難しいこと

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難しいことはたくさんあります。
完成させるということを、急ぎすぎると彫刻はみるみる固まっていき、身動きが取れなくなります。
完成、ということに縛られ、一歩も動けなくなって、恐怖で間違った形も壊せなくなるからです。
それなのに、時間というのは残酷で、いつまでも作っていい作品なんて無くて、社会と関わって、仕事として彫刻をやって行く以上は、決められた時間内で最善の完成を持って行かねばなりません。

作品を、決められた時間内に完成させる、これは、美術の中で一番大切な社会との約束で、
それなのに、こんな基本的な約束すら、美術家にとっては最大にして最強の難問でもあります。

完成させねばならないけれども、完成にとらわれない、最後の一秒まで最善の判断と決断をし、どんなに積み上げてきたものでも必要ないと思ったら捨てる、完成には、おおきな勇気と判断力が必要となります。

心を自由に、感覚を素材に預け、思い切って遊んだり回り道をしなければいいものはつくれません、
また、自由の中にも最大の注意を持って、常に生死をさまよう緊張感を持っていないと、ただの遊びで終わってしまいます。その常に持ち合わせた緊張感こそが実力で、そこが作品の勝敗を決する部分でもあります。

上手くいった、というのは、運がよかっただけで、運に頼るととたんに、運は逃げ去って行きます。
ほんとうの実力とは、作品の中で起こった事故を、解決する能力のことを、言うのかもしれません。
上手くやろうとせず、トラブルをむしろ求めるくらいの気持ちで、気流をどう扱って、どう解決、修正して行くかに、努力の差が、あらわれてくるのでしょう。
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私はいつも、美術のことを人に教えたり伝えたりする時、伝えたいことがあります。
それは、努力は作品の外でやる、ということです。

学生さんであったら、授業で提出する作品は、作品なので、普段の努力を出す、発表の場なので、
授業外でどれほど失敗と、修正と、自分の強化ができるかが、大切な時間になってくるでしょう。
作品のなかだけにそれを求めていると、大きな失敗と、時間をかけた修正ができなくなってしまいます。
私たちだったら、仕事は作品です。
仕事以外の時間で、ドローイングや彫刻、思考、あらゆる失敗と修正、それをクリアしておく必要があって、それが、個人の努力というものなのでしょう。


美術において、努力はセンスを生みます。
センスがない=美術に向いていない、と悲観することは全くなくて、
むしろ、センスの無い人が、努力して勝ち取ったものが、いいセンスなのであって、
生まれつきや環境の差なんて、膨大なのちの努力に比べたら、微々たるものでしょう。


言葉では簡単に言えても、簡単なことが一番難しく、今なお勉強のさなかにいます。
それでも私は、自分が美術に出会って、すべてが変わって、美術から教えてもらった幾千の真実を、
ひとつひとつ彫刻に刻んで、伝えて行けたらいいなと思っています。

来年に大きな個展が1つあるので、そちらに向けた制作を、今年は丸ごと費やして作って行こうと思っています。

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今年も、素敵な場所で、ワークショップや展示会をさせていただけることになりました。

ミュシカ分室
サタデッサン教室

2013年2月23日(土)  「ゆれる木馬を作ろう」の会
2013年2月24日(日)  「 ペン画で好きな動物を描いてみよう」の会

ご予約先: ミュシカ  お電話またはメールにて
TEL: 052-737-8601 / CONTACTページ お名前、ご連絡先、参加希望日時、人数をお知らせください。




栃木県、那須高原のえほんの家MURMURさん
チルチンびと広場
那須高原ガイド
こちらは那須高原の素敵な場所で、ワークショップやえほんの読聞かせイベント等させていただきます。ぜひ、旅行気分であそびにきてくださいね。


5月には東京でワークショップもあります。そちらもまたアップしますね。
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# by m_kirin30 | 2013-02-15 20:19 | 日常 | Trackback | Comments(0)

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好きな事はとことんのめり込み、嫌いな事はいっさいやりたくない、興味を持った事に大きく偏った私の青年期は、ひねくれ曲がった木のように、たくさんの人に迷惑をかけ、自分も傷だらけになりながら、生き物の研究や、音楽や、演劇や、興味がある事はあれもこれも中途半端にやってきました。

