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食べきれないごちそう

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絵を描くことはこころや頭の中のお掃除によく似ています。
にごった目や、疲れたこころ、せっかちな頭、
色んなことがあって、おこったり悲しかったり、泣いたり笑ったり、
そんな事を絵の中に閉じ込めてまとめていくと、だんだんと自分のごちゃごちゃした感情がきれいに整頓されていきます。

絵は、混沌とした世界のようであって、必ず秩序と約束がある。
完全に自由であって、だけどひとつの作品として生きているものにするには、完全に終わらせなければならない。

その完成、というのはかけた時間ではなく、かけた手間でもなく、自分の中の、ひとつの約束事。
その約束はひとそれぞれだし、だれも教えてはくれないので、自分で見つけていくしかありません。
完成というのは、自分の手のうちからその絵が離れて、
ひとりで生きていける独立のようなもののように思います。
説明しなくても、心配してオロオロしなくても、その絵が自分で語る力を持っている。

そんな絵が描けるように、いつでもこころと体と目を健康に、
正しく鍛えていたいなと思います。
そのいちばんの運動が、スケッチ。

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スケッチは、自分の目で、自分の見えているものをしっかりと確認するとても大切な、楽しい時間でもあります。
自分のうちなるものから絵を描く場合もありますが、完全にイメージだと思ったところで、やっぱり世界を見た時の記憶だったりするし、宇宙人、と聞くとタコやイカみたいな生き物を思い出すように、やっぱり、世界から見つけたものだったりするからです。

いろんなものを食べて生きていくように、目も手もいろんな他のものを求めています。
世界からたくさんの「おいしいモチーフ」のごちそうを毎日もらって、
いっぱい食べて、育っていくのかもしれません。
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どんな状況でも絵を描いていきたいです。
絵を描けないのは環境のせいじゃない。
モチーフはそこら中にあるし、
集中力さえあれば、どんなとこだってアトリエのような感覚で描くことができる。

雨の日も、朝も、夜も、寒い日も、暑い日も、
時に海の水で絵を描いたこともありました。
砂漠で砂絵みたいになってしまった事も、
雨で水彩が流れてしまっても、
ヤギに描いた絵を食べられても、
絵を描いてきました。
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実家に10年前の絵がありました。
モチーブに食らいつくピラニア君のように描いていました。
いまは、もうすこしやわらかく、世界を見られるようになって来たので、
見るひとにもおだやかなモチーフのうつくしさが伝わるように、
やさしくよく噛んで、モチーフを味わって食べたいなと思っています。

2月5日に、国立のアグレアブル ミュゼさんで、
いぬのえかきや」さんをまた開催させて頂きます。
今回は寒いのでカフェコーナーのはしっこで行ないます。
ご予約が必要ですが、ぜひ遊びにきてくださいね!
 TEL 042-577-7353   FAX 042-577-7362
 Email : main@agre.jp
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by m_kirin30 | 2011-01-28 09:13 | 日常 | Trackback | Comments(6)

かさなる

お兄ちゃんがジャズのドラマーをやっていますが、そこからたくさんつながって、
太田朱美ちゃんというふえふきの女の子と友だちになりました。
彼女は私と何かが似てる、はじめて彼女の音楽を聴いたとき、そう思いました。
ものづくりのしかた、感じ方、生き方、生き物が好きなところ、身長、すべてが話せば話すほどそっくりです。

そんな彼女と今回、新宿PIT INNで、ジャズと彫刻の展示をかさねるイベントをしました。
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私が、
『木を彫る音は、とてもよく響いていい音がする。このただの「音」を「音楽」にすることができたらどんなにいいだろう、ひとりで聞くのがもったいない。』
と、Twitterでつぶやいたところ、朱美ちゃんが、それやってみよう!と言ってくれて、
今回のイベントが実現しました。

太田朱美Risk Factor
fl 太田朱美 fretless-b 織原良次 ds 橋本学 p 石田衛 cl 土井徳浩 perc 井谷享志 彫刻 はしもとみお
兄妹で一緒に仕事をするのも、はじめての経験でした。

