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修行

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美術の中でも、デッサンや具象彫刻の世界は、人生のほとんどが修行のようなものです。
修行や努力を苦しいと想像する人が多いでしょうが、実際やっている本人は、苦しくも、楽しくもなく、
修行だと思っていないことがベストの状態です。
修行は、習慣のようなものです。
苦しくても、楽しくても、一時的なもので続きません。
ご飯を食べるように当たり前の、習慣だと捉えてもらえると、わかりやすいかとおもいます。


私の美術修行をすこし紹介したいとおもいます。
18の頃から、続けているものが、朝のドローイングです。
ドローイングといっても線だけで描くものではなく、クロッキーでも、水彩画でも、デッサンでも、なんでもいいんです。
自分で描きたいモチーフをみつけ、朝の仕事が始まるまえにひとつ、小習作をつくります。
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モチーフは私は自然物がおおいですが、人工物でも、風景でも、なんでも構いません。
大事なことは、目の前にモチーフを置いて、短い時間で仕上げまで描くという行為です。
写真資料、デジタルデータ、空想上のものは避け、きっちりとモチーフを目の前で見て描きましょう。
朝に、描写や質感、光などの、新しい発見を日々見つける習慣がつくと、その日の1日の美術の仕事が大きくはかどり、新発見をその日の制作に応用することもできます。

この練習のことを、「朝練」と呼び、できる日にはほぼこの制作前の朝練を続けてきました。
一つの絵を、短い時間でひとつ完成させる、その反復練習は、美術の基礎体力の部分を大きく鍛えてくれます。
美術の準備運動だと思って、習慣にしていくと年を重ねるごとに効果が身に付いてきます。

次に、デッサンの基本的な構成要素を、図解にしてみました。
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自分がどの系統に強いかを知ることがとても大切です。
ぼんやりと考えているとわかりにくいので、図面に置き換えて客観的に自分がどこが強く、どこに弱点があるかを知り、分野を見極めていくことが大切です。

自然系 環境デザイン、建築等、ほかどの分野にでも応用が効く。
立体系 彫刻、空間デザイン、職人、フィギュアや3Dデザイン等。
物質系 プロダクト、あらゆるデザイン、工芸等の分野に長けている。
描写系 絵画、テキスタイル、版画 その他グラフィック、平面系

大きくわかりやすく分けると4つですが、この4つは心技体とつながるのでまんべんなく鍛えていく事をお勧めします。ひとつを極め、残りが標準以下、というよりは、すべての分野で標準以上に持って行った上で、その先にひとつを極める流れの方が、美術の修行では順序良く土台作りができます。
弱点の系統を見つけたら、朝練でその分野を鍛えるモチーフをみつけてみるといいでしょう。
弱点強化し、バランス良く鍛えてからは、好きなものを描き続けてもいいと思います。

個性は、基礎体力を鍛えていくそのかなり先に、滲み出てくるものです。
基礎力がないうちに、個性的であろうとすればするほど、個性から遠ざかり、技術の向上も見えず、美術の修行にとても苦しむことでしょう。
巨匠たちの素晴らしく個性的で完成された作品をみて、その個性の部分だけに目が行き、憧れがちですが、
その下にある巨匠たちのバランスのとれた基礎力は、目に見えにくいですが必ず存在します。
しっかりと自分の美術の世界と向き合い、自分の力と未来を見据えて、進んでいきましょう。

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夏〜秋の展覧会や、ワークショップ情報です。

7月25~8月31日 ケモノたちの棲む森 キッズプラザ大阪
出展作家  彫刻家 はしもとみお、本多絵美子、馬場稔郎、井戸博章
(入館料1,400円、小・中学生800円、3歳以上500円 ※子供向けの展示内容となっています。休日など、入場者数が多い場合は入場制限を設ける場合がありますので、お時間にはゆとりをもってお越しください。)
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8月2日〜8月9日 秋田県 鹿角市 コモッセ 
ちいさな展覧会と、木彫りワークショップを開催します。
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9月6日 港町ポリフォニー 彫刻展示予定
9月26、27日 東京 もみじ市出展

今年もたくさんの場所で展覧会を開きたいと思っていますので、お近くの際ぜひ実際に彫刻に触れにいらしてくださいね。





by m_kirin30 | 2015-07-22 17:02 | 日常 | Trackback | Comments(4)