美術の世界に飛び込んで、それはまさに、かなづちが大海に飛び込むようなもので、
死ぬか生きるかの瀬戸際を数年、ようやく普通に浮けるようになって数年、という無謀な挑戦から始まり、今年で15年目になります。

彫刻、というものに、若い頃から出会えたのが、私の人生でいちばんの幸福でした。
彫刻は、私が一番逃げ出したいと思っている問題をすべて直面させてくれるもので、
彫刻のおかげで、何でもできるようになりました、いやなことでも、苦手な事でも。
今までは逃れられた問題も、彫刻だけは、私を逃がしてはくれませんでした。
そして、彫刻だけは、中途半端で終わる事を、私に許してはくれませんでした。

それはきっと、何か1つの事をつきつめていけば、かならず突き当たる部分であり、
そこでやめるか、つづけるか、その先を見に行くか、もどるか、
それを繰り返して、あとは前人未到のケモノ道を、進んで行くしか無いのでしょう。
それでも進みたい、と思える事が、天職だったのだと、思っています。
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彫刻が大好きなので、彫刻に見捨てられたら終わりだと私は思っていて、
彫刻をやめる時は、はしもとみおという人間をやめる時だとも、いつも思っています。

自分の仕事が完全に形に残って行く、彫刻と出会って、厳しさと、その厳しさを表現するにはそれに対応したやわらかさがないといけないという事、
できるだけおおきな器となって、たくさんの感覚をうけ、そのなかで何を捨てて行くかが、彫刻の大事な決断であるという事、

たくさんのことを彫刻から学んだ中で、いちばんの事は、
信じる、ということに、つきると思います。
自分を信じることは、自信、なのですが、これと自己満足の境目がとても難しく、
一歩間違うととたんに一番悪い状況にもなってしまう、とても危険なものですが、
ほんとうに大切な事は、それくらい危ういもののようにも思います。

自分を、自分のいる世界を、未来を完全に信用する事は、とても難しい事です。
なんとかなる、というあいまいなものでは決してなく、確固たる自信を持たなければ、未来のためへの具体的な努力ができません。
未来を完全に信用する事は、ちゃんと疑った上で、この道の選択でよしとする、というとても気力のいる、疲れる事です、そしてその力が少ないと、努力をする、つづける、という力が失われて行きます。
時の流れ、世界の流れの中でも、濁流の中でその針を、ぶらすことなく一定に保つ力、
方向を見失わず、目先の流れに右往左往せず、目的地へ進む、そんな力は、
自分の指針と、世界の理を、完全に信用していなければ、生まれてくるものではありません。

継続して努力するという事は、一番の答えでもあり、努力こそが、自由へと自分を導いてくれる。
その一番根っこになる力は、この世界を、自分を、信用する、ということなのでしょう。
信用すれば、間違っていたらきっちりと裏切られる。
それを学んで、また新しいものを信用して、また間違う。
同じ間違いを二度としない事だけ、学習して、
世界をあきらめずに、信用し続ける力こそが、宝物のように、そう思っています。

間違った分だけ、信じる力も、身に付いてくる。
デッサンが、まずモチーフを100%信用する事から、始まるように、
この世界を信用する事ができた私は、ようやくスタート地点に、たてたのかもしれません。
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今年は制作に没頭しようと思っています、立ち止まって、蓄える、そんな時期なのかもしれません、
今年も、よろしくお願いします。

次回展示会&ワークショップはこちらです。
春休みの小旅行に、那須高原にぜひ、遊びに来てくださいね!
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いきものたちの、ものがたり 展

木彫りの仲間たち: はしもとみお 本多絵美子 新井達矢 宮本裕太 
ものがたり: 竹内真
音楽:ポチとolive
映像:渡邊春菜

2013年3月16日(sat)~3月24日(sun) (19日火曜日休) 
場所 えほんの家MURMUR
入館料:500円お飲み物付き(未就学児は無料)
open10:00~17:00
火曜、水曜定休(20日祝日は開館)
電話0287-69-6535
メールアドレス info@murmur-museum.com
えほんの家MURMURサイト
住所:〒325-0303 栃木県那須郡那須町 大字 高久乙 字 伊藤台1439-108(繭の里内)駐車場あり