珍しいイベントだったせいか、お客様も満員で、私たちもテンションは最高潮に上がり、ジャズと彫刻のセッションはすごくたのしくいい時間が作れたと思います。
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バラードは、あたたかく、アップテンポの曲は、元気に飛び跳ねるように。
彫刻のシバちゃんも音楽に囲まれて最高の笑顔です。

朱美ちゃんのおかげで、ひとつ夢が叶いました。
それは、
美術と音楽をつなげていきたい
芸術を日常とつなげていきたい
という思い。

くらしていると、ふと日常の何気なく聞こえる音が音楽に変わりそうな瞬間があったり、
空の色があまりにきれいでそれをとどめておきたかったり、
鳥や虫の声にこころ奪われたり、音楽と美にかこまれてくらしている自分に感動したりします。
その感動をいちばんに伝えたい、そんな思いだけが、自分をものづくりにかき立てているのかもしれません。

目の前のころがったり、ちらばったり、忘れられたりしている美をひろいあつめて、つなげて、
ひとつの美しいかたまりをつくる。
それが美術を仕事にするものの使命です。
そのひろうものの違いが、それぞれの個性なのかも知れません。

そんな仕事を今は続けていこうと思っています。
100%自分の目で世界が見られたら、もっと純粋に、もっと素直につくれるのかな。

朱美ちゃんとのセッションで、そんな原点を考えたとても寒いけど、こころが熱い夜でした。
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見に来てくださった皆さん、ほんとうにありがとうございました。
自分たちだけでは、ライブは作ることができません。
今回来れなかった方々も、また絶対実現しようねと、メンバーで固く約束したので、
次回がある事を約束します!

朱美ちゃん、ほんとうにありがとう。

動画は、彫刻の音から即興音楽、そのあと朱美ちゃんのオリジナル曲、「生体発光」につながる
ライブ彫刻とジャズライブのセッション。


兄妹共々、おかしな仕事だけど、一生続けられたらいいな、とおもいました。
ちいさい頃は私が音楽が得意で、兄が絵が得意だったんですが、、、。
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これからもよろしくおねがいします!
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by m_kirin30 | 2011-01-18 16:40 | イベント | Trackback | Comments(10)

くらし



彫刻シバちゃんの海のものがたり、おともだちの唄にのせて。

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あたらしい年がスタートしてすぐに、私は一歳年をとります。
だからよけい新年は気持ちがあたらしくなり、目標も高く夢も少し大きくなります。

にぎやかな動物たちでいっぱいのテーブルに座って、
「やれやれ彫るとするか。」
うれしいやれやれでいっぱいです。
仕事が続けられる事が、どれほど嬉しいかわからない。
どんな仕事でも、ちいさくてもおおきくても、心持ちは同じ、うれしいのです。

彫刻でくらすこと、を目指してきて10年、
彫刻がくらすこと、になりました。
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だけど私は、仕事をしたいあまりに、生活や暮らしをおろそかにしてきました。
10年前、たしかに分かっていたはずの事なのに、気がついたら忙しさで我を忘れていました。
いちばん大事な事は、どう、ちゃんと暮らすかという事。

朝起きて、家事をして、掃除をして、仕事をして、食事をして、後片付けをして、散歩をして、
そんな、ふつうのくらしがしっかりとできていないと、仕事がいくら進んでも、だめなんだ、そう感じました。

自分に100%正直に、自分にとってリアルで嘘のない、正しいくらし。
その毎日をまず見つけないと、いつかくずれてしまう、そう思います。

彫刻でリアリティを求めていくならば、くらしもそうでなくては決して見つからない。
もっとリアルに、もっと探して、もっと自由に楽しんで進んでみよう、そう思います。
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デッサンを教えている生徒が、パティシエになりたいと夢を持って、今スイーツ作りを真剣にがんばっています。
彼女は彼女がリアルに生きられる場所を探して、みつけて、そこへ行こうと、道をつくっている。
こんなにすてきな事はありません。

