動物たちのこと

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いままでに出会った動物たち、わたしはそのひとりひとりの暖かさや温度を、忘れる事はありません。
言葉の通じない彼らとふれあう事で、言葉のいらない語り合いを、日々感じています。
動物たちが好きかと聞かれると、単純に好きという訳ではなく、
自分とは違った形をしている、違った生き方をしている生き物だという興味と感動の感覚です。

「他者の痛みや苦しみを、深く想像できる人間になれ」

このことは、もの言わぬ動物たちから教えてもらいました。
死を間近にした動物たち、木々の生命、目に見えぬ生物たち、
彼らは人間よりもはるかに想像力がある、と私は感じます。
それは、死や危機を想像する能力、常に緊張感を持って、生きている。
自分の苦しみを想像できるからこそ、他者の苦しみも想像できるようになる。
そんな生き物に、私もなりたいと感じます。

肖像彫刻は、モデルになった生き物たちと語らう行為です。
そこには目に見える形、手で触れるかたちを超えて、彼らの言葉を書き留める行為にも似ています。

今回の展示会で、今まで彫刻にしてきたたくさんの動物たちが出演するので、その子たちの事をここで一度紹介させていただこうと思います。

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まずは、UAEのなかまたち
2010年10〜11月に、私はUAEという遠い砂漠の国へ、動物たちの彫刻を作るための取材に行きました。 記事参照

伺ったのは、はなももの別館というブログをされている、UAEのお宅で、初めての一人での海外出張でしたが、私の彫刻人生の中でもほんとうに貴重な取材をさせていただきました。
その暮らしは、日本とはまるで違う、朝日がのぼるのをみあげて、日が暮れると眠る、それはそれは美しい人間本来の暮らしでした。
動物たちも日本のようにペット、ではなく、同じ土地に住む仲間であり、家族である。
そういった感情が素直に受け入れられる、そんな場所でした。
今回の展示会には、そんな遠く砂漠で生きている、生きていた、サーメル、ダマーニ、という名前のガゼル、ハトのクブズ、猫の3ちゃん、ラクダなどが並び、UAEの生き物たちの美しい暮らしを再現します。彼らにはたくさんの砂漠の暮らしでの物語があり、そこには美しい答えがありました。
言葉を持たない彼らからの手紙を、受け取っていただけたらと思います。
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次に犬たちを紹介します。
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カブ君、リンゴちゃん。愛知県立芸術大学時代に制作しました。

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ヴェルちゃん カブくん家族のなかよしの子です。

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ドンちゃん 瀬戸に住んでいて、昭和生まれの顔のもこもこした凛々しいわんこです。

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月君 飼い犬です。

その他にも多数の等身大の彫刻たちが一同に並びます。
まとまって見られる機会は数年間は無いと思うので、この機会にぜひ遠方の方々も足を運んでいただければと思います。
会場には、座って一緒に楽しめる「動物たちの晩餐会」や、
触って楽しめる「ふれあい動物園」や、
写真撮影可能、「めざせ珍獣ハンター」のコーナーなど、楽しい企画がたくさん盛り込んであります、
大人も子供も楽しめるような、空間にしたいと思っています。
ぜひ、あそびにきてくださいね!



動物たちからの手紙

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# by m_kirin30 | 2014-01-26 10:17 | 展示 | Trackback | Comments(12)

はじまりとおわり

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ものごとがはじまるとき、私はいつもおわりのことを考えます。
出会いがあるときは別れのことを、彫刻をはじめるときは完成のことを、
終わりのことをいつも考えていると、常にその覚悟を意識する事で、今の充実を大切にできるような気がしています。

相対するものの事を考えるのは、制作途中でもよくある事です。
極大の宇宙を科学するために、極小の素粒子の研究をするように、
やわらかさ、あたたかさ、そんなものを表現するために、
なにが人のこころを固く閉ざすのか、何が人を傷つけるのか、何が動物たちを苦しめるのか、
そんなものをよりよく知っていなければならないと思います。
生命力を表現するためには、死というものがどういうものか、
深く知っていかないといけないと感じます。
なにか一つのものごとを深く知ろうとする事は、その対極にあるものごとをふくめて知っていく学問なのでしょう。
安定して勝つためには、負ける事を常に考えておきますし、
対になるものを考える脳を常に意識しておくと、
いつの時でも冷静に考えられるような気がしています。

「どう終わらせたいか」
という事を考えるのは、
一つの作品を作る上でも、自分の人生の上でも、常に意識して目標に考えておきたいと思っています。
遠い未来の先を視野に入れてそこに向かって進んでいきたい、たとえそれがかなわなくても、道半ばでも充実したものであるように。

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2月の展示会では、過去のほとんどの彫刻たちを一同に展示します、
また、ドローイングや新作の彫刻、大小400点あまりの動物たちが並びます。
昨年の一年間は、この展示会の準備にほとんどを費やしてきました。
ぜひ、たくさんのかたに、もうこの世界にはいなくなってしまった動物たちや、いまなお生きている動物たち、彫刻に触れに来てほしいです。
これほど一同に大きな彫刻を飾らせていただける機会は、もうしばらくはないとおもいますので、ぜひ遠方の方々も、この機会に足を運んでいただけるとうれしいです。