3/1~先行展示 「ものがたりのアンテナ」彫刻 はしもとみお 文 竹内真

彫刻家はしもとみおと、彫刻の仲間たちが心を込めて作った、たくさんの木彫りのリアルな生き物たち大小約50点が、森の中のえほんの家MURMURにならびます。
ゆっくりとしたお時間を過ごしていただくため、今回は特別企画として、小説家竹内真による、ものがたりとともに、はしもとみおの動き出しそうな動物の彫刻たちが、

みなさまを彫刻絵本の世界へご招待します。
また、会場では生演奏の音楽や、ものがたりの朗読なども、イベントで行います。
那須で、ひとときの芸術と絵本にふれる、ゆったりとした空気と彫刻を、お楽しみに、ぜひいらしてくださいね。
近隣には、宿泊施設(繭の里:お問い合わせhttp://www.mayunosato.com/)もございますので、小さな旅行気分で、いらしていただくのもうれしいです。

特別企画

その1

「ポチの森のえほんと音楽会」
絵本「神様のないた日」読み聞かせイベント&ポチライブ
動物の気持ちを歌う、ポチとoliveを迎え、渡邊春菜の演出のもと、はしもとみおの絵本「神様のないた日」の読聞かせ会と、森の動物たちの気持ちをうたった音楽ライブを行います。
3月16日(sat) 17日(sun) 23日(sat) 24日(sun)  16:30~17:00(投げ銭制なのでお気軽にご参加ください)

その2

はしもとみおの木彫りワークショップin MURMUR

ゆったりと時間を取って、晴れたらお外で、雨ならお部屋で、あなたの好きな動物を木彫りで一から作ってみましょう!

3月16日(sat)、23日(sun) 13:00~16:00  講座料3000円 定員8~10名
持ち物:好きな動物の写真、資料。絆創膏(怪我をしてしまった時のため)ペン(スケッチしたりするため)持っていれば、彫刻刀。汚れてもいい服装、エプロン。


お問い合わせ:hashimotomio@gmail.com
# by m_kirin30 | 2013-01-13 21:51 | Trackback | Comments(2)

ひろがる

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美術の世界にだけ住んでいた、外に出るのが苦手な私を、たくさんの広い世界に、出会う新しい仕事が連れ出してくれています。
作ることは得意で、後はほとんど苦手で、
ほんとうに自分の血と汗を注いで作った彫刻も、作り終わった後、どのように人に見てもらおうか、見せて行けばいいか、そこまで頭が回らず、いつも作りっぱなし。
それでも、こんな私に色んな方が声をかけてくださって、たくさんの会場で展示する機会をいただき、なんとか一人で、仕事を立ち上げるまでに、至りました。

いまでは仕事がようやく足で立って歩き、私の知らない世界や、行かなかった場所、たくさんのところへ、私を連れてってくれて、私は新しいものの見方や、感動を、日々もらっています。

世界がひろがる、というよく使われる言葉がありますが、
あれはどこか旅行に行ったりそんなときに使うための言葉ではなくて、
同じ地点に立っているのに、さっきまでとはまるで違う、ひろい視野でものごとの真実が見える瞬間のことを、言うのだと、そう思います。

7年前にいた東京と、同じ土地に立ったはずなのに、明らかに違う、それは、
一人で世界中と戦っているような気分だった臆病で自分本位な私がもういなくて、
代わりに、たくさんの強い味方を手に入れて、喜んでもらうために世界にできることをしたいという自分がいて、それはそれは、世界が何倍にも、ひろがったものの見方が、できるようになったんだと思います。

ひろがる瞬間は、いつもだれかの、ものの見方を理解できた時です。
自分の大好きな人が、好きだという音楽や、絵が、自分にもわかった時の喜び。
それととても近くて、
自分は持っていなかった感覚を持っている人に出会い、その人が真剣に心を込めてやっていることが、自分にはできなくても、わかる、その時の、喜びの発見と感動です。

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今展示中の代官山アドレスディセの、「動物たちと過ごすクリスマス」、前回の大阪ボダイジュエキスポの展示、どちらもコーディネートを行ってくださったのが、名古屋の北欧アンティークのお店、ミュシカさん店主の2人でした。

私はものを作ることに、ミュシカさんはものの美しさを発見することと飾ることに、とてもこだわりを持っていて、私は自分の彫刻を、彼らとであって何倍にも引き立ててくれる空間が作れるということに気づき、美術の神様がくれた素敵な出会いに、とても感謝しています。
私は彫刻を提供させていただいただけで、飾り付けやコーディネート、空間デザインはすべてミュシカさんが行ってくださいました。

