おうちとアトリエ

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三重県に引っ越して4ヶ月が過ぎ、空き家だった古民家のアトリエ兼おうちもようやく人の住む気配を漂わせ始めました。
家は人が住むことによって、家となりうるんだなと、日々感じています。
ものをつくるところがあって、かんがえるところがあって、コーヒーを飲み落ち着くところがある。
これ以上の生活を望むことは、生涯無いでしょう。
大学を卒業してから、家を借り、6畳一間で制作を続けてきて、いまようやく、もう少し広いお部屋で、気持ちのいい庭があり、自然あふれる環境で制作ができるようになりました。

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過去、どの瞬間の決断も、彫刻を続けられる方を選んで生きてきました。
逆に、続けるために捨ててきたものももちろんとても大きかったように思います。
さがしてもさがしても見つからなかったおうちも、ある出会いからひょっこりと最高の条件と環境の場所が見つかりました。
きっと、ほんとうの願いは、願ってどうしようもないときにはみつからず、あきらめかけたころにふっとかなうものなのでしょう。そんなとき、どんな形かもわからない彫刻の神様に、ありがとうを言いたいような気持ちになります。いかなるときも、自分を見ていてくれたんだと。

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あいまいなものは全く信用しない科学派の人間ですが、自分の経験したことだけは、信じています。
実体験は、自分の目で見て、自分の手で作り、自分で失敗を経験し、自分の頭で考え、答えを出す、
100万の机上の学問よりも価値のある行為です。
こと、ものづくりにおいて「勘」とよばれる技術は、幾千の失敗の経験により失敗を回避できる技術そのものです。
そして美術とは、美を発見する技術においてほかなりません。
私はこの土地で、しばらく自然に身を置きながら、まだ探されていない未発見の美を発見しようと思っています。

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田舎での暮らしは、発見の連続です。
夏の木陰に吹く風の心地よい涼しさ、
夜に吠えるケモノたちの不気味な怖さ、
暮らしの中に虫たちが住まうこと、
庭に毎朝現れる幾千の植物や動物の命のおびただしさ、
日々新しい発見を、変化する美から見つけながら、今は制作に100パーセント身を置いています。
今の新しい気持ちを、生涯のどの朝でも迎えられるように、
たくさんの経験と失敗を重ね、よりよいものづくりが生まれていくように、
帰ってくるところは、いつもこのアトリエ。
ここからスタートして、ここで終わっていく、そういうものでありたいと思っています。
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新しい環境でつくったドローイングや彫刻たち、次回展示会は大阪です。
大きい彫刻たちの展示、オーダメイド受付、ちいさい彫刻やドローイングの即売などを行います。

BODAIJU EXPO 2


世界初!ホテル丸ごと使ったエンターテイメントBODAIJU EXPOが帰ってくる。
2012年11月24-25日に開催され約3500人を動員したBODAIJU EXPO。今回はさらにクオリティを高めて開催!

開催日時
2013年11月23日(土)24日(日)
開催場所
NEW OSAKA HOTEL心斎橋
一般入場料  ¥1000
※中学生以下無料(※学生証持参)

ミュシカさんでの11月のデッサン教室
2013年11月16日(土) 動物を描こう!黒柴月君のデッサン会!

12月の木彫り教室

名古屋 ミュシカさん


東京 KISSAさん
<木彫りのワークショップ詳細>
21日(土) 13:00~15:30 「サンタ猫を彫ろう」 定員12名 
22日(日) 13:00~15:30 「トナカイを彫ろう」 定員8名 
22日(日) 16:30~19:00 「トナカイを彫ろう」 定員8名 

年内のWS&展示会はおそらく以上です^^
12月に日本分子生物学会さんのほうにも展示しますので、詳細決まり次第アップします^^
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# by m_kirin30 | 2013-11-02 18:24 | 日常 | Trackback | Comments(2)

考察

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気持ちよく描くことと、見る人が気持ちいい絵を描くことは少し違う、
心地よく生きることと、周りの人に心地よく生きてもらうようにすることが、少し違うように。

そのどちらかに偏ると、反動が起こり、ひずみが生まれてきます。
作ったものが心地よく残っていくためには、どちらも犠牲にしてはならない。

目の前のものに素直になって、純粋な目で、モチーフを観察することはとても大事ですが、
実は絵を描くときにそれを100パーセント素直に描くかというと、少し違います。
紙が心地いいように、筆が心地よく走るように、そして見る人が心地よく感じるように、
素材のことや、いずれ向き合う人たちのことを考え、瞬時に細心の注意をはらっていきます。

それは、意識的にそうしているのではなく、反復の訓練によって身に付いた、無意識の技術。
自分だけがきもちのいいものを作っても、他者が心地よく感じてもらえるはずもなく、
素材も、その素材をうまく扱ってくれない人間のことは、平気で裏切ります。

ものをつくる、他者にみてもらう、自分でみなおす、
これを無限に繰り返すことで、自分と世界とのひずみが、すこしづつ修正されていき、
自分の好きな物で、人も好きになってもらえるものづくりができるように、なってくる気がします。

