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つなぐ

農家民宿 源さんにテングザル君の彫刻を届けにいってきました。

そして天気に恵まれた二日目は、彫刻シバちゃんの撮影をさせていただきました。
オーナーさんが撮ってくれた写真はどれもほんとにすてきで、宝物の写真がまたたくさんできました。
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雨のあとだっだせいか、くもがもくもく、うみはあおく、
彫刻シバちゃんはふるさとに帰ってきたせいか、とても嬉しそうでした。
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おなじ顔、おなじ笑い方、彫刻で撮影、シバちゃんで撮影。
なんだかたのしくて不思議な時間が過ぎていきます。
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きれいだな〜と海をながめていると、、、
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一瞬のうちに波にさらわれるシバちゃん!
このあと彫刻シバちゃんはびしょぬれになってしまいました!
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海のほうをながめながら、たそがれるシバちゃん。

だけどほんとうの目的は、夜に待っています。
満月と海とシバちゃん。
さむさむ対策をしっかりして、満月の国府の浜へ!

そこには、30年間生きてきて見たことのない、うつくしい月と、海と、夜空と、時がありました。
どれくらいそこにいたのか分かりませんが、
ほんとうに美しいものや景色をみていると、ぜんぶの感覚がそっちにいくからか、
寒さもわすれ、時も忘れ、
しばらくすると自分も忘れて、
ただ、生きている今に、感動してふるえているいきもの。
そんなものになれる気がしました。
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この感覚を忘れないでいよう。
こころが目の前にある全部のものとつながって、
すべてにやさしくなれるひととき。
海と空と月とつながって、
うつくしい景色の一部に自分もとけあえたら、
もっとこのせかいと仲良く生きていける。
そんな風に思いました。
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月が夜空高くあがり、
夜はこうして過ぎていきました。
また見に行きたいな。
とってもきれいでしずかな、さむいよるの話です。

「そらとうみの間に、何がある?」
このお宿のパンフレットに書いてありました。
ほんの少しだけ、そのこたえ、
分かったような気がした、夜でした。
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by m_kirin30 | 2010-12-24 12:00 | すてきなところ | Trackback | Comments(6)

ありがとう

先日大阪のラマダホテルで、ボダイジュフェスタというアートの祭典が開催されました。
ものすごくたくさんの人が来てくれて、びっくりしたくらいでした。
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大阪の人だけじゃなく、山口や広島や、四国や京都や三重や、他県の方もほんとにたくさんきてくださって、新作シバちゃんをなでなでしてくださって、こころから嬉しかったです!
しかし、人見知りの私、はじめて会う人にはうまく話せず、終始スタッフの女の子達にまかせっきり、お話できなかった皆様、すみませんでした。
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うれしかったのは、
たくさんの人の笑顔と、触れてくれるということ。
彫刻のシバちゃんをなでたり、ナナちゃんをさりげなくなででくださったり、
笑顔とワンセットで、手が自然に動物たちにのびる。

美術品って、触ったらいけないのじゃないか。
ガラスケースの中に入って距離を感じながらながめるしかない彫刻に、たくさんであってきて、
大人は、いつしか頭で美術を眺めるようになってしまうことが多いです。

だけど、今回の展示で、くるひとくるひとが、ほんとに自然と、彫刻の動物たちに触れ、
笑顔になり、だっこしたり手のひらで感じたり、
小さな動かない動物たちのようにふれあってくれました。

ここにいるのは、ただのたったひとつづつのいのち。
そこには私の表現なんてものは全くなくて、シンプルに動物たちのそのままの姿がそこにいる。

そういう、めのまえの、いつもの、あたりまえのものが一番うつくしい。
そのことをただ伝えたい。
私は見えたものをそのままつくることだけに命を注ぎたい。
こころ閉ざしてしまった人でも、自然と手が伸びる彫刻があったなら、
あたらしい美術の形が、つくれるんじゃないかとおもっています。

