がなくても、勉強は身の回りの工夫で十分できました。
欲しい学歴がなくても、大切な友人ができただけで十分でした。
ないものだらけの人生でしたから、どんなに小さなものを得ても幸せを感じられ、どんなにたくさんのものを失っても、怖くはなかったのです。

上を見れば、きりがないし、
下を見ても、きりがない。
そもそも人生に上も下もない、のであれば、
誰とも比べなければ、不幸など存在しない、と思います。
生きているということは、それだけで、満ちている。

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後々になると、たくさんの苦しくつらかったことが、しっかり経験値となってつながってるんだなと思います。

「井戸の底で、見つけた真実、このどん底が必要だったんだ」
と、ピカソの本に書いてありました。
どん底の中で見つけた真実は、きっとすばらしいものです。

親元を離れ、ひとりぼっちで社会に放り出された時のあの底辺の恐怖、その底の方で死にものぐるいで見つけた自分自身は、ひとまわりもふたまわりも強くなっていました。

井戸の底に落ちても這い上がってくる亀さんのように、またこの一年も命がけで彫刻を作って行きたいと思います。
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この時期、受験などで悔しい思いをしている人もたくさんいると思いますが、大丈夫!
「今に見てろよ!」と、悔しさをバネに、いつか勝てばいいんです。
人は生きている限りまだまた勝負は終わりません。
一枚のデッサンでも、最後の5分でだめにもなりますし、最後の5分で傑作に変わることもあります。
死ぬ直前まで、あきらめないで世界で戦って行きましょう!

と、元気爆発の春ですが、
またしても楽しみな展示会が決定しました。
5月1日から5日まで、東京の国立のお店やさんで井上アコさんという子供服を作っている作家の方と、コラボ企画で動物の彫刻を展示させて頂くことになりました。
また詳しくはアップします。
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ただいま製作中の歯医者さんの受付に寝そべる柴ワンちゃん、作ってて楽しすぎて、なんだか愉快な作品が作れそうな気がします。
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by m_kirin30 | 2010-03-21 00:12 | 日常 | Trackback | Comments(10)

自刻像

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動物が好きか嫌いか、と聞かれたら、こんがらがると大変なのでとりあえず、好きだ、と答えます。
けれど本当は、好きとか嫌いでは語り尽くせません。

動物、というより、生きとし生けるものすべてに、尊敬の思いの方が強いです。
一匹の虫が、水たまりまで命がけで歩いて行く姿や、
何も言わずにただ待ち続けている犬。
真冬の大雪の中をひたすら耐えている鳥たち。
好き、とか嫌いの単純な言葉で、たとえこわいヘビくんやヒルくんでさえ、語れないのです。

蚊も殺せないようになったのは、いつ頃からなのか覚えていませんが、あるきっかけで変わった、というより、私自身がそもそもそういう人間だったのかもしれません。

もともとの自分が、年を取るごとに発掘されて行く。
でっかい木の中に、自分の本来の形を彫り当てた時のような感覚になります。

このような自分になったのは、環境や遺伝子の影響だけではかたづけられない問題です。
「この世は自分を探しにきたところ」
という河井寛次郎さんの言葉がありました。

ほんとうの自分をちゃんと彫り当てて、ほんとうの自分に正直に生きて行きたいと思います。
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来月早々に、一ヶ月間、このテーブルいっぱいにできたちいさな動物たちを展示する機会をいただきました。
「まちのかたすみ動物園」展を、新栄町のmomoさんで開催します。

どんな小さな彫刻にも、命が宿るように、せいいっぱい作りたいと思っています。


この展示中に、またまた「動物の似顔絵」会を開催することになりました。
この似顔絵会は、私が動物に例えて似顔絵を描く、というもので、意外な動物になったり、大人の方も楽しめる企画です。

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トラになりたい!という熱い思いに答えて。
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お母さんはレッサーパンダになりました!
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ありがたいことにたくさんのご応募をいただいているようなので、できるだけたくさんの方に体験して頂けるように、これからも継続して行いたいと思いますので、楽しみにしててくださいね!
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by m_kirin30 | 2010-03-13 00:46 | 展示 | Trackback | Comments(8)

バランス

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「美は絶対的なバランスである」
こう言ったのはキュービズムの巨匠、ブラックだと言いますが、バランス感覚って、美術だけじゃなくて生きる上でも本当にすべてだなと思います。
社会で生きるバランス感覚も、友達付き合いも、家族も、仕事も、すべてバランス感覚で成り立っているように思います。
バランスをとれる人は、どちらにも偏らない。
偏っても、反対側で支えてバランスをとる。
デッサンでも、バランスさえとっていけば自然は損なわれません。

先日指先に小さなけがをしました。
たいした事のないちいさい刃物の切り傷、いつもの事だ、と思って制作していると、今度は左の足の裏を少し切り、今度は右の足の裏も切りました。
しばらく裏返った亀のような格好で時間をすごさなければならず、情けない感じになりました。

指先の小さな小さな切り傷が、こんなにコントロールを崩すものか、とびっくりしました。
ものすごく小さな小さなバランスでも、崩れるとすべてが崩壊する。
ああこわい、とおもって少し今日一日制作を休む事にしました。

けがが、わたしをとめてくれる事は今までも多々ありました。
制作と休養のバランスを、大切にして行かないと長続きしないな〜とおもいます。

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ずっと作っていた日進市のリンちゃんとジャスミンちゃんが完成しました。
思い出に残る作品がまた作れたと思います。

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おさるたちは、私の先生です。
お猿の持っているバランス感覚は凄まじいといつも思います。
知能も高く、頭がいいのに、自然を害さず地球とバランスを取って生きている、おさるたちのように私もリラックスしつつ自然に、強く生きて行きたいなといつも思います。

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今度、歯医者さんの受付に寝そべる柴犬を作ることになりました。
今までで一番癒し系の作品ができるように、日々の生活から穏やかになろうと思っている今日この頃です。
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by m_kirin30 | 2010-03-05 16:53 | 日常 | Trackback | Comments(6)