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それは、どんなものでもそうなのでしょう。
話しかける、答えてもらう、また話す。
描く 見てもらう また描く。
一回目より二回目には、
同じ失敗はしないように、
新しい挑戦ができるように、
よりよい関係が築けるように、
その向上心を一生持ち続けることは、とても実は難しいことのような気がしています。
どこかとちゅうで、このくらいでいいや、と思ってしまう自分と戦いながら、
日々常に向上心を持って、もの作りを続けていきたいです。

そんなあたりまえのことを、一生守り続けることの難しさ、
年を重ねるごとに、感じています。
日々、いいものを作れるように。
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10、11、12月とイベント、展示会、続きます。

10月19、20日 東京 もみじ市

多摩川の河川敷に動物たちの彫刻が並びます!販売も少し行います。
ワークショップもあります! 詳細はコチラ


もみじ市さんが撮ってくれたビデオレター(のようなもの笑)

11月23、24日 大阪 ボダイジュエキスポ

ボテルの一室一室が個展会場!たくさんのアーティストさんが一度に見られる機会です。
小さな彫刻の販売も行います^^2014年度のオーダーメイドの受付もいたします。

12月21、22日 東京 ギャラリーkissaさんでワークショップ&小品展示会&ライブ
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11、12月ミュシカ分室 木彫りデッサン教室


できるだけたくさんの地域で展示会やワークショップを行っていけたらいいなと思っています。
お近くの方はぜひ遊びにきてくださいね^^
# by m_kirin30 | 2013-10-15 16:10 | 日常 | Trackback | Comments(0)

とちゅう

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いつも、目的に向かうとちゅうにいるような気がしています。
作品でも、完成したものがすべてではなく、そのとちゅうに意味があるような。
いきものは、生まれて死にますが、あらゆるものごとで結果がすべてだとしたら、それはとても無機質なものになってしまいます。

でも、出来上がったものだけみると、とちゅうをその人がどう過ごしてきたかなんて、一見分からない。死んでいる虫を見て、この虫がどんな一生を過ごしてきたかも、到底わからない。

それほどあいまいな世界で、人は言葉を駆使し、表現を駆使し、他者に自分の過ごしてきた、大切なとちゅうを、伝えようとする生き物です。

「愛しても 愛しきれない   驚いても 驚ききれない  
 歓んでも 歓びきれない  哀しんでも 哀しみきれない 
 それが版画です 」

棟方志功さんの言葉です。

伝えたいのに、伝えきれないもの、その伝えきれない部分にだけ、ほんとうに大事なとちゅうの真実が隠されている事もあります。
隠している場合もあります。ほんとうの真実は、自分の中だけに閉じ込めたい場合もあります。
版画に限らず、彫刻も、絵画も、その作家の想いや、すごしてきた大切なとちゅうは、伝えきれないものなのでしょう。

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私は、むずかしいことだけれど、そのとちゅうの物語を、彫刻にこめて、作って行きたいのです。

ただの犬、ただのネコ、ではなく、たったひとりだった、たいせつな存在。
そのうまれてから死ぬまでのとちゅうを、一体誰と過ごして、その目は何をとらえ、その耳で何を一番に聞き、その体で何に喜んで、何に苦しんだのか、
飼い主にも分からないその子の真実だって、たくさんきっと、あるのでしょう。

そしてそれらを強調するのではなく、ただその子のありのままの姿のなかに、その子のとちゅうの歴史を閉じ込める。そんな彫刻を、目指して行こうと思っています。
それには、そのこの過ごしてきたとちゅうを感じてあげられる目を、持たないといけないなと思います。
思いやる、というより、思い描く、事に近いのかもしれません。
怒っているネコ、すねている犬、逃げる虫たち。
そのこたちの生きてきたとちゅうの歴史なんて、想像することしかできませんが、

大切にしたいのは、よく相手を観察する、とうこと。
よく見て、よく考え、よく思い描く。
何に怒り、何に喜び、何に哀しんでいるか、よくよく観察する事で、そのこのとちゅうの物語が、見えてきます。
そんな事を大切に、いまは彫刻と向き合っています。
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ものごとをよく観察する力は、美術だけでなくたくさんの瞬間で自分を支えてくれます。
相手を深く知ろうとしないことが、信頼関係を築けない事にもつながるからです。
向かい合っている相手の、結果ではなくとちゅうを観察する、
そうすると、本当のところが見えてくるようにも思っています。

あくなき世界への観察を、つづけて行けたらなと思っています。

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この秋〜冬はワークショップと展示会が続きます、
ぜひお近くの方など、遊びにいらしてくださいね^^

9月28日から10月14日まで、滋賀県でANIMAL展に参加

10月、東京もみじ市に参加 ワークショップあり!寝ている柴犬を彫ります!


11月、大阪ボダイジュエキスポさんに参加
今回はちいさなワンワン彫刻シリーズ、60種の犬種のミニ彫刻&ネコキーホルダーを販売します。
また、トートバックやTシャツなどのグッツ販売もあります^^
是非遊びにきてくださいね^^


そして、名古屋ミュシカさんでの木彫り教室も復活です^^ご予約はお早めに〜!
10、11、12月と開催、11月はなんと黒柴月君のデッサン会です!


