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まわりのもの

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ものをつくるということ、は、もののまわりにある見えない空気や感覚をともにつくるということ。
なんだかずいぶん前から考えながらも、わからなかったことが、最近になってわかりかけています。

空間に、ものが生まれると、何かしらの熱量がそこにまきこまれ、重力が生まれるように、
何かを作るということは、そのものが生まれたとたん、引力を持ち回りを巻き込んでゆく、
その、目にも見えず、音もせず、触れもせず、無味無臭の、五感では感じられないものの中にも、心が動かされるものが確かに存在する。
それは何なのか、ずっとかんがえてきましたが、
心の動力源は、いつも、「時」が絡んでいるのだと、気がつきました。

「時」がないと、すべてがむなしく、たいせつなものも何もなくなってしまいます。
人にとって、いきるというのは、時を刻んでつくっていくということ、
今が永遠というくらいすばらしい瞬間に出くわすこともありますが、
それも、過去の苦しみがあるからこそ、ひきたってくる喜びでもあります。

いい、ものには、そのものの中にリアルな「歴史」や「時」や「物語」があります。
人は、その形のない「時にまつわるもの」に感動するのだと思います。
それは、その「時」の長さに関係なく、
オーロラや絶景のように、永遠には見られない一瞬のまたたきのようなものであったり、
古代から数々の時を乗り越えてきた遺産の、悠久の時であったり、
生まれたての赤ちゃんの、まっさらな未来であったり、
時にかかわっていることで、感情が動くのだとおもいます。
感情も、時の流れにのっかって、うごいて浮かんでいるのでしょう。

ものを作る人間は、その作ったものの中に、リアルな「時」をつくれなければ、人の心を動かすものはつくれません。
どんなに長く時間をかけても、いいものができるとは限らない、ただの、作者の時をおしつけられたものを見ても、感情が動くはずもありません。
「時の、ものがたり」を、ものに、こめられる作家でありたいと、
最近ではよくこのことを思っています。
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32度目の春をむかえて、
植物に比べて動物の、あまりの持ち運べる時の短さに、
「うごく」という自由を手に入れたことで手放したおおきな「時間」を、
考えずにはいられません。
植物や細菌類や原子素粒子の生きているその悠久の時、
どれほどの歴史をかかえ、手放してきたのか、
その先端にできているのが、今見えている形であり色であり、
それが美しくない訳がありません。

あらためて、ものがうつくしいのは、
「時」がいろどっているからなのだ、と、
そう感じた春の数日でした。

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5月半ばからいよいよ大阪で展示会です。
見てくださる方のいい記憶のひとときになるように、
精一杯の展示会を、開きたいと思っています。



はしもとみお 『遠い国のケモノたち』
2012.5.16 (水) - 5.27 (日)
open 12:00-18:00   closed 月 火
最終日 27日は17:00まで

場所 大阪 枚方 星ヶ丘洋裁学校内 sewinggallery

UAE(アラブ首長国連邦)に一カ月滞在し、動物たちを取材しながら一緒に過ごした、彫刻家 はしもとみお。現地でふれあった動物たちの彫刻 約60点を展示致します。

彼女の目でとらえた動物の筋肉、毛並み、息づかい。ノミや鋸、彫刻刀を自由に使い、動物の見える形の中にある いのち そのものを彫り出します。会期中には現地取材で描いたスケッチの一部を公開。ワークショップや似顔絵会も多数あります。生命溢れる彫刻の数々をぜひご覧ください。

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木彫り教室&ワークショップを行います

今回は、ソーイングギャラリーさんのすてきな中庭で、木々にかこまれながら木彫りができるといいなとおもいます。晴れたら外で彫りましょう!