いまが一番うつくしいんだということ。
いまが一番すてきな世界に生きているんだということ。
つらかったことも、すべて自分の物語のための大事な出来事だったんだということ。
どんな環境にある人でも、そのことを思い出せたら、
めのまえのふとしたもので、感動し、しあわせを感じることができる。

今苦しくても、こころつよく、がんばれるんじゃないか、
世界はこんなにうつくしいものであふれているんだから。
きれいごとだと言われるかもしれないけど、
私は世界はきれいごとだとおもっています。
きれいごとを支えている、たくさんのがんばりやのものたち。
そのどちらもリアルにつくれたらなと思っています。
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今回友達ができました。
以前からあこがれだった銅作家のハヤカワさんが、話しかけてくださったことや、
超自由なイラストレーター ヘロシナキャメラさん(シバちゃん横写真の方)に出会えたこと。
人見知りの私にとって、作家の友だちがふえることは、人生でも少ない出来事。
日本に帰って、最初のうれしい出来事でした。
来てくださった方々のなかには、死んでしまったニャンコのお話を私にしてくださった方もおられて、一緒になってうるうる。涙をこらえるのに必死でした。
みなさん、ほんとうに、ありがとうございます。
自分に任せてくださった仕事を、こころから大切に、
ひとつひとつ、作っていきたいと思っています。
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ヘトヘトでくたくたになるまで働いてくれたスタッフのみんなにも、心から感謝しています!
いい作品を作って恩返しがしたいな。
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by m_kirin30 | 2010-12-15 00:43 | 展示 | Trackback | Comments(10)

やあ、またね

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一ヶ月のアラブでの滞在も終わり、昨日日本へ着きました。
心底毎日が楽しかったので、帰るのがさみしくて仕方ありませんでした。
動物たちを間近で観察できる日々、ふれあう暮らし、はなももさん一家との暮らし。
アラブの国について全く知らなかった私ですが、砂漠のうつくしさ、昔ながらの知恵や、動物たちとの暮らし、人々のあたたかさ、ひとつひとつに触れるたび、アラブという国が大好きになって、
日本しか知らなかった私は、ほんとに一度日本を出てみてよかったと、いま思っています。
日本のことも、もっと好きになれたし。
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この仕事のことも、いままで以上にすきになれた気がします。
彫刻制作は、まさに葛藤。
見たことのないリアリティを探すというのは、あてのない、はてしない、答えのでないかもしれない数式の証明のようなものです。
だれにも相談できず、たったひとりで決断して行かなければすすみません。

だけどいまは、違います。
私の中に、たくさんの動物たちが住んでいる。
出会った動物たちが、みんな居座っている。
リアルに手触りやにおいのひとつひとつまで、思い出すことができる。
こういう記憶力が、さいきんは備わってきて、
私の体の中に大牧場があって、みんなのんびりその中で住んでいる。
「おーい!さんちゃーん」
呼べばさんちゃんが出てきます。(手前の白黒のネコ)
そんな感覚を感じています。

リアルな体験は、リアルな記憶をつくる。
体の中の大牧場を、四次元ポケットのようにひろげて、
たくさんの木々を育て、みんな元気に生きてくれるように、こころと感覚をゆたかに茂らせておきたい、そう思います。
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11匹の猫、旅に出るのが日本ではふつうですが、
私が居る一ヶ月は11匹の猫は旅に出ませんでした。
「たいへんだけど、いてほしい」という奥様のやさしいこころに、胸がいっぱいになりました。
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奥様の撮ってくれた写真には、ただの写真でなく、リアルな感情と愛情がこもっていて、どんな写真集より、私には宝物の写真になりました。
日本で、ガゼルたちの彫刻、アラブの動物たちと、奥様の写真、アラブでの暮らしの記録などの、展示会が開けたらと考えています。
自分たちだけで楽しむのはもったいない、たくさんの人に伝えたい、そうおもいます。