今回の素敵な写真たちは、写真家の森田直樹君が撮ってくれたものです、ありがとう〜^^
# by m_kirin30 | 2013-09-20 10:40 | Trackback | Comments(0)

伝える力

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河合塾での夏の木彫り教室とデッサン教室が終わりました。
なつやすみに、子供たちや大人の方にも、木彫りや動物のデッサンを体験してほしいと思いはじめたこの教室も、数年つづけてきました。

大人も子供も、上手いも下手もない、そんな環境を作りたくて、
大人も子供も同じ場所で汗を流し、ものづくりに熱中できる場所を、毎年河合塾さんに提供していただいています。

美術の世界は、そもそも数字で計りにくい世界です。
テストならいい点数をとれば、スポーツならいいタイムやスコアをとれば、人と比べる基準が分かりやすいのですが、芸術の世界は、選ぶ側の人間の主観で判断されるので、学校の成績や、受験の合否では、作品の善し悪しは計り切れない部分があります。

それなので、学校で美術の成績が悪いからと言って、絵を離れてしまうのは本当にもったいない事で、
上手い、下手、そんな言葉で判断できるほど、美術の懐は狭くありません。

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たいせつなのは、伝える力を育てる事です。
目の前に、うつくしい何かがあった、その感動を、自分以外の誰かに伝えたい。
言葉では伝えられない色や、形や、温度、感動、
そんなものを、伝える力を身につけるのが、真の美術の勉強です。


彫刻も同じで、
こんなかわいい生き物がいたよ、こんなおもしろいかたちがあったよ、
そんなことを伝えるために、はじまったものだとおもっています。

自分の見えたものが、画面にのせられているか、
そのためには、絵は、うそをついては、いいものが描けません。
まずは、自分がそう見えた、そう感じた、ということを信じて、自分の目に嘘をつかず、素直に絵を描いていく、そんなことが大切だと思います。

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そうして行くと、だんだん壁が見えてきます。
今までの持っている描き方では、描けない。そんなものが現れてきます。
そんなときは、描けるまで一枚の絵をあきらめません。
とても苦しいけれど、自分の納得するところまで描けるまで、何日でも何週間でも、一枚の絵をつづけます。
描けないというときは、相手を、モチーフをよく見る事ができていないときによくあります。
見えているように描けない、そんなときは、まずモチーフをよく観察する、
そして、それが自分にあまりない感覚だったことで、描く事が難しいのだと思います。
モチーフを思いやり、モチーフらしさがでるために、自分はどういうアプローチをすればいいか、
それは、見知らぬ友達を作るときのようなドキドキ感と、とても似ているような気がします。

描けるまで、あきらめない。
1つの完成した絵を作る事が、たくさん途中の作品をつくるよりも、きっと大切な事だと思います。

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美術で鍛えた、伝える力は、生きて行く色々な場面で活躍します。
素直に思いを言葉に乗せるという事、目の前のものを思いやるという事、
自分の圧力が強すぎると相手を傷つけ、弱すぎると伝わらない。
彫刻も、深すぎず、浅すぎず、その一番ぴったりくる面を彫りだす事が、ほんとうに難しいことです。

世界と関わって行く力を身につける勉強、
それが美術の学習なんだと、私は思っています。
そんなことを、夏休みのひとときのもの作りの時間に、伝える事ができたらいいな、と、思います。

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来てくださったみなさま、ほんとうにありがとうございました、
そしてまだ見ぬたくさんの方々に、美術の楽しさ、おもしろさを伝えて行きたいと、思っています。

次回ワークショップは港町ポリフォニーさんにて9月、
9月末、10月も滋賀、関東と展示、ワークショップが続きます。
情報はまたアップしますので、ぜひあそびにきてくださいね!
# by m_kirin30 | 2013-08-14 12:22 | 日常 | Trackback | Comments(2)

わからないこと

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子供の描く絵が何とも言えず美しくて感動したり、
美術を学んだことの無い人の純粋なデッサンに心うたれたり、
未完成なものの美しさというのは、特別な感動を私にくれるときがあります。
その秘密はなんだろうと、いつもあこがれます。
キラッとかがやく、宝物のようなものが、潜んでいる作品に、こころひかれます。

美術を勉強して訓練に訓練を重ねて行くと、失われて行く鮮度があります。
手が震えるくらい、一本の線を描くのにも緊張した時の事をいつしか忘れて、
慣れてくると、テクニックに酔って、なんの感動も無い絵を描いてしまったりもします。

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はじめてなにかに挑戦したときの鮮度と感動は、美術の世界では一番の宝石のようなもので、
それ以上にいいものを作るために価値のあるものは、ありません。
技術はその宝石を磨くもので、宝石を輝かせるためには努力と鍛錬しかもちろんありません。


絵を人に教える機会も、仕事でよくあるのですが、
私が教えられるのは技術だけあって、そのひとのなかにある宝石の部分の中身がなんなのかは、その人が磨いてみないと何かはわかりません。
私にできる事と言ったらその宝石発掘の手助けと、磨き方くらい。

「どうやって描けばいいのかまったくわからない」
と、よく生徒さんに聞かれます。
わたしにとっては涙が出るくらい感動する、純粋で、美しい、ほんとうに大切な質問です。