2014年2月1日〜2月23日
はしもとみお彫刻展 「動物たちからの手紙
開館時間 9:00〜17:00
休館日 月曜日 2月12日(水)
観覧料 一般500円 高大性250円 中学生以下無料
一宮市三岸節子記念美術館



●講演会&アーティストトーク

「動物を語ろう 作家の目・動物園長の目」

日時:2月2日(日)午後2時~3時半(午後1時半開場)

講師:橋川 央氏(東山動物園園長)、はしもとみお氏



●ワークショップ

「バレンタインの木彫りチョコレートを彫ろう」

女子限定!木彫りで本物そっくりなチョコレートを作って気になるあの人へ。

日時:2月8日(土)午後1時~4時

対象:小学5年生~一般の女性

参加費:2000円(材料費)

定員:20名



「動かない動物のスケッチ大会」

はしもとみおさんと展覧会を鑑賞後、展示室で彫刻の動物をスケッチします。

日時:2月16日(日)午後2時~4時

対象:小学生~一般

参加費:500円(材料費)

定員:20名



「木でゆれる木馬を彫ろう」

今年の干支にちなんで、ゆらゆら揺れる木馬を彫ります。

日時:2月22日(土)午後1時~4時

対象:小学5年生~一般

参加費:2000円

定員:20名

ワークショップ申込方法:往復はがき又はFAXに氏名、年齢、郵便番号、住所、電話・FAX番号(返信先のないものは不可)、

希望のワークショップ名を記入の上、 FAX0586-63-2893 一宮市三岸節子記念美術館「はしもとみお展ワークショップ」係まで。

各ワークショップ開催日の10日前必着





●鑑賞ツアー

作家アートツアーinナイトZOO

夜の美術館で彫刻の動物たちと出会おう。はしもとみおさんが飼育員に扮して展覧会をご案内します。

日時:2月8日(土)午後6時~8時

電話にて要申込、要観覧券





●ミュージアムコンサート

「はしもとみお展コンサート PoPoyanzoo zoo ZOO」

日時:2月11日(火・祝)午後2時~(午後1時半開場)

歌・演奏:PoPoyans

一般1000円、高大生500円、小中生250円、未就学児無料

1月10日(金)午前10時より美術館にて販売開始









<交通案内>

公共交通機関をご利用の場合

名古屋駅より電車とバスで約40分

JR東海道本線にて「尾張一宮駅」下車、または名鉄名古屋本線にて「名鉄一宮駅」下車(JR新快速、名鉄特急で10~15分)、一宮駅西口の名鉄バスターミナル番のりばから「起(おこし)」行きで約15分、「起工高・三岸美術館前」バス停下車、徒歩1分。



お車をご利用の場合

大阪方面/名神高速道路:岐阜羽島I.Cより約15分

東京方面/名神高速道路経由:東海北陸自動車道一宮I.Cより約10分

関・郡上方面/東海北陸自動車道:尾西I.Cより約10分

※駐車場には限りがございます。公共交通機関をご利用ください。





一宮市三岸節子記念美術館

〒494−0007 愛知県一宮市小信中島字郷南3147−1

TEL 0586−63−2892

FAX 0586−63−2893

http://s-migishi.com
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# by m_kirin30 | 2014-01-07 15:57 | 日常 | Trackback | Comments(0)

デッサン10か条

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デッサン10ヶ条


1まるごとを見よ
  モチーフを取り囲む空間のすべてを見ろ。
  どこか一部にとらわれるのでなく、
  また、見ないようにするのでもなく、
  極小の細部から、まるごとの空気まで、
  全てを一度に見よ。

2、描き方を忘れよ
 モチーフを目の前にしたら、
 自分が描いてきた歴史を忘れよ。
 未知のものを描く緊張感でモチーフを見よ。
 鮮度は、全ての技術の上を行く。


3、力を込めよ
 描く道具は手と一体に
 手は自然と天地と一体に
 力を込めれば、力は道具に伝わり、
 紙に伝わり、見る側に伝わる。
 感動を絵に込めよ。

4、絶えず前進せよ
 描けないものはない
 作れない形はない。
 描かないだけだ。
 作らないだけだ。
 進め。前進にはスピードを出せ。

5、重みを描け
 重みに次元が存在する。
 生物の水の重みを
 空気の軽さを描け
 モチーフの、重みを描け。
 地球の重力を感じろ。

6、何度でも失敗せよ
 自分の失敗など、思い込みにすぎない。
 描写に全く影響しない。
 自然は失敗を何度も包み込む。
 そこから持ち直せ。

7、全てを描ききれ
 描けない部分があるとき、
 問題は他にある。
 大事だと思わない部分にこそ、
 リアリティが潜む。
 すべてが必要なバランスだ。


8、自我をなくせ
 くせをなくせ。
 くせというのは、
 物事がよく見えていないとき、
 出てくる自我である。
 客観的に自分の絵を見ろ。
 モチーフに感覚を預けよ。
 第一印象を思い出せ。