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今回のディスプレイも、夜遅くまで、泊まらせてもらうお家で、雪の結晶を暗いお部屋の中、作り続けるミュシカさんを見て、なんだかうれしくて申し訳なくて、でもこうやって大人になって、仕事で雪の結晶を作れる楽しさに、疲れも吹き飛んでしまいました。

最後の瞬間の、リボンの少しの向きや、布の少しのしわまで、何度も何度も、直し続けてくださって、
私は、そのとき、たしかに世界の見方が、ひろがるのを感じました。

みんなそれぞれ、性格も個性も違って、目に留まるところや、美しいと思う物事が、許せないことが、すこしづつ違う。
その「違い」が、見えないところを補い、できないことを支えあって、いいもの作りができるのだと、そう思います。

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代官山アドレスディセ 12月1日〜25日まで

「動物たちと過ごすクリスマス」

 はしもとみお×ミュシカ

■動物たちと過ごすクリスマス
日 時:12月1日(土)~25日(火) 内 容:彫刻家はしもとみおと北欧アンティークショップ「ミュシカ」コラボによる、今にも動き出し そうな木彫りの動物たちが館内を彩ります。
会 場:代官山アドレス・ディセ2階吹抜け特設会場
(協力:Myshica)

■動物の木彫りワークショップ 日 時:12月22日(土)・23日(日) 13:00~15:30/ 16:30~19:00 内 容:彫刻家はしもとみおによる動物の木彫りワークショップ。 会 場:代官山アドレス・ディセ2階吹抜け特設会場 制作作品:「くまのブランコモビール」(12/22)「トナカイに乗ったサンタさん」(12/23)

■動物の似顔絵(水彩画)イベント
日 時:12月24日(日) 13:00~15:30/ 16:30~19:00 内 容:彫刻家はしもとみおがお客様のお顔を動物に見立てて似顔絵を描きます。

会 場:代官山アドレス・ディセ2階吹抜け特設会場

   ディセのワークショップ ≪各ワークショップ共通≫
   ・会 場: 代官山アドレス・ディセ内 2F吹抜け
   ・参加費: 開場1時間前にチケット(1,000円)を販売
          ※参加者様にはディセお買物券1,000円分を進呈


ぜひ遊びにきてくださいね!



# by m_kirin30 | 2012-12-03 22:48 | 展示 | Trackback | Comments(2)

リアル

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現実は厳しい、という言葉をよく目にしますが、私は現実ほど好きなものはありません。
つらいことや苦しいこと、厳しいことももちろんありますが、そちらに注目すると、世界は苦ばかり、影の部分、苦しいことには人は敏感ですが、
人は幸福に対する感覚はいつも鈍い、そう思っています。
自分はしあわせだ、と言うことにはとても、勇気と体力がいる気がします。それを聞くのも、また。
ちょうど、絵を描いていても、影ばかりはよく追えるのに、光の部分を描くのはとても難しいように。


美術をはじめて、めのまえのすべてが、うつくしいものだと気がついたことが、一生を大きく変える出来事でした。
嫌いなものの中にも、うつくしさがあって、それこそ、もう名前がつく前の、そのもののうつくしさそのもの、というような。
なにげなしにふんでいた雑草、名前もない風景、ただの今日の空、使い古した道具たち、道ばたのカラス、そのすべてが、「絵になる」「彫刻になる」、ということは、美術から教えてもらいました。
どんなものにも、それなりの美しさがある、そんなこと、あらゆるものを描いてみないと、普通に生きてきた私にはとうていわからないことでした。

なんというか、少し恥ずかしいのですが、
私はこの世界がとても好きで、好きな現実の景色をそのまままるごと残したい思いから彫刻をはじめました。
そしたら現実の中に今まで描いていた夢も、無限の自由も見つかると、ある時思って、それからまたとても、楽しくなりました。
自分がみつけた大好きな生き物たちの瞬間、それを、ほかのだれかに、好きな人たちに、まだ見ぬ友達に、そのまま伝えたい、
彫刻は、立体になった手紙のようなものでもあり、レポートのようなものでもあり、たくさんの言葉や、音や、手触り、温度、目だけでは感じられないあらゆることをつめこんで、作っています。

この世界の、光の部分も、影の世界もどちらも好きです。どちらも美しく、互いを引き立てる、そういうもののように思えるのは、ようやく大人になってきたのかも、しれません。それか、子供にもどったのか。