◆ 5/19(土) 木彫りワークショップ
「ちいさなラクダを彫ってみよう」   
1部 12:00-14:30 / 2部 15:30-18:00

◆ 5/20(日) いぬのえかきやさんor どうぶつの似顔絵会  

◆ 5/26 (土) 木彫りワークショップ
「ちいさな猫を彫ってみよう」
1部 12:00-14:30 / 2部 15:30-18:00

◆ 5/19(土)  18:00~19:00
ポチ 「ケモノン音楽会」
ワンコインライブ ¥500


ご予約はこちら hamada@sewing-g.com 担当sewinggallery はまだ

関西方面のかたがた、ぜひ遊びに、星ヶ丘にいらしてくださいね!
by m_kirin30 | 2012-04-26 01:44 | 日常 | Trackback | Comments(0)

なにもないところから

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宇宙は今爆発的に広がっている、ということですが、こんなに創造性にあふれた色とりどりの音にあふれたおいしいものだらけの地球に生まれて、すぐ近くにもたくさんの想像力をかきたててくれるものがあります。

朝一、おおきな彫刻にとりかかるとき、
木を彫ると、軽快な音が飛び散ります。部屋中に、あたり一面に。
音と木屑のかたちには密接な関係性があり、私にはそれがおもしろくて、
木屑の数だけ、彫刻の「時」は進み、刻まれます。
もしかしたら私の一生も、刻んでいる彫刻のようなもので、
有限な物体から、あたりに音とクズを飛ばしながら、少しずつ減っていく時の中で、あれこれ考え、無数の彫刻を残して死んでいく、そんなようなものであれたらけっこう幸せです。

「ぼくのちいさい頃、ぼくの家にはなにもなかった。音楽がなかったからこそ、独創的なものがつくれたんだ」
敬愛する音楽家、エルメートパスコアルさんの言葉です。
私が彫刻に駆り立てられる思いがこれとおなじで、
私はちいさい頃から生き物や自然現象がだいすきでしたが、近くにあまり理想の環境がありませんでした。
一人暮らしをしてなにもなくなってなおさら、自分のまわりあたり一面を動物で埋め尽くしたい、という思いに駆られ、部屋中うめつくすほどの動物の彫刻をつくったものです。

なにもないから、つくる。
なにもないところから、じぶんでつくる、
誰かの真似ではない独創的な方法でつくれたら、何にも束縛されず自由で、あたらしいものがつくれるはず。
そう思って、美術館にも行かず、ギャラリーめぐりも画集集めもせず、
わたしはハンマーや石で木を叩いたらどんな現象が起きるか、や、
木彫りを崖から転がしたらどんなことになるか、などの実験にとりつかれていました。

見えているものに無限にちかづくための現象がおきる手段を探して、
見た事のないほどりあるなものをつくろう、と、そのことにとりつかれてもうそろそろ15年が経とうとしています。
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なにもない、というのは、いいことなのかもしれません。
たくさんのものがあたえられていたら、満足して、つくろうという欲は無くなってしまいます。

いい環境でしかいい芸術家は生まれない、なんてことは決して無いと私は思います。
めぐまれた環境の中にいるひとが、優れた芸術家になる事が、多いというだけで、
どんな環境の中でも、創作の目を光らせ、情熱に体をあずけられるひとならば、
歴史を動かす芸術家になれる、と、私は信じています。

「レミーのおいしいレストラン」というだいすきなネズミの映画の言葉。

"Not everyone can became a great artist,but great artist can became from anywhere."

なにもないところからうまれゆく芸術家は、きっとみたことのないすばらしいものをもっているはずです。
それなので私は、生涯かけて彫刻の楽しさを伝え続けたいと思っています。
まだ見ぬすばらしい感覚を、ひとつでも多くみつけて行けたらと思っています。
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また4月のミュシカさんで、春の木彫り会をします、
久しぶりの木彫りワークショップ、とてもたのしみです。
はじめての方も、ぜひ参加してくださいね!

2012年4月22日(日)はしもとみお 木彫り教室 

「春うらら 居眠りワンコを彫ろう」の会

暖かい春の日に、居眠りワンコをみんなで彫りましょう。
ワンコは主に柴犬がモチーフのデザインです。
初めての人でも大丈夫。肉球までがんばって彫れるかな。

時間:1部 13:00-15:30  2部 16:30-19:00 
参加費:3800円(材料費込み)
定員: 8名
持ち物:あれば彫刻刀 汚れてもいい服装、エプロン、バンドエイド(手を切ってしまった時などに)筆記用具

ご予約先: ミュシカ  お電話またはメールにて
お名前、ご連絡先、希望日時、参加人数をお知らせください。
TEL: 052-737-8601 / myshica.com@gmail.com
by m_kirin30 | 2012-04-14 11:11 | 日常 | Trackback | Comments(2)