9、リアルを探せ
 うまく行ったと思うな。
 満足したとき、
 絵に力は失われ、
 探究心はなくなる。
 リアルは、探さねば見つからない。


10、正しく見よ、眼を信じろ
 モチーフが美しく見えるのは、
 自然の構造と、
 あなたの眼が、
 正しく働いているからだ。
 見えるがままに、正しく描け。
 自らの持つ、眼の力を信じよ。


5年前に、デッサンにおける自分にとって大切なことをまとめたのが、このデッサン10か条です。
デッサンは、上手く描くためのものではないことを、血に染み込ませて覚えていく、
そういったことを体感しつつ、いまなおデッサンを楽しんで続けています。

美術をさいしょに教えてもらった先生が、象鯨美術学院の西村浩幸先生ですが、
私はそのさいしょ、に、とても恵まれました。
さいしょの学びの時間が、たのしくきびしく正しくないと、10年も20年も楽しんで続けられる力は、身に付かなかったでしょう。

私はおしえてもらったことを、たくさんのこれからの世代の美術家に伝えていきたい、美術とは関わりを持たない人にも、美術を鑑賞するたのしさを伝えていきたい、そう強く思っています。

デッサンを観る、描く、愛する、すべての方々へ、
歴史の美しいデッサンたちの、仲間入りができるようなものを作れるように。

2月の展示会では、デッサンも70〜80点展示します。
ぜひ観に来てくださいね〜^^


はしもとみお展 「動物たちからの手紙」
一宮市三岸節子記念美術館
2014年2月1日(土)〜2月23日(日)

 
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# by m_kirin30 | 2013-12-19 14:18 | ことば | Trackback | Comments(3)

「動物たちからの手紙」



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昔々から、世界にはおびただしい数の命が生まれ、過ごし、
そうしてだれもが、この世界を去って行きました。
生き物の、命の数だけ物語がある。生き物は、世界にたった一枚の、手紙のようなものです。
私は彼らの肖像を彫刻にするとき、いつもその命がけの手紙を受け取っているような感覚になります。
言葉をもたない彼らの、言葉より伝わる想いや感情、
温度、手触り、おもさ、空気感、
彼らと向き合いながら、彼らからもらったものすべてを、なによりもリアルに伝えられたなら、
それが私から、彼らを知っていた、知らなかった人々へ送る、
いきものたちから受け取った、たった一枚の手紙です。

そんな思いでありのままの姿をそのまま作る、シンプルなデッサンを15年続けてきました。
後にも先にも、この仕事以外の事ができるとも思わないし、
3次元のデッサン、リアリティのスペシャリストにさえなれれば、
私の一生はそれだけで十分だと思っています。
レンブラント、デューラー、ダビンチといった敬愛する方々の繫いでくれた技と感性を、
現代にうけつぎ、そして深めて行けたらいいなと、心から願っています。
そして願わくばそのモデルになった動物たちの嬉々として生きていた姿の彫刻に触れて、
同じ世界に生きていたひとつの命と出会っていただければうれしいなと思っています。
そんな私の彫刻人生の、最初の15年の仕事の集大成の展示を、
一宮市三岸節子記念美術館で、開催していただける事になりました。
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学生時代の頃の彫刻から、近年まで大小おそらく百数十点の彫刻とドローイングを、飾らせていただきます。
今年はほぼこの展示会の準備をつづけてきたので、オーダーメイドの仕事をあまり進められませんでしたが、
かつて出会ってきたたくさんのなかまたちの肖像を、たくさんのかたに見ていただけたらいいなと思っています。
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はしもとみお(1980-)は、東京造形大学、愛知県立芸術大学大学院にて学び、一貫して「生」をテーマにリアルな動物肖像彫刻を作り続けている彫刻家です。

それらの動物は作家自身が出会った、生きている(生きていた)ものたちであり、ひとつの生命が存在する証をこの世に残すために彼女は彫刻をしています。

「めのまえのすべてが、うつくしいもの」というはしもとは、出会った動物を卓越した描写力で、まるで動物図鑑のように正確な情報を描きとり、

そのスケッチをもとにたくさんの言葉や、音や、手触り、温度、そして目だけでは感じられないあらゆることをつめこんで木に向かう、「いのち」と向き合う彫刻を生み出しています。

「言葉の通じない動物からのメッセージを受け取り、人間たちに伝えるために彫刻をしている」と彼女は語ります。

まるで彼らからの手紙を受け取るように、一つの出会いが私たちに訪れることでしょう。

 

●講演会&アーティストトーク

「動物を語ろう 作家の目・動物園長の目」

日時:2月2日(日)午後2時~3時半(午後1時半開場)

