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光と影

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つくりてなら誰だって、もっとたくさんの人に知ってもらいたいとか、もっとたくさんのひとに、いいねと言ってもらいたいものです。
自分さえよければそれでいいんだ、とはいうものの、本当はこころのどこかで、みんなに喜んでもらいたいと、誰でも思ってしまいます。
だけど、人に知ってもらえばもらうほど、いいねと言ってくれる人ばかりではなくなってきます。
自分のつくる物が100%気に入ってもらえるとはかぎらないし、
つくりても、完璧じゃないため、失敗や、まちかいもおこすからです。
たくさん失敗して、反省して、改善して、それでも続けていくしかないのが仕事です。

おおきな木になればなるほど、光を多くうけ、実りも多いですが、その影ではたくさんの植物達が日が当たらず育つことはできないように、光ある世界は、おなじだけ、大きな影も生みます。
それを賞賛するものも、非難するものも、もちろんあらわれることでしょう。

でもひとは誰でも傷つく生き物、ほめてもらえる嬉しさよりも、否定される哀しさばかりが頭をまわって、つくる気力さえ失うほど苦しくつらいときもあります。

光と影を、逃げずに同時にうけとめられる、そんな強い作家になれたらいいのにな、といつもおもいます。
どんなに強い光に照らされても、どんなに深い闇にとらわれても、自分を失わない、自分の根っこを土から離さない、そんな作家になれたら、迷っても、続けていける、そう思います。
光も影も、どちらも大切なリアルな世界の要因、なんだとおもいます。

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これからも、たくさんのあたらしい光と影が、やってくるとはおもいますが、目の前の美しいもの達を信じて、ただそれを残すことをせいいっぱい、がんばっていきたいとおもいます。

そして、最近の楽しみが、これ、サタデッサン教室です。
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みんなに、こんなに楽しいデッサンや彫刻の世界を伝えることが、今私の一番の楽しみな時間のひとつです。
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ひとりひとりの、あたらしい発見の瞬間に立ちあえることが、私にとっては嬉しい時間です。
名古屋ではミュシカさんや、去年も行なわせて頂いた河合塾さん、
今年は関東でもワークショップを企画していきたいと思っているので、ぜひ遊びに来てくださいね!

あともうひとつ、
5月30日から6月11日まで、東急ハンズ名古屋店9階で、彫刻を展示、販売させて頂きます。
愛知県近郊の方々、この機会にアクセスのいい名駅直結のハンズさんへ、足を運んでみてくださいね!!
by m_kirin30 | 2011-05-27 21:09 | 日常 | Trackback | Comments(6)

彫刻物語。

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彫刻は、本当にたくさんのことを、私に教えてくれました。
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大きな丸太の力に圧倒されて、まずは無我夢中で木と格闘します。
素材と仲良くなるまでに、長い時間と想いをかけて、素材を彫る、体作りをします。

仲良くなれたところで、最初はこわくて、なかなか進まず、本当の形と関係ないところばかり彫っては、悩んだり迷ったり。
形が見えてこなくて、あせって、だれかのマネをしてみたり、おちこんだり。
自分には才能がないんじゃないかと、遺伝子の力のせいにしたり。

それでもあきらめきれず、毎日なんとか続けます。
そしたらたまに、ほめてもらえてやるきになったり、またがんばれたり。
ちいさな自信を小脇にかかえて、無くさないように、まいにちひたすら彫り続けます。

すると、あるときいつもと違う勇気を持って、自分を信じて、深いところへ彫り込める時がきます。
ひとつ、自分の、リアルだ、と思えるところにたどり着くのです。
その、「形の底」を、木の中に見つけたら、
あとは驚くほど楽しく、リズムよく、まだだ、まだだと形が見つかってきます。
迷いが無く、進むのみ、どんどん彫って行けます。
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その先に、長く、孤独で、先の見えない完成への旅。
だけど、心の中は何だか満たされているような不思議な気分になります。
終わっていないのに、なつかしいような、
そうやって、ひとつの彫刻が、自分の手からいつしか自然に離れる時が来ます。
別れのとき、それが、完成の時なんだなと、おもいます。

そんなことを思うたび、彫刻は、生き方そのもののように、進んで行くんだなと気がつきました。
私の場合、不器用で力づくな彫り方、なんともかっこわるいですが、、、。
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作家に、特別な人なんて一人もいない、とおもいます。
みんなちいさい頃にほめられて、うれしくて、期待に応えようと、がんばって、
今度はたくさんの人が期待してくれてよけいがんばって、
そうやってるといつのまにか特別すごい力を持って行く。
期待してくれる人たちが、モチベーションの火を灯し続けてくれているんだとおもいます。
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いつか、魔法のような手さばきで、自分にしかない形を、
びっくりするほどの早さで、作れる日がやってくる。

人生は、彫刻物語。
自分を彫り当てる、はるかな旅。
余分なものを取っていって、最後に現れるほんとうのすがた。
だれもが、日々自分の世界を彫り続けているんだとおもいます。

いい彫刻ができた、と、笑えるように、
たくさんの毎日の物語とともに、
ひとつづつがんばってつづけていこうとおもいます。

この、彫刻ディエゴくんの制作記録が、雑誌MOE7月号(6月発売)に載せてくださることになりました。
ぜひ、「ディエゴができるまで」を、御覧になってみてくださいね!

以前「かえるの王様」という小さな彫刻を彫りました。
その子がたくさんの作家さんの元へ旅をする、素敵な企画をフェリシモさんが作ってくれました。
絵本が好きな方はぜひ見てみてくださいね!


by m_kirin30 | 2011-05-16 14:52 | 日常 | Trackback | Comments(4)

デッサンのすすめ

私にデッサンを教えてくれた先生は、象鯨美術学園というおもしろおかしな美術予備校の主任講師、
彫刻家の西村浩幸先生でした。

彼のデッサンや美術や生活に対する考え方、私の美術の根っこのところをほとんど鍛えてくれた先生です。
予備校時代に3浪して、基礎という基礎をみっちり鍛えられたことで、私はそれからデッサンで迷ったことがありません。

その方法は、「下書きをしない」
上手く描こうとせず、モチーフから純粋に感動した手応えを、画面に伝える、大切な力。
デッサン力とは、上手さではなく、感動力。
自分が感動し、感動を見る側まで届ける力なんだと、13年前に教えてもらってから、私は迷うこと無く今でもデッサンを日々続けることができました。

その象鯨美術学園で、デッサン教室をさせていただきました。
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下書きをしないで、画面の無限空間をたのしむ。
手探りで形を探す。
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柔軟に、やわらかく、印象を紙に伝えて行く。
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いっぱい遊んで、いっぱい迷って、好きなことをしてみる
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見えた印象を、時々激しく、時々やさしく、手で触るようにすすめていく
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完成予想図を思い描く。
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ここまでの仕事を、いっぱい遊んでおくと、後がとっても楽しい。
自分の思いもよらない色が画面にあふれているように。
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だいたい30分くらいです。プロポーションはまだ決めきらず、
最後まで形は直せるように描いて行く。
下書きをしなければ、こういう遊びが可能です。
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みんなで描いて
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みんなでならべる。

こんな一日。
すごくたのしかったです。
みんなで一つのモチーフを描いて、みんなで感じる。
こういう日を、たまに持ちたいと思います。
象鯨美術学園のある神奈川県 大磯の世代工房で、12月に個展をさせて頂くことになりました。
アラブの動物たちを中心に展示販売の予定です。
個展は、一年に一回もできない機会なので、たのしみでなりません。

そして、デッサン教室。
ありがたいことにたくさんの方からやってみたいの声をいただいたので、
名古屋の仲良しのお店、ミュシカさんでも、定期的に始めることになりました。
一ヶ月に一回、木彫り教室と、デッサン教室です。
単発で参加できるので、ぜひいらしてくださいね!
by m_kirin30 | 2011-05-09 17:34 | イベント | Trackback | Comments(6)

デッサン

デッサンについて、みんなに伝えたい、たくさんの事があります。
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息を深くし、こころはやわらかく、手で見て、目でさわる、
体で覚えて、頭は無限に、そして手から紙に伝える。
いつもだいじにしてるデッサンの流れです。

デッサンは、美術という大地では、万能の種のようなもの。
自分なりのデッサンがかけるという事は、世界に一つのものが作れるという事。
誰が描いても世界に一つだろうと思うかもしれませんが、本当に誰の真似でもなく、自分の目の前のリアルが描けるというのは、とても難しいことです。

それは、自分だけの武器を見つけるために努力し、きたえ、飛び抜けるくらいのいいものにして行く。
その上で、世界中、現在過去未来にいたるまで、表面を真似するくらいでは決して真似のできない、強い強い意思と力を持った武器に仕上げていく。

世界に一つだけのものを作るというのは、本当は、世界にその道で一番にならないといけないという、けわしく厳しく長い、自分と世界とのの戦いのようなものです。

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だからこそデッサンで私が伝えたいのは、
うまく描こうとしない、という事です。

うまく描こうとするというのは、誰かの真似をするという事。
たまにウォーミングアップで巨匠の模写をするのはいいと思いますが、真似するべきものは常に目の前にある現実のモチーフだという事です。

自分の目に素直に、目の前の形を追いかけて行けば、自分だけの武器が必ず見えてきます。

その、自分の長所を見つけ、長所を世界一までレベルをあげていく訓練ができれば、
きっと短所だって自然と人よりすごいレベルまで上がっているはず。

自分の武器に、気づく事がデッサンのカナメ、第一歩。

そんな事を、デッサンが好きなすべての人に、伝えて行きたいと思っています。
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5/7日は神奈川県で、5/21日はミュシカさんで木彫り教室、
6月からは愛知県でも定期的に、デッサンのすすめ 教室をひらくことになりました、くわしくは後ほどアップします!
by m_kirin30 | 2011-05-05 21:23 | イベント | Trackback | Comments(4)