伝えたいのは、
わたしも毎日絵を描く時、いつもどうやって描いたらいいか分からないところからはじめているということです。
この「わからなさ」が、宝石の部分だということに、美術を学ぶごとに感じてきました。

わからないことをたくさん持ち続けていられることが、美術を仕事にする人間にとってとても大事な事で、わからないドキドキの、わざとじゃなく迷ったり困ったりする感情が、いいものを作るための宝物なのでしょう。

いつもずっと、子供の頃のような好奇心と感情で、新鮮に世界と歩いて行きたいと思っています。
苦しむのではなく、時に遊びながら、時に苦労しながら、たくさんの感情を味わって、作り続けて行きたいです。
いつでも宝石がひそんでいる彫刻を、つくれるように。

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今年は、ワークショップで木彫り教室やデッサン教室がたくさんあります。
いつも伝えたい事を、たくさん届けられたらいいなと思っています。


あと募集中なのは、以下のワークショップです。
はじめてデッサンを習ってみる、という方も、気楽に遊びにきてくださいね!


カワイで動物のお絵描き教室

●対象
小1-大人
◆第4回 8月11日(日)
◆第5回 8月11日(日)

●時間
第4回
午前10時-午後12時半
第5回
午後2時-午後4時半

●材料費
一名につき 1000円

●持参物など
使用したい画材・筆記用具・タオル
(絵の具・筆・色鉛筆・コンテ など)

※小学3年生以下のお子様は保護者の付き添いが必要です。
※『午前の会』・『午後の会』は同一内容です。
※紙と画板はこちらで用意します。
※アトリエに動物が来ます。

場所:河合塾千種校 アトリエA棟 2階
申込先:お電話(0120-591-109) または河合塾美術研究所窓口まで。
各回定員20名(定員に達し次第締め切りとさせていただきます。)
講師:はしもとみお

※木彫り教室の方は、子供教室のみまだご予約可能です。



神戸、港町ポリフォニー、ラクダさんの木彫りワークショップ

音楽を聞きながらワークショップができます!
参加アーティストは、トクマルシューゴさんや青葉市子さんなどなど音楽もたのしみです^^

彫刻家 はしもとみお ワークショップ ラクダの木彫りを彫ろう

いい香りのするクスノキで、ラクダの木彫りを彫ってみましょう。
木彫りが初めてのかたでも大丈夫、道具等はこちらで全部ご用意します。

【持ち物】
ラクダの写真など(あれば)
筆記用具
バンドエイド(手を切ってしまったときのため)
エプロン
彫刻を持ち帰るビニール袋(あれば)
持っている方は、お手持ちの彫刻刀

【時 間】 【参加費】   【定 員】
13:00〜15:30 3800円     10〜15名程度

【予約・問い合わせ】
kirinsan111@mac.com (彫刻家 はしもとみお)

※ワークショップのみ参加ご希望の方は、事前にご相談ください。
基本的には入場券をご予約いただいてから、ワークショップ申し込みとなります。
# by m_kirin30 | 2013-07-10 12:49 | 日常 | Trackback | Comments(2)

らしさ

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2年間住んだ愛知県を離れ、三重県の少し郊外の古民家を改装して、アトリエを移す事になりました。

私は兵庫県から始まり、大阪、京都、東京、愛知とたくさんの土地に通学したり住んだり、
その土地が好きになってきたところで、少し哀しくなりながらその地を離れる事が多かったせいか、
今まで住んできたどの土地も、大好きな場所で、故郷のように思っています。

色んな事が、変わってゆく中で、あんなに大好きだったものたちも、強く願っていた思いも、好きな音楽も、趣味も、仲間たちも
変わって行く事があるんだという事を、初めて知りました。

その中で、自分の支える変わらないものたち。
おおきな樹が、たくさんの葉っぱを作っては風に飛ばし、なびかせながらもしっかりと立つように、
変わらないものが自分にしっかりとあればあるほど、安心して変わっていける部分がある。
そして変わっていくものたちが、変わらない部分を鮮度を保って支えている、
そんなふうに、どちらも大切な事なんだと、今は感じています。

芯はぶらさずに、だけども風に柔軟に、実りと木陰と、変化する美を世界に届けている、
おおきな樹をみていると、その立ち振る舞いに、私はいつも胸がいっぱいになります。
そんな樹のようになれたらと、いつもあこがれます。

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もの作りの仕事というのは、自分という職人をどう扱って行くかという仕事のように思います。

タンポポはどんなにあこがれても、ひまわりにはなれないし、
ひまわりはクスノキにはなれず、
クスノキはどんなにあこがれても、タンポポのようには、なれないように、
自分の性質に逆らった事をどんなにやろうとしても、その努力が実る事は決してありません。
そこが本当につらく苦しいところで、
自分の憧れるものと自分とのギャップがおおきいほど、
空回りの努力を繰り返してしまいます。
私はずいぶんと長い間そのギャップを認める事ができずに、なれないものになろうとして空回りをして失敗する、そんな日々が続きました。