講師:橋川 央氏(東山動物園園長)、はしもとみお氏

 

●ワークショップ

「バレンタインの木彫りチョコレートを彫ろう」

女子限定!木彫りで本物そっくりなチョコレートを作って気になるあの人へ。

日時:2月8日(土)午後1時~4時

対象:小学5年生~一般の女性

参加費:2000円(材料費)

定員:20名

 

「動かない動物のスケッチ大会」

はしもとみおさんと展覧会を鑑賞後、展示室で彫刻の動物をスケッチします。

日時:2月16日(日)午後2時~4時

対象:小学生~一般

参加費:500円(材料費)

定員:20名

 

「木でゆれる木馬を彫ろう」

今年の干支にちなんで、ゆらゆら揺れる木馬を彫ります。

日時:2月22日(土)午後1時~4時

対象:小学5年生~一般

参加費:2000円

定員:20名

 

ワークショップ申込方法:往復はがき又はFAXに氏名、年齢、郵便番号、住所、電話・FAX番号(返信先のないものは不可)、

希望のワークショップ名を記入の上、〒494-0007 愛知県一宮市小信中島字郷南3147-1 FAX0586-63-2893 一宮市三岸節子記念美術館「はしもとみお展ワークショップ」係まで。

各ワークショップ開催日の10日前必着。申込多数の場合は抽選とし、結果をお知らせします。

 

 

●鑑賞ツアー

作家アートツアーinナイトZOO

夜の美術館で彫刻の動物たちと出会おう。はしもとみおさんが飼育員に扮して展覧会をご案内します。

日時:2月8日(土)午後6時~8時

電話にて要申込、要観覧券

 

 

●ミュージアムコンサート

「はしもとみお展コンサート PoPoyanzoo zoo ZOO」

日時:2月11日(火・祝)午後2時~(午後1時半開場)

歌・演奏:PoPoyans

一般1000円、高大生500円、小中生250円、未就学児無料

1月10日(金)午前10時より美術館にて販売開始

 

 

 

 

<交通案内>

公共交通機関をご利用の場合

名古屋駅より電車とバスで約40分

JR東海道本線にて「尾張一宮駅」下車、または名鉄名古屋本線にて「名鉄一宮駅」下車(JR新快速、名鉄特急で10~15分)、一宮駅西口の名鉄バスターミナル?番のりばから「起(おこし)」行きで約15分、「起工高・三岸美術館前」バス停下車、徒歩1分。

 

お車をご利用の場合

大阪方面/名神高速道路:岐阜羽島I.Cより約15分

東京方面/名神高速道路経由:東海北陸自動車道一宮I.Cより約10分

関・郡上方面/東海北陸自動車道:尾西I.Cより約10分

※駐車場には限りがございます。公共交通機関をご利用ください。

 

 

一宮市三岸節子記念美術館

〒494−0007 愛知県一宮市小信中島字郷南3147−1

TEL 0586−63−2892

FAX 0586−63−2893

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# by m_kirin30 | 2013-12-12 23:57 | 日常 | Trackback | Comments(0)

おうちとアトリエ

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三重県に引っ越して4ヶ月が過ぎ、空き家だった古民家のアトリエ兼おうちもようやく人の住む気配を漂わせ始めました。
家は人が住むことによって、家となりうるんだなと、日々感じています。
ものをつくるところがあって、かんがえるところがあって、コーヒーを飲み落ち着くところがある。
これ以上の生活を望むことは、生涯無いでしょう。
大学を卒業してから、家を借り、6畳一間で制作を続けてきて、いまようやく、もう少し広いお部屋で、気持ちのいい庭があり、自然あふれる環境で制作ができるようになりました。

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過去、どの瞬間の決断も、彫刻を続けられる方を選んで生きてきました。
逆に、続けるために捨ててきたものももちろんとても大きかったように思います。
さがしてもさがしても見つからなかったおうちも、ある出会いからひょっこりと最高の条件と環境の場所が見つかりました。
きっと、ほんとうの願いは、願ってどうしようもないときにはみつからず、あきらめかけたころにふっとかなうものなのでしょう。そんなとき、どんな形かもわからない彫刻の神様に、ありがとうを言いたいような気持ちになります。いかなるときも、自分を見ていてくれたんだと。

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あいまいなものは全く信用しない科学派の人間ですが、自分の経験したことだけは、信じています。
実体験は、自分の目で見て、自分の手で作り、自分で失敗を経験し、自分の頭で考え、答えを出す、
100万の机上の学問よりも価値のある行為です。
こと、ものづくりにおいて「勘」とよばれる技術は、幾千の失敗の経験により失敗を回避できる技術そのものです。
そして美術とは、美を発見する技術においてほかなりません。
私はこの土地で、しばらく自然に身を置きながら、まだ探されていない未発見の美を発見しようと思っています。