なんにだってなれるしどこへだって行ける、強い力を、いつも、ともだちや周りにいてくれる人たちや、動物たちから、教えてもらっています。
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リアルに生きようとするひとはキラキラ、元気のかたまりの星みたいに光っている。
そんな元気な彫刻が今年も作れるように、
元気でまっすぐなくらしを送れるように、
自分なりに、木と彫刻と向き合って続けていこうと思います。

p.s
アトリエにすてきな絵が二つ。

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デッサンを教えている生徒が描いてくれたシバちゃんとの絵
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上の方にヘロシナキャメラさんに描いてもらったペッパムーンの月くんの絵
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by m_kirin30 | 2011-01-11 03:32 | Trackback | Comments(10)

思い出でいっぱいになったら

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2010年から2011年に変わる瞬間、誰もが少しあたらしいきもちになれます。
その時間とともに、何かか入れ替わって、いちばん始めに見た夢や、いちばんはじめに見た朝日が、あたらしく感動できたり。
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掃除が終わって、いつものテーブルのまえに座って、
生まれ変わったような新鮮なきもちで、次の一年もがんばろうとこころつよく思えるこの瞬間が、
とっても大切なんだと思います。

毎日新鮮に循環していく、ものや、思い出や、木のにおい。
アトリエの中で、今日も元気にものづくりができたら、それが最高の一日です。

このまえともだちと、アトリエで手芸部をしました。
民宿源さんで作った陶器のツバメマグカップで、友人のプシプシーナ珈琲の挽きたて珈琲を入れ、お兄ちゃんの音楽をかけながらふたりでのんびりアトリエでランチ。

ともだちが、「源でつくったカップで、プシさんのコーヒー、いつもの3倍も4倍もおいしかった!」
と!!

そうか!
ものづくりは、
そうやって、思い溢れるものに囲まれて、思いをこめていちから作るのがいちばん!
友だちが心を込めて煎ってくれたコーヒーをおいしく飲むために、
友だちのお宿でマグカップをつくること。
ひとつひとつがつながって、何倍もステキなものができる。
ものづくりのかけ算です。
ふとアトリエを見回すと、
ひとつひとつのもの達が、思い出でいっぱいです。
どれも、てづくり。
そんなもので満たしていきたい。
たのしかったり、くやしかったり、泣いてたり、大笑いしてたり、
ものが、全部思い出させてくれる。

わたしの作ってきた彫刻の動物たち、おおきいものもちいさいものも、
新しい家族と一緒にお部屋で過ごして、
触ってもらったり、話しかけてもらったり、
そうやって、たくさんの思い出を共感しているといいなと思います。
哀しい時も、たのしい時もそばにいて、
しずかにそっと、暮らしを見守る木の彫刻。
その子がいることで、しあわせがかけ算になるといいな、
そんなふうに、彫刻達が暮しているといいな。
思い出でいっぱいになってあふれるくらい。
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仲良しの農家民宿 源さんに、テングザル君の彫刻が行きました。
黒柴 シバちゃんがいるお宿なので、テングザル君の彫刻も、いろんなところにめぐりめぐってきましたが、きっといちばん素敵なところに、たどり着いたんだと思います。

どうか、お宿に泊まってくれた方は、おなかや鼻や、ワンコの頭を、なでてあげてください。
いつか10年、20年が経ったら、つやつやになって、
お宿なので、来るひと、かえるひと、また来るひと、
たくさんの思い出がつまった子になるといいなと思います。
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私は町中で彫刻していますが、
自分の彫刻が、全国世界各地で、
たくさんのあたらしい景色を見ていると思うと、
自分が旅をしてるように嬉しい気持ちになります。

旅する彫刻達、今年一年も、こころをこめてつくっていきたいとおもいます!

1月16日に東京 新宿pit inn でジャズ&アートイベントがあります。
動物の彫刻達をたくさん展示しての中での太田朱美ちゃんのライブです。
自分がいちばん楽しみにしてしまっていますが、関東近辺の方は、ぜひ遊びにきてくださいね!

p.s
仲良しの、あるいて一分走って30秒の美容室 cache+さんが、アトリエに遊びにきてくれました!雑貨コーナーに彫刻を置かせてもらうことになりました、また詳しく報告します!
そのブログがこちら
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by m_kirin30 | 2011-01-01 18:46 | Trackback | Comments(6)