もの作りの失敗に失敗を重ねて、あるときふっと思った事が、
自分らしさ、ということのほんとうの意味でした。

らしさ、が澄んでいるものは本当に美しいという事、
樹らしさ、花らしさ、虫らしさ、
純度の高い、らしさ、というものの美しさを、絵を描くごとにまのあたりにして、
自分らしさの純度を高めて行く事が、
この仕事にとって一番大切な事だという事を、今は痛感しています。

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わたしにとって自分らしさとは、作る事がうまくなって行く事では決して無いと思うので、
あくまで純度を高めて行く方向で、進んで行けたらなと思っています。


この夏は、たくさんのワークショップや出張教室があります。

NHK文化センター (こちらは告知の前に満席となってしまいました、キャンセル待ちのみ受け付けています。

中日文化センター

河合塾名古屋千種校

どの講座も定員に限りがありますが、私のできるかぎり、木彫りや絵を描くたのしさ、ものの美しさを発見する技術を、一人でも多くの方に伝えて行けたらなと思っています。ぜひ遊びに来てくださいね!

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# by m_kirin30 | 2013-06-09 23:29 | 日常 | Trackback | Comments(0)

できないこと

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自分に全くできないことを発見したときのワクワク感は、私にとっては、最高に楽しい時間です。
自分には全くできないことがあって、それをいとも簡単にできる人がすでにいて、
自分の伸びしろがまだこの世界にあるという事が、みつかったときのさわやかな感情が、
私を大きく、いつも支えてくれています。

できないことを、もちろんできるようにしたい。
できないことを、たくさんできるようにして、色んな人の力になれるように。
そして、できない人に教えてあげられるように。

できないことを、訓練してできるようになるまでの、その努力の最中の時間が、
私にとっては、この世界でもしかしたら、一番好きな時間なのかも知れません。

小さい頃習っていたバイオリンが、まったくうまく指が動かなくて、
一日に10時間以上、練習できたあの時間や、
美術をはじめて、デッサンがまるでできなくて、夢の中でも、目が覚めても、デッサンのことしか考えられなかったあの時間、
彫刻に出会って、いままでやってきたデッサンがほとんど通じないようなあの、難しさ、
挫折にも似たショックが、私は今でも鮮やかに、さわやかに、よみがえってきます。

できないことが見つかる瞬間を、生涯見つけ続けられるようにいたいです。

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弱いこと、できないこと、下手なこと、
そんなものがあるからこの世界は楽しくて、それが人によって違うから楽しめるんだろうなと、最近では思っています。

できない事をできる人がいて、
さらにそれがとても得意な人がいて、
自分にも得意な事があって、
さらにそれが、人にはできない事だったら、

得意なことで助けてあげて、下手なことは助けてもらいながら、共に大きな仕事をして行くこの感覚は、これこそが、この世界に個体差がある、最高の事実なのかもしれません。

得意な事をまずは、最高に高めていく事から、はじめていきたいとおもっています。
レアなものに、なれるように。

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写真はこの前、那須どうぶつ王国に取材に行かせていただいた時のもの。
生まれて初めて手にのせた鳥、ずっしり重くて、鮮やかできれいで、
その時の重みを、いまでも手が、おぼえています。
何年後になるか分かりませんが、どうぶつ王国とのコラボ展示を企画したいと思っています!

5月の展示会&ワークショップは、東京、浅草橋です。

ぜひあそびにいらしてくださいね〜!
イベントもあります。
くわしくはこちらをご覧ください!
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# by m_kirin30 | 2013-05-14 09:56 | 未分類 | Trackback | Comments(2)

水面下

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表面上では何も変わっていないように見えて、見えないところでふつふつと、爆発を繰り返しているものはたくさんあります。

美術をはじめてすぐの頃のことを、最近はよく思い出します。

小さい頃から絵が得意だったはずの私が、美術予備校の中では、まったくの劣等生でした。
絵がうまくて当たり前、さらには感覚の優れたひとたちばかりの中、私は自分のセンスの無さと技術の無さに途方にくれ、大きな海に行くあても無く取り残されたようなカメのような気持ちで、絵を描くことが苦しみだった日々が続きました。

好きに描いていたちいさな頃は幸せでした。
好きな絵を描いて、いいね、上手だねとほめてもらって、うれしくなってまた描いて。
だけど美術のプロになるということは、趣味ではなく、評価される絵を描かなきゃいけない、
かといって、人の評価だけを追い求めると、感覚の神様はそっぽを向いてしまいます。

どうしたらあのひとのようにうまくなれるの?と
毎日誰かにあこがれて、まねをして、でもなれなくて、
かといって自分の個性というのも分からず、うまく描けない日々が続きました。

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そんなとき、私を救ってくれたのが、いつもデッサンでした。
デッサンは、私にとっては、とてもわかりやすいものです。
答えは、目の前に、いつもある。
そんな現実を真っ向からみつめ、描くデッサンは、かっこつけようとせず、自分の目の前のものを信用したらいいので、私には気持ちが楽でした。

デッサンだけは、私が世界を信用した分だけ、答えてくれる。
そうして、ひとつのものをそのままに、リアルに描くことに身を委ねて、私の美術の人生はおおきく変わりました。