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田舎での暮らしは、発見の連続です。
夏の木陰に吹く風の心地よい涼しさ、
夜に吠えるケモノたちの不気味な怖さ、
暮らしの中に虫たちが住まうこと、
庭に毎朝現れる幾千の植物や動物の命のおびただしさ、
日々新しい発見を、変化する美から見つけながら、今は制作に100パーセント身を置いています。
今の新しい気持ちを、生涯のどの朝でも迎えられるように、
たくさんの経験と失敗を重ね、よりよいものづくりが生まれていくように、
帰ってくるところは、いつもこのアトリエ。
ここからスタートして、ここで終わっていく、そういうものでありたいと思っています。
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新しい環境でつくったドローイングや彫刻たち、次回展示会は大阪です。
大きい彫刻たちの展示、オーダメイド受付、ちいさい彫刻やドローイングの即売などを行います。

BODAIJU EXPO 2


世界初!ホテル丸ごと使ったエンターテイメントBODAIJU EXPOが帰ってくる。
2012年11月24-25日に開催され約3500人を動員したBODAIJU EXPO。今回はさらにクオリティを高めて開催!

開催日時
2013年11月23日(土)24日(日)
開催場所
NEW OSAKA HOTEL心斎橋
一般入場料  ¥1000
※中学生以下無料(※学生証持参)

ミュシカさんでの11月のデッサン教室
2013年11月16日(土) 動物を描こう!黒柴月君のデッサン会!

12月の木彫り教室

名古屋 ミュシカさん


東京 KISSAさん
<木彫りのワークショップ詳細>
21日(土) 13:00~15:30 「サンタ猫を彫ろう」 定員12名 
22日(日) 13:00~15:30 「トナカイを彫ろう」 定員8名 
22日(日) 16:30~19:00 「トナカイを彫ろう」 定員8名 

年内のWS&展示会はおそらく以上です^^
12月に日本分子生物学会さんのほうにも展示しますので、詳細決まり次第アップします^^
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# by m_kirin30 | 2013-11-02 18:24 | 日常 | Trackback | Comments(2)

考察

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気持ちよく描くことと、見る人が気持ちいい絵を描くことは少し違う、
心地よく生きることと、周りの人に心地よく生きてもらうようにすることが、少し違うように。

そのどちらかに偏ると、反動が起こり、ひずみが生まれてきます。
作ったものが心地よく残っていくためには、どちらも犠牲にしてはならない。

目の前のものに素直になって、純粋な目で、モチーフを観察することはとても大事ですが、
実は絵を描くときにそれを100パーセント素直に描くかというと、少し違います。
紙が心地いいように、筆が心地よく走るように、そして見る人が心地よく感じるように、
素材のことや、いずれ向き合う人たちのことを考え、瞬時に細心の注意をはらっていきます。

それは、意識的にそうしているのではなく、反復の訓練によって身に付いた、無意識の技術。
自分だけがきもちのいいものを作っても、他者が心地よく感じてもらえるはずもなく、
素材も、その素材をうまく扱ってくれない人間のことは、平気で裏切ります。

ものをつくる、他者にみてもらう、自分でみなおす、
これを無限に繰り返すことで、自分と世界とのひずみが、すこしづつ修正されていき、
自分の好きな物で、人も好きになってもらえるものづくりができるように、なってくる気がします。

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それは、どんなものでもそうなのでしょう。
話しかける、答えてもらう、また話す。
描く 見てもらう また描く。
一回目より二回目には、
同じ失敗はしないように、
新しい挑戦ができるように、
よりよい関係が築けるように、
その向上心を一生持ち続けることは、とても実は難しいことのような気がしています。
どこかとちゅうで、このくらいでいいや、と思ってしまう自分と戦いながら、
日々常に向上心を持って、もの作りを続けていきたいです。

そんなあたりまえのことを、一生守り続けることの難しさ、
年を重ねるごとに、感じています。
日々、いいものを作れるように。
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10、11、12月とイベント、展示会、続きます。

10月19、20日 東京 もみじ市

多摩川の河川敷に動物たちの彫刻が並びます!販売も少し行います。
ワークショップもあります! 詳細はコチラ


もみじ市さんが撮ってくれたビデオレター(のようなもの笑)

11月23、24日 大阪 ボダイジュエキスポ

ボテルの一室一室が個展会場!たくさんのアーティストさんが一度に見られる機会です。
小さな彫刻の販売も行います^^2014年度のオーダーメイドの受付もいたします。

12月21、22日 東京 ギャラリーkissaさんでワークショップ&小品展示会&ライブ
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11、12月ミュシカ分室 木彫りデッサン教室


できるだけたくさんの地域で展示会やワークショップを行っていけたらいいなと思っています。
お近くの方はぜひ遊びにきてくださいね^^
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# by m_kirin30 | 2013-10-15 16:10 | 日常 | Trackback | Comments(0)

とちゅう

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いつも、目的に向かうとちゅうにいるような気がしています。
作品でも、完成したものがすべてではなく、そのとちゅうに意味があるような。
いきものは、生まれて死にますが、あらゆるものごとで結果がすべてだとしたら、それはとても無機質なものになってしまいます。