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リアルを追いもとめることは、飽くことはありません。
宇宙人がいつか現れて、彫刻をみせて、ほらこんなに地球は美しいと、見たりさわったり、そんなことが共感できるか分かりませんが、
地球に住んでいる人や生き物たちなら、きっと分かってくれる、そんな気がしています。
今年も残りすこし、大好きな現実を、1つ多くでも、のこしていけたらと思います。

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最近は子供たちに彫刻をさわってもらったり、いろいろ楽しい時間も過ごせました。

次回展示は、大阪、東京と続きます。
まずは大阪、
BODAIJU EXPOに参加させていただきます。

友人が特設サイトもつくってくれました。

11月24、25日、大阪近郊の方はぜひあそびにいらしてくださいね!
たくさんの持ち帰ることのできる彫刻たちもご用意しています。
今回は、仲良しのお店、ミュシカさんがコーディネートも行ってくださいます、
きっと、素敵になる予感です!


12月1日〜25日は、代官山アドレスディセで展示&ワークショップです。
こちらはショッピングモールを彩るクリスマス特設展示で、こちらもミュシカさんがひきつづきコーディネートしていただきます、
飾ることが苦手な私も、つよい味方を手に入れて、こころは大はしゃぎです。
こちらはまた告知しますね。
# by m_kirin30 | 2012-11-07 19:50 | 日常 | Trackback | Comments(0)

上手く描こうとするな

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上手く描きたい、正しく描きたい、そう思うのは当たり前で、絵をはじめてしばらくは、がむしゃらに自分の思う、「上手さ」探しでもあります。

上手さ、正しさを求めれば求めるほど、最後の最後に技術の鍛錬では超えられない、不思議なかべが、たちはだかります、この壁は、なんであるのか、
それは、いままで見たことのなかった、自分なのかもしれません。
自分というジャッジはおそろしいものです、
どこまでも甘くもあれば、どこまでもだまし、だまされる、
自分が本当に描きたかった世界と、今の自分の絵とのギャップがうめられず、
そのかべのまえで、足踏みして一生を終えられれば、どれほど楽かと思ったりもします。

そのかべをのぼるには、捨てなければいけない知識や技術のたくさんの荷物、たくさんの頭につまった重い既成概念、
今までしてきたことを疑うほどに、その挑戦は過酷で残酷ですが、
挑戦すること、そのものにだけある、あたらしいうつくしさ、おもしろさ、みたことのない美が、
かくしきれないようにこぼれ出てくる、そんなものが、ようやく、個性なのかもしれません。

その、手に入れたあらゆる技術を、選んで捨ててゆく、
その中に、その人らしさが、現れるのかもしれません。
持っているものより、捨てていくものに個性があらわれるような。

私は絵があるていど描ける、作れるようになったとあさはかに思っていて、そんな自分に、自分が出したジャッジメントは、
「上手く描こうとするな」
という、今まで自分に課してきた訓練と相対するものでした。

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私は最後の最後で一番欲しかった技術は、「完全に自由に描く」とうものでした。
マニュアルや技法、経験値、つまりは時間にとらわれず、モチーフと純粋にその瞬間めぐりあっていく、そんなかたちとかたちの出会いの物語、
それこそが、自分のつくっていきたい、美術だったのでした。

上手く描こうとすればするほど、私は理想から遠ざかる、そんな心地がして、
本当のデッサン力とは、いつでも自分の感覚から飛び、そして戻ってこられる、
自由をコントロールする能力なのだと、勝手に思っています。

後に、どの時代も、美術と真剣に相対した、そう思えるように、
真剣に大声で鳴く、庭の虫をみて、のこりの今年をせいいっぱい、ちかいました。

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# by m_kirin30 | 2012-10-12 09:37 | Trackback | Comments(7)

あずける

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じぶんひとりで戦ってきた、積みあげてきた、とおもいたくても、ひとの力なくしてはだれも何もできず、芸術の世界なんてさらには、社会が健康である事や、見る人、聞く人、ふれる人がいてくれること
なしには、つくってもチリにおなじです。


つくるのは得意で好きですが、あとのことはほとんど苦手でできません。

それでも「飾る」ことが得意な人に出会ったり、
「伝える」ことが得意な人に出会ったり、
「届ける」ことが得意な人に出会ったり、
それらのたくさんの仕事をつうじた仲間の力をかりて、
いままでなんとか仕事を続けてこられました。