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「やあ!」ってしてるみたいな木。
私はこの木が大好きでした。
砂漠をちょっと歩くとあって、いつも「やあ、」って挨拶してくれていた。
昼間の散歩では、木陰をつくって、太陽から守ってくれた。
夜の散歩では、「こっちだよ、」と道案内をしてくれた。
いつもいつも、この木の横を通るのが楽しみでした。
なのに、帰る日。
お別れをいいにいこうと、動物たちみんなにお別れを言ったあと、この木に向かって歩いていくと、何やら様子が違います。
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「またね」
と言っていました。
そらの色も木も空気も砂のあったかさも全部
さびしくて、しずかな別れの色に染まり、いつもの枝の手が、風でおもいっきり強くふられて、
「バイバーイ!」
って、手を振っていました!
私は、涙が込み上げ、気がついたら私も、この木に向かって、大きく手を振っていました。
「またね、またね!」
近くにいけずに、とおくから、ちぎれるくらいに手を振ってくれた木。

砂漠の真ん中にひとりの友だちが住んでいる。
私にはそんな感覚を感じて仕方ありません。

けしきも、木々も、そらも、
いつも何かを話している。
こころで見ているんだ。
目じゃなくて、この景色がうつくしいのは、こころでかんじているから。
自分の気持ちが、見えている。世界は、おおきな自分自身の中身なのかも知れません。
いつもいつも、世界がきれいに見えるためには、こころがきれいじゃないと、いけない。
風景の声を聞けるように耳を澄まして、感覚を研ぎすませて、
動物のように、生きて行きたいなと思いました。

今週末は大阪でボダイジュフェスタというイベントに参加します。
そのあとは、彫刻の毎日。2011年は、彫刻を作って駆け抜け、
2012年にまた、砂漠に来ようと思っています。
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by m_kirin30 | 2010-12-08 15:02 | すてきなところ | Trackback | Comments(17)

めのまえに

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動物たちとようやく仲良くなれて来たところで、アラブでの滞在もあとすこしになってしまいました。
スケッチはたくさんたまりましたが、それ以上に、
あふれてこぼれるくらいの動物たちとの思い出が、私の中のリアルなデッサン。
この目で記憶したことが、一番信用できる。
経験値、というのがあらゆる知識の上を行くのだと、とても感じました。

生き物たちは、今を必死で生きていて、今にすべての情熱を捧げ、今に全神経を研ぎすます。
いのちの、緊張感のあるあたたかさ、
張りつめた空気の中での共存、
そこに神聖な、昔ながらの地球の、人と生き物が共に暮らして来た歴史が見え隠れして、
動物園でしか見たことのなかった彼らのほんとうの姿を、めのまえに感じた気がしました。
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どう生きるか、なんて考えるのは人間だけで、
選択肢がいっぱいあるようで、知識が多すぎて、
人は悩み深い生き物になってしまいました。

だけど生き物たちは、世界のすべてがめのまえにある。
世界のおおきさについて、考える必要もなく、
他人の暮らしなんて気にすることもなく、
めのまえにしあわせがあることを知っている。
半径一キロの中にもしあわせや哀しみや物語がちゃんとある。

そんなことを感じるたび、いままで何をあくせく考えて来たんだろうと、
頭がまた、やわらかくぐにゃぐにゃになって、
日本へ帰ったら、少し違う生活ができるんじゃないか、と考えています。
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わたしも、やっぱり動物たちに囲まれて、生きて行きたいな。
庭にいつも、猫やアヒルが歩いていたり、
犬がいつも散歩を待っていたり、
ロバやヤギなんかもいたりしたら、
毎日がワンダーランド!だと、思います。
夢を実現できるまで、夢に近づく努力をしよう。
と、こころに決めました。
そんなリアルな夢をあたえてくれたはなももさん一家に、心からお礼を言いたいです。

スケッチブックを砂漠で撮影してみました。
最後の方がこちらで描いたスケッチです。
農家民宿 源のシバちゃんからスタート。



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by m_kirin30 | 2010-12-01 12:09 | すてきなところ | Trackback | Comments(12)