でも、出来上がったものだけみると、とちゅうをその人がどう過ごしてきたかなんて、一見分からない。死んでいる虫を見て、この虫がどんな一生を過ごしてきたかも、到底わからない。

それほどあいまいな世界で、人は言葉を駆使し、表現を駆使し、他者に自分の過ごしてきた、大切なとちゅうを、伝えようとする生き物です。

「愛しても 愛しきれない   驚いても 驚ききれない  
 歓んでも 歓びきれない  哀しんでも 哀しみきれない 
 それが版画です 」

棟方志功さんの言葉です。

伝えたいのに、伝えきれないもの、その伝えきれない部分にだけ、ほんとうに大事なとちゅうの真実が隠されている事もあります。
隠している場合もあります。ほんとうの真実は、自分の中だけに閉じ込めたい場合もあります。
版画に限らず、彫刻も、絵画も、その作家の想いや、すごしてきた大切なとちゅうは、伝えきれないものなのでしょう。

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私は、むずかしいことだけれど、そのとちゅうの物語を、彫刻にこめて、作って行きたいのです。

ただの犬、ただのネコ、ではなく、たったひとりだった、たいせつな存在。
そのうまれてから死ぬまでのとちゅうを、一体誰と過ごして、その目は何をとらえ、その耳で何を一番に聞き、その体で何に喜んで、何に苦しんだのか、
飼い主にも分からないその子の真実だって、たくさんきっと、あるのでしょう。

そしてそれらを強調するのではなく、ただその子のありのままの姿のなかに、その子のとちゅうの歴史を閉じ込める。そんな彫刻を、目指して行こうと思っています。
それには、そのこの過ごしてきたとちゅうを感じてあげられる目を、持たないといけないなと思います。
思いやる、というより、思い描く、事に近いのかもしれません。
怒っているネコ、すねている犬、逃げる虫たち。
そのこたちの生きてきたとちゅうの歴史なんて、想像することしかできませんが、

大切にしたいのは、よく相手を観察する、とうこと。
よく見て、よく考え、よく思い描く。
何に怒り、何に喜び、何に哀しんでいるか、よくよく観察する事で、そのこのとちゅうの物語が、見えてきます。
そんな事を大切に、いまは彫刻と向き合っています。
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ものごとをよく観察する力は、美術だけでなくたくさんの瞬間で自分を支えてくれます。
相手を深く知ろうとしないことが、信頼関係を築けない事にもつながるからです。
向かい合っている相手の、結果ではなくとちゅうを観察する、
そうすると、本当のところが見えてくるようにも思っています。

あくなき世界への観察を、つづけて行けたらなと思っています。

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この秋〜冬はワークショップと展示会が続きます、
ぜひお近くの方など、遊びにいらしてくださいね^^

9月28日から10月14日まで、滋賀県でANIMAL展に参加

10月、東京もみじ市に参加 ワークショップあり!寝ている柴犬を彫ります!


11月、大阪ボダイジュエキスポさんに参加
今回はちいさなワンワン彫刻シリーズ、60種の犬種のミニ彫刻&ネコキーホルダーを販売します。
また、トートバックやTシャツなどのグッツ販売もあります^^
是非遊びにきてくださいね^^


そして、名古屋ミュシカさんでの木彫り教室も復活です^^ご予約はお早めに〜!
10、11、12月と開催、11月はなんと黒柴月君のデッサン会です!


今回の素敵な写真たちは、写真家の森田直樹君が撮ってくれたものです、ありがとう〜^^
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# by m_kirin30 | 2013-09-20 10:40 | Trackback | Comments(0)

伝える力

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河合塾での夏の木彫り教室とデッサン教室が終わりました。
なつやすみに、子供たちや大人の方にも、木彫りや動物のデッサンを体験してほしいと思いはじめたこの教室も、数年つづけてきました。

大人も子供も、上手いも下手もない、そんな環境を作りたくて、
大人も子供も同じ場所で汗を流し、ものづくりに熱中できる場所を、毎年河合塾さんに提供していただいています。

美術の世界は、そもそも数字で計りにくい世界です。
テストならいい点数をとれば、スポーツならいいタイムやスコアをとれば、人と比べる基準が分かりやすいのですが、芸術の世界は、選ぶ側の人間の主観で判断されるので、学校の成績や、受験の合否では、作品の善し悪しは計り切れない部分があります。

それなので、学校で美術の成績が悪いからと言って、絵を離れてしまうのは本当にもったいない事で、
上手い、下手、そんな言葉で判断できるほど、美術の懐は狭くありません。

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たいせつなのは、伝える力を育てる事です。
目の前に、うつくしい何かがあった、その感動を、自分以外の誰かに伝えたい。
言葉では伝えられない色や、形や、温度、感動、
そんなものを、伝える力を身につけるのが、真の美術の勉強です。


彫刻も同じで、
こんなかわいい生き物がいたよ、こんなおもしろいかたちがあったよ、
そんなことを伝えるために、はじまったものだとおもっています。

自分の見えたものが、画面にのせられているか、
そのためには、絵は、うそをついては、いいものが描けません。
まずは、自分がそう見えた、そう感じた、ということを信じて、自分の目に嘘をつかず、素直に絵を描いていく、そんなことが大切だと思います。

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そうして行くと、だんだん壁が見えてきます。
今までの持っている描き方では、描けない。そんなものが現れてきます。
そんなときは、描けるまで一枚の絵をあきらめません。
とても苦しいけれど、自分の納得するところまで描けるまで、何日でも何週間でも、一枚の絵をつづけます。
描けないというときは、相手を、モチーフをよく見る事ができていないときによくあります。
見えているように描けない、そんなときは、まずモチーフをよく観察する、
そして、それが自分にあまりない感覚だったことで、描く事が難しいのだと思います。
モチーフを思いやり、モチーフらしさがでるために、自分はどういうアプローチをすればいいか、
それは、見知らぬ友達を作るときのようなドキドキ感と、とても似ているような気がします。

描けるまで、あきらめない。
1つの完成した絵を作る事が、たくさん途中の作品をつくるよりも、きっと大切な事だと思います。

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美術で鍛えた、伝える力は、生きて行く色々な場面で活躍します。
素直に思いを言葉に乗せるという事、目の前のものを思いやるという事、
自分の圧力が強すぎると相手を傷つけ、弱すぎると伝わらない。
彫刻も、深すぎず、浅すぎず、その一番ぴったりくる面を彫りだす事が、ほんとうに難しいことです。

世界と関わって行く力を身につける勉強、
それが美術の学習なんだと、私は思っています。
そんなことを、夏休みのひとときのもの作りの時間に、伝える事ができたらいいな、と、思います。

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来てくださったみなさま、ほんとうにありがとうございました、
そしてまだ見ぬたくさんの方々に、美術の楽しさ、おもしろさを伝えて行きたいと、思っています。

次回ワークショップは港町ポリフォニーさんにて9月、
9月末、10月も滋賀、関東と展示、ワークショップが続きます。
情報はまたアップしますので、ぜひあそびにきてくださいね!
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# by m_kirin30 | 2013-08-14 12:22 | 日常 | Trackback | Comments(2)

わからないこと

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子供の描く絵が何とも言えず美しくて感動したり、
美術を学んだことの無い人の純粋なデッサンに心うたれたり、
未完成なものの美しさというのは、特別な感動を私にくれるときがあります。
その秘密はなんだろうと、いつもあこがれます。
キラッとかがやく、宝物のようなものが、潜んでいる作品に、こころひかれます。

美術を勉強して訓練に訓練を重ねて行くと、失われて行く鮮度があります。
手が震えるくらい、一本の線を描くのにも緊張した時の事をいつしか忘れて、
慣れてくると、テクニックに酔って、なんの感動も無い絵を描いてしまったりもします。

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はじめてなにかに挑戦したときの鮮度と感動は、美術の世界では一番の宝石のようなもので、
それ以上にいいものを作るために価値のあるものは、ありません。
技術はその宝石を磨くもので、宝石を輝かせるためには努力と鍛錬しかもちろんありません。


絵を人に教える機会も、仕事でよくあるのですが、
私が教えられるのは技術だけあって、そのひとのなかにある宝石の部分の中身がなんなのかは、その人が磨いてみないと何かはわかりません。
私にできる事と言ったらその宝石発掘の手助けと、磨き方くらい。

「どうやって描けばいいのかまったくわからない」
と、よく生徒さんに聞かれます。
わたしにとっては涙が出るくらい感動する、純粋で、美しい、ほんとうに大切な質問です。

伝えたいのは、
わたしも毎日絵を描く時、いつもどうやって描いたらいいか分からないところからはじめているということです。
この「わからなさ」が、宝石の部分だということに、美術を学ぶごとに感じてきました。

わからないことをたくさん持ち続けていられることが、美術を仕事にする人間にとってとても大事な事で、わからないドキドキの、わざとじゃなく迷ったり困ったりする感情が、いいものを作るための宝物なのでしょう。

いつもずっと、子供の頃のような好奇心と感情で、新鮮に世界と歩いて行きたいと思っています。
苦しむのではなく、時に遊びながら、時に苦労しながら、たくさんの感情を味わって、作り続けて行きたいです。
いつでも宝石がひそんでいる彫刻を、つくれるように。

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今年は、ワークショップで木彫り教室やデッサン教室がたくさんあります。
いつも伝えたい事を、たくさん届けられたらいいなと思っています。


あと募集中なのは、以下のワークショップです。
はじめてデッサンを習ってみる、という方も、気楽に遊びにきてくださいね!