困難なときほど、その目の前の困難とだけひとりで戦ってすべてを見失わないように、
頼れるものは頼り、できないことは相談したりお願いしたり、
世界に感覚をあずけるような気持ちで、仕事をつづけています。
あずける、という感覚は、この世界を信用する、ということと近いんだと感じます。
いいことも、わるいことも、自分にとっては必要な要素だと全力で信じることができたら、
困難は、もう困難ではなくむしろ必要なスパイスになってきたりします。

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ふときがついたのは、

その時々のトラブルも、思い通りに行かないことも、すべてを信用してアドリブでいいものに変えていく技術がもてたら、それは無敵だ、ということ。
強いという無敵じゃなく、すべての素材が味方という意味での敵なし。
そうでありたい、とおもいます。
そもそもが、素材も条件も環境も、はじめから敵対しようとはしていないのだなということ。
あらゆる環境も逆境もただの舞台で、すべてが面白くするための演出なのかもしれなくて、
美を引き立たせるためのノイズなのかもしれない、ということ。

うつくしい、は、うつくしいを汚す要素があることで、はじめてうつくしさを感じることができます。
わたしはむしろ、その汚れやノイズのほうを、信用しています。
敵対してくるとみえる人や環境のほうを、むしろそれが世界のリアルであると感じることができたら、
世界はまだまだ広く、
まだ見ぬ困難や苦しみももっとリアルを知るための要素だと、感じることができます。
リアルの極限には、みたことのない美が待っている、
それをたのしみに今は、制作をつづけています。

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このかわいい写真たちは、「飾る」ことの得意な、ミュシカさんが作って撮ってくれました。
自分の彫刻を生かしてくれるのは、いつも見る側のひとたちです。
私は、世界に愛されるものをつくることだけに集中し、つくりつづけていこう、と思っています。

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# by m_kirin30 | 2012-09-05 09:50 | 日常 | Trackback | Comments(10)

ことば

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一冊の本が、人生を変える事があります。
私は19才のときに一冊の本に出会って、その後の生き方がおおきく変化しました。
美術の世界に来たはいいものの、何を自分の原点にしていけばいいか分からなかった私に、予備校の先生方がいい本だよ〜とおしえてくれたのが、この本です。

「ジャコメッティとともに」 矢内原伊作

最初に彫刻家ジャコメッティから矢内原にあてた手紙、
それは、この長い長いジャコメッティと矢内原のパリでの格闘の日々のあとに書かれたものでした。

「あの時私は生涯で初めて一本の線もひけなくなり、自分の画布を前にして何をすることもできずに座っていた。君のおかげで私はあの地点に到達したのであり、私はあそこへ到達する事が絶対に必要だったのだ
われわれは、われわれの仕事をつづけるだろう、われわれの肖像を互いに描きあうというわれわれの仕事を。
そしてわれわれは少し先へと進むだろう。終わりない道を少し先へと。」

この時点では、これらの言葉の重みが、リアリティがまだ分からない。
だけどこのあと、矢内原がパリでジャコメッティのモデルをしていたときの膨大なリアルな手記により、その真実が明かされていきます。
ジャコメッティはデッサンで、矢内原は手記で、その真実の記録を互いに残しあおうとした、そのうつくしくリアルな日々、これこそが、わたしの探していた、真にリアルな日々なのでした。

現在、この「ジャコメッティとともに」は手に入りにくく、そのすべてを読むのはおおきな図書館でしか困難ですが、後日発売されなおした「ジャコメッティ」には、真実の核心部分が削除されてしまっています。
わたしは、ジャコメッティと矢内原の真実は、「ジャコメッティとともに」のこの本でしか、理解できないと感じています。この本を行きつけの天牛書店(大阪)で見つけたときは心がふるえ、高額でしたがすぐ買いました。
どれほどのお金よりも、たいせつな、私のなかの一冊の本です。


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「巨岩と花びら」舟越保武

それから、彫刻の世界に興味を持った私は、先輩が読んでいたこの本を買い、心が彫刻のほうへ、またおおきく動き始めました。
「ジャコメッティとともに」を読んでこころがうごき、「巨岩と花びら」を読んで心が固まった、そんな感じでした。