そのままで世界は美しいのだということ。
こころが澄んでいれば澄み切っているし、こころが曇ればもやがかかる、
世界は、自分の感情によって、支配されているのだということ、
世界を信用する力が、デッサン力なんだということ、
そんなことを、美術をはじめて3年のあいだに、たくさんたくさん学びました。

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水面下で、周りから見ると、どうしようもないようにみえるような状態でも、
その人の奥底では、明らかに変化があって、はじけて、生まれ変わっている状態のことはよくあります。眠っているときに、一番活発に、成長細胞が動いているように。
成長のペースはさまざまなので、自分だけが人よりおそく感じることもあって、
あせって、見失って、くるしいですが、
そんなとき、私はいつでも、自分を待ってあげることにしています。
自分を、他人のように見つめ、
自分という人間の成長を、信じて待ってあげることにしています。
自分の努力を知るものは、自分自身しか、決してわかってあげられないのだから。
どんなに苦しくても、彫刻をつづける、
それだけを糧に、また、今年の春から、作り続けて行きたいと思っています。

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今回の素敵なお写真たちは、写真家の森田直樹くんが、那須高原の展示会風景を撮ってくれたものです。私は彼の写真がとても好きで、今年は彫刻もたくさん撮ってくれる予定なので、とても楽しみにしています。


今月、岐阜県可児市 レストラン ものがたりさんで、展示会をしています!
お近くの方は、ぜひ、イベントやワークショップ、お食事に遊びにきてくださいね!
20日には、ポチのアミちゃんのライブもあります。
彼女は現在NHK Uta-tubeにも出演中です!



「いきものたちと、ものがたり」展


イベント当日はもちろん、4月5日から約一ヶ月、壁画の森に彫刻家はしもとみおのいきものの彫刻や、画家くまたにたかしの絵がたくさん展示してあります。
どうぶつたちの「ものがたり」とともに、お食事をしながら、彫刻や絵のいきものたちと素敵なひとときをお過ごしください。


4月5日(金)~4月29日(月曜)〈春分の日〉
9:00~21:00


木曜定休・4月20日は14時まで


■ はしもと みお(彫刻)  http://kirinsan.awk.jp/
■くまたに たかし(絵画) http://ameblo.jp/iroha-works/


昨年30周年を迎えたレストランものがたり。季節も春を迎え、内装を一新します。
壁画の森のおひろめを、生き物の彫刻たちや絵、優しい音楽と美味しい料理で彩ります。
優しく楽しい春のものがたりで、みなさんのお越しをお待ちしています。



ワークショップ

完全予約制

レストランものがたりで文化に触れてみませんか?


(1)はしもとみお&くまたにたかしのスペシャルデッサン教室


彫刻家 はしもとみおと 画家くまたにたかしによる
はじめてのコラボデッサン教室
鉛筆と紙を使って、基礎から楽しく
光や影、色や形、ものの見方をちょっと変えてみましょう。


4月28日(日)14:00~
(16:00終了予定)
料金: ¥3,000(1DRINK/おやつ付き)
もちもの:特になし
.............................................................................................


(2)はしもとみお木彫教室


彫刻家 はしもとみおの木彫り教室。
レストランものがたりで、個性豊かなカワウソ箸置きを作ろう!


4月29日(月)<春分の日>14:00~
(17:00終了予定)
料金: ¥3,500(材料費込/1DRINK/おやつ付き)
もちもの:汚れてもいい服装/作りたいカワウソの写真など
※小さいお子様の場合はご相談ください


お名前、連絡先、ご予約人数をお伝えください。
下記方法からお申し込みいただけます。
*電話→  0574-63-1710(レストランものがたり)
*メール→ iroha_works☆hotmail.co.jp (いろ葉)☆を@に変更して送信お願い致します。
*Facebook→ https://www.facebook.com/events/573225396029524/「いきものたちと、ものがたり」イベントページ
にて「参加する」ボタンをクリックで申し込み完了です。
 ご参加いただくイベント/ワークショップ(1or2)/
 複数名ご参加の方は人数をコメントで明記ください





イベント


2013年4月20日(土)
17:30 OPEN/ 18:00 START
【場所】   
レストラン ものがたり

岐阜県可児市下恵土5505
(0574)63-1710
【料金】    
大人¥3,500/ 小人 ¥1,750
(食事付き/飲食持ち込み可)
フリードリンクですがウーロン茶/オレンジJ/ワイン/のみ
【定員】   
40名(完全予約制)
【MUSIC】  
アコースティックの優しい音色たち
■ポチとolive    http://amipochi.jimdo.com/
■Flying Doctor  http://flying-doctor.jimdo.com/
【ART】  
自然いっぱいの壁画と動物いっぱいの彫刻と絵
■ はしもと みお(彫刻)  http://kirinsan.awk.jp/
■くまたに たかし(絵画) http://ameblo.jp/iroha-works/
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【ご予約/お問い合わせ】 
20日のイベントとワークショップは完全予約制です。
お名前、連絡先、ご予約人数をお伝えください。
下記方法からお申し込みいただけます。
*電話→  0574-63-1710(レストランものがたり)
*メール→ iroha_works☆hotmail.co.jp (いろ葉)☆を@に変更して送信お願い致します。
*Facebook→ https://www.facebook.com/events/573225396029524/「いきものたちと、ものがたり」イベントページ
にて「参加する」ボタンをクリックで申し込み完了です。
 ご参加いただくイベント/ワークショップ(1or2)/
 複数名ご参加の方は人数をコメントで明記ください
*各アーティストへ直接申し込み
※ご予約は先着順にて定員に達し次第受付を終了させていただきます。
【その他】
レストランものがたり
TEL : 0574-63-1710
木曜定休 9:00 ~ 21:00
■お車でお越しの方
P20台有り(満車の場合は一度お問い合わせください)
■電車でお越しの方
名鉄 広見線「新可児駅」・JR 太多線「可児駅」から徒歩10分
# by m_kirin30 | 2013-04-17 16:44 | 日常 | Trackback | Comments(2)

あたらしいこと

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あたらしい季節に、あたらしい環境に飛び込み、あたらしい友達と、あたらしい生活をはじめるときの緊張を、私は忘れることはありません。
なぜなら毎日、あたらしい木と出会い、あたらしい気持ちで、あたらしい彫刻を作り、
あたらしい白い紙に、あたらしいモチーフを、あたらしい気持ちで描いているからです。

木は友人のようなもので、向き合いながら手探りに、形を探して行きます。
私の、作りたい形があって、
木の、なりたい形があって、
作りたいものを、手を通して伝えるのですが、木が、思い通りに言うことを聞いてくれることは少なく、私はからだいっぱいで思いを伝えようと、いつもあたらしい環境にとびこんだ子供のように、どきどき緊張しながら彫刻をしています。


世界は毎秒新鮮で、作りきれないモチーフ、拾いきれない美しいものたち、
まだ見ぬいきものたちや、出会っていない人たち、
私の興味と感動は生涯つきることは無いでしょう。

どんなときでも、継続することは一日も欠かさずつづけるように、
そして、一日ひとつでも、あたらしいことに、挑戦するようにしています。

今、またあたらしいことの真ん中に、身を置いています。
展示会で、那須高原という地に、作家、音楽家の友人たちとともに来ています。
東京、仙台、愛知、岐阜、たくさんの場をともにしてきたこの仲間たちで、
ほんとうにやさしいご好意により、那須高原のあるお宅に滞在させてもらいながら、
音楽と、美術にあふれる展示会と暮らしを、10日間、過ごせることになりました。
私はこの仲間たちがだいすきで、この仲間たちをこころから信頼していて、
仕事をともにしながら、仕事をともにしてくれることへの感謝の気持ちを伝えきれずにいます。


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いつもすてきな声で、展示会場をいろどってくれる、アミちゃん。
彼女が私の絵本「神様のないた日」を読んで、かよちゃんが生演奏で音楽で彩ってくれて、動物の気持ちを唄にした唄を、会場で歌ってくれます。
渡邊春菜ちゃんは、その演出をすべて、行ってくれています。
友人彫刻家の本多絵美子ちゃんも、作品をともに出品してくれています。
みんなで仕事ができることへの喜びは、どんなに積まれた財宝よりも、私の中のたしかな宝物です。

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会場には赤ちゃんのお客様も来てくれて、彫刻にふれあってくれたり、
テラスで風に吹かれながら、木彫り教室を行ったり、
私はこんなふうに、大好きなひとたちに囲まれて仕事ができて、
音楽にあふれて、美術にあふれて、暮らしていけたら、
毎日あたらしい感動と、あたらしい出会いと、そしてこのまま年がとれたら、どんなにいいだろうと、
那須高原の美しい景色にこころをうばわれながら、今を過ごしています。

こんなふうに、いつも、美術の話をしながら暮らしたいと、春一番に、おもっています。

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いきものたちの、ものがたり 展

木彫りの仲間たち: はしもとみお 本多絵美子 新井達矢 宮本裕太 
ものがたり: 竹内真
音楽:ポチとolive
映像:渡邊春菜

2013年3月16日(sat)~3月24日(sun) (19日火曜日休) 
場所 えほんの家MURMUR
入館料:500円お飲み物付き(未就学児は無料)
open10:00~17:00
火曜、水曜定休(20日祝日は開館)
電話0287-69-6535
メールアドレス info@murmur-museum.com
えほんの家MURMURサイト http://www.murmur-museum.com/
住所:〒325-0303 栃木県那須郡那須町 大字 高久乙 字 伊藤台1439-108(繭の里内)駐車場あり

3/1~先行展示 「ものがたりのアンテナ」彫刻 はしもとみお 文 竹内真

彫刻家はしもとみおと、彫刻の仲間たちが心を込めて作った、たくさんの木彫りのリアルな生き物たち大小約50点が、森の中のえほんの家MURMURにならびます。
ゆっくりとしたお時間を過ごしていただくため、今回は特別企画として、小説家竹内真による、ものがたりとともに、はしもとみおの動き出しそうな動物の彫刻たちが、

みなさまを彫刻絵本の世界へご招待します。
また、会場では生演奏の音楽や、ものがたりの朗読なども、イベントで行います。
那須で、ひとときの芸術と絵本にふれる、ゆったりとした空気と彫刻を、お楽しみに、ぜひいらしてくださいね。
近隣には、宿泊施設(繭の里:お問い合わせhttp://www.mayunosato.com/)もございますので、小さな旅行気分で、いらしていただくのもうれしいです。

特別企画

その1

「ポチの森のえほんと音楽会」
絵本「神様のないた日」読み聞かせイベント&ポチライブ
動物の気持ちを歌う、ポチとoliveを迎え、渡邊春菜の演出のもと、はしもとみおの絵本「神様のないた日」の読聞かせ会と、森の動物たちの気持ちをうたった音楽ライブを行います。
23日(sat) 24日(sun)  16:30~17:00(投げ銭制なのでお気軽にご参加ください)

その2

はしもとみおの木彫りワークショップin MURMUR

ゆったりと時間を取って、晴れたらお外で、雨ならお部屋で、あなたの好きな動物を木彫りで一から作ってみましょう!


3月23日(sun) 13:00~16:00  講座料3000円 定員8~10名


持ち物:好きな動物の写真、資料。絆創膏(怪我をしてしまった時のため)ペン(スケッチしたりするため)持っていれば、彫刻刀。汚れてもいい服装、エプロン。
お問い合わせ:hashimotomio@gmail.com
# by m_kirin30 | 2013-03-17 23:02 | 展示 | Trackback | Comments(2)

難しいこと

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難しいことはたくさんあります。
完成させるということを、急ぎすぎると彫刻はみるみる固まっていき、身動きが取れなくなります。
完成、ということに縛られ、一歩も動けなくなって、恐怖で間違った形も壊せなくなるからです。
それなのに、時間というのは残酷で、いつまでも作っていい作品なんて無くて、社会と関わって、仕事として彫刻をやって行く以上は、決められた時間内で最善の完成を持って行かねばなりません。

作品を、決められた時間内に完成させる、これは、美術の中で一番大切な社会との約束で、
それなのに、こんな基本的な約束すら、美術家にとっては最大にして最強の難問でもあります。

完成させねばならないけれども、完成にとらわれない、最後の一秒まで最善の判断と決断をし、どんなに積み上げてきたものでも必要ないと思ったら捨てる、完成には、おおきな勇気と判断力が必要となります。

心を自由に、感覚を素材に預け、思い切って遊んだり回り道をしなければいいものはつくれません、
また、自由の中にも最大の注意を持って、常に生死をさまよう緊張感を持っていないと、ただの遊びで終わってしまいます。その常に持ち合わせた緊張感こそが実力で、そこが作品の勝敗を決する部分でもあります。

上手くいった、というのは、運がよかっただけで、運に頼るととたんに、運は逃げ去って行きます。
ほんとうの実力とは、作品の中で起こった事故を、解決する能力のことを、言うのかもしれません。
上手くやろうとせず、トラブルをむしろ求めるくらいの気持ちで、気流をどう扱って、どう解決、修正して行くかに、努力の差が、あらわれてくるのでしょう。
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私はいつも、美術のことを人に教えたり伝えたりする時、伝えたいことがあります。
それは、努力は作品の外でやる、ということです。

学生さんであったら、授業で提出する作品は、作品なので、普段の努力を出す、発表の場なので、
授業外でどれほど失敗と、修正と、自分の強化ができるかが、大切な時間になってくるでしょう。
作品のなかだけにそれを求めていると、大きな失敗と、時間をかけた修正ができなくなってしまいます。
私たちだったら、仕事は作品です。
仕事以外の時間で、ドローイングや彫刻、思考、あらゆる失敗と修正、それをクリアしておく必要があって、それが、個人の努力というものなのでしょう。


美術において、努力はセンスを生みます。
センスがない=美術に向いていない、と悲観することは全くなくて、
むしろ、センスの無い人が、努力して勝ち取ったものが、いいセンスなのであって、
生まれつきや環境の差なんて、膨大なのちの努力に比べたら、微々たるものでしょう。


言葉では簡単に言えても、簡単なことが一番難しく、今なお勉強のさなかにいます。
それでも私は、自分が美術に出会って、すべてが変わって、美術から教えてもらった幾千の真実を、
ひとつひとつ彫刻に刻んで、伝えて行けたらいいなと思っています。

来年に大きな個展が1つあるので、そちらに向けた制作を、今年は丸ごと費やして作って行こうと思っています。

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今年も、素敵な場所で、ワークショップや展示会をさせていただけることになりました。

ミュシカ分室
サタデッサン教室

2013年2月23日(土)  「ゆれる木馬を作ろう」の会
2013年2月24日(日)  「 ペン画で好きな動物を描いてみよう」の会

ご予約先: ミュシカ  お電話またはメールにて
TEL: 052-737-8601 / CONTACTページ お名前、ご連絡先、参加希望日時、人数をお知らせください。




栃木県、那須高原のえほんの家MURMURさん
チルチンびと広場
那須高原ガイド
こちらは那須高原の素敵な場所で、ワークショップやえほんの読聞かせイベント等させていただきます。ぜひ、旅行気分であそびにきてくださいね。


5月には東京でワークショップもあります。そちらもまたアップしますね。
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# by m_kirin30 | 2013-02-15 20:19 | 日常 | Trackback | Comments(0)