カワイで動物のお絵描き教室

●対象
小1-大人
◆第4回 8月11日(日)
◆第5回 8月11日(日)

●時間
第4回
午前10時-午後12時半
第5回
午後2時-午後4時半

●材料費
一名につき 1000円

●持参物など
使用したい画材・筆記用具・タオル
(絵の具・筆・色鉛筆・コンテ など)

※小学3年生以下のお子様は保護者の付き添いが必要です。
※『午前の会』・『午後の会』は同一内容です。
※紙と画板はこちらで用意します。
※アトリエに動物が来ます。

場所:河合塾千種校 アトリエA棟 2階
申込先:お電話(0120-591-109) または河合塾美術研究所窓口まで。
各回定員20名(定員に達し次第締め切りとさせていただきます。)
講師:はしもとみお

※木彫り教室の方は、子供教室のみまだご予約可能です。



神戸、港町ポリフォニー、ラクダさんの木彫りワークショップ

音楽を聞きながらワークショップができます!
参加アーティストは、トクマルシューゴさんや青葉市子さんなどなど音楽もたのしみです^^

彫刻家 はしもとみお ワークショップ ラクダの木彫りを彫ろう

いい香りのするクスノキで、ラクダの木彫りを彫ってみましょう。
木彫りが初めてのかたでも大丈夫、道具等はこちらで全部ご用意します。

【持ち物】
ラクダの写真など(あれば)
筆記用具
バンドエイド(手を切ってしまったときのため)
エプロン
彫刻を持ち帰るビニール袋(あれば)
持っている方は、お手持ちの彫刻刀

【時 間】 【参加費】   【定 員】
13:00〜15:30 3800円     10〜15名程度

【予約・問い合わせ】
kirinsan111@mac.com (彫刻家 はしもとみお)

※ワークショップのみ参加ご希望の方は、事前にご相談ください。
基本的には入場券をご予約いただいてから、ワークショップ申し込みとなります。
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# by m_kirin30 | 2013-07-10 12:49 | 日常 | Trackback | Comments(2)

らしさ

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2年間住んだ愛知県を離れ、三重県の少し郊外の古民家を改装して、アトリエを移す事になりました。

私は兵庫県から始まり、大阪、京都、東京、愛知とたくさんの土地に通学したり住んだり、
その土地が好きになってきたところで、少し哀しくなりながらその地を離れる事が多かったせいか、
今まで住んできたどの土地も、大好きな場所で、故郷のように思っています。

色んな事が、変わってゆく中で、あんなに大好きだったものたちも、強く願っていた思いも、好きな音楽も、趣味も、仲間たちも
変わって行く事があるんだという事を、初めて知りました。

その中で、自分の支える変わらないものたち。
おおきな樹が、たくさんの葉っぱを作っては風に飛ばし、なびかせながらもしっかりと立つように、
変わらないものが自分にしっかりとあればあるほど、安心して変わっていける部分がある。
そして変わっていくものたちが、変わらない部分を鮮度を保って支えている、
そんなふうに、どちらも大切な事なんだと、今は感じています。

芯はぶらさずに、だけども風に柔軟に、実りと木陰と、変化する美を世界に届けている、
おおきな樹をみていると、その立ち振る舞いに、私はいつも胸がいっぱいになります。
そんな樹のようになれたらと、いつもあこがれます。

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もの作りの仕事というのは、自分という職人をどう扱って行くかという仕事のように思います。

タンポポはどんなにあこがれても、ひまわりにはなれないし、
ひまわりはクスノキにはなれず、
クスノキはどんなにあこがれても、タンポポのようには、なれないように、
自分の性質に逆らった事をどんなにやろうとしても、その努力が実る事は決してありません。
そこが本当につらく苦しいところで、
自分の憧れるものと自分とのギャップがおおきいほど、
空回りの努力を繰り返してしまいます。
私はずいぶんと長い間そのギャップを認める事ができずに、なれないものになろうとして空回りをして失敗する、そんな日々が続きました。

もの作りの失敗に失敗を重ねて、あるときふっと思った事が、
自分らしさ、ということのほんとうの意味でした。

らしさ、が澄んでいるものは本当に美しいという事、
樹らしさ、花らしさ、虫らしさ、
純度の高い、らしさ、というものの美しさを、絵を描くごとにまのあたりにして、
自分らしさの純度を高めて行く事が、
この仕事にとって一番大切な事だという事を、今は痛感しています。

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わたしにとって自分らしさとは、作る事がうまくなって行く事では決して無いと思うので、
あくまで純度を高めて行く方向で、進んで行けたらなと思っています。


この夏は、たくさんのワークショップや出張教室があります。

NHK文化センター (こちらは告知の前に満席となってしまいました、キャンセル待ちのみ受け付けています。

中日文化センター

河合塾名古屋千種校

どの講座も定員に限りがありますが、私のできるかぎり、木彫りや絵を描くたのしさ、ものの美しさを発見する技術を、一人でも多くの方に伝えて行けたらなと思っています。ぜひ遊びに来てくださいね!

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# by m_kirin30 | 2013-06-09 23:29 | 日常 | Trackback | Comments(0)