彫刻家、舟越保武先生の日々のかなしくも美しいリアルな手記、そのどれもの暮らしが、純粋でまっすぐで、あたたかい、彫刻家って、なんてすてきな人たちなんだ、と感じました。
「自分が真剣に作ったものを、あなたが真剣に見てくれている、それが何よりすばらしいこと」
彫刻の原点のたくさんつまった、本当に美しい日本語の、一冊の手記です。
美術を目指すすべての人たちに読んでほしい一冊です。
この本を私は常に数冊買っておいて、後輩たちにプレゼントしては、また買いました。
私のせいでか、現在は在庫がほとんどなくなり、手に入りにくいようで、少し心苦しいです。(おそらくは全く関係ないでしょうが)

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「蝶が飛ぶ 葉っぱが飛ぶ」河井寛次郎

河井寛次郎さんの本はすべて読みました。
ものづくりのよろこび、仕事のよろこび、いのちが生まれるよろこび、
よろこびの言葉でうめつくされているこの本は、わたしの最も好きな、日本民芸運動がさかんだった頃の寛次郎さんの言葉たちです。
わたしはもう一度、日本民芸運動旋風をまきおこしたいという夢があります。
「有名は無名に勝てない」常に謙虚で真摯に、時に科学者のようにクールに、現実を語る、たぐいまれな一冊です。

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「バベットの晩餐会」

この本はとてもみじかく、すぐ読み終わるのですが、映画にもなっている原作です。
だけど短いストーリーの中でも重く鋭い一節一節が、芸術の核心を突いているような気がして、
暗記するまで読んだものです。

「次善のものに甘んじて満足せよと言われるのは、芸術家にとって、過酷な事、耐えられぬ事です。
真の芸術家はいつも、自分に最善を尽くさせてほしい、というこの世に向けた悲願の叫びがあるのです。世界中で芸術家たちの心の叫びが聞こえます。わたし最高の仕事をさせてくれ、と。」

「ひとがあの世に持って行けるものは、この世で人に与えたものだけなんだって」

わたしはこれらの言葉をいつも、脳の中に宿して暮らすようにしています。

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あとはいろいろ、漫画も好きで読みますし、絵本も読みますし、本棚には動物関連書籍の他にも貧困旅行記や博物学の本、宇宙物理学の本など様々ですが、全般的には、ノンフィクションのものが多いです。わたしはきっと、この世の事実が、好きなのです。

今回は、すこし、お盆という事で、横道にそれた、大好きな本の紹介をさせていただきました。
次回からいつもの制作日記に戻ろうと思います。


8月29日に、タリーズコーヒー新宿コクーンタワー店でイベントがあります、
絵本「神様のないた日」の読み聞かせ&ライブイベントです、

ぜひ遊びにきてくださいね!
# by m_kirin30 | 2012-08-13 10:40 | | Trackback | Comments(2)

そだつ

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自分が立ち上げてきた彫刻家 はしもとみお、という仕事が、
自分とはまるで違う性格や姿で、生きている、と感じます。
仕事がいきもののように動いたり勝手に成長して、
自分が眠っている間にもそだっている時だってあります。

知らない人に会うのが苦手で、ワガママで自分勝手で、常識のない私が、木を彫る仕事のおかげで、どんな事でも進んでできるようになりました。
人にちゃんとあやまることも、責任をさいごまで取ることも、
人見知りなのに、仕事着を着ると(ツナギですが)知らない人と初めての彫刻設置などの仕事でも、しゃきっとがんばることができるようになりました。

木を彫って生きていけるなら、どんな仕事でもうれしい。
仕事が、自分を育て、自分が、仕事を育てる。

自分で一から立ち上げる仕事というのは、何かを育てる感覚と似ているのかもしれません。
木に水をやったり、犬にえさをあたえたりする、そんな成長を心から楽しみにする瞬間に、毎日であって、喜んだり哀しんだりしながら、仕事と暮らしています。

自分の仕事のこの先どういうふうに育って、どういう形になって行くのか、
それを支えていけるのは、自分しかいない、それが、作家業というものなのでしょう。

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ものづくりの仕事は、時間がすべての鍵です。たとえば時間をいくらかけてもいいなら、ほとんどの事が誰だってできること。 決められた時間と予算の中で、どれほどのいい仕事ができるかが、生きのこれるかどうかの要になっている、そのように思います。

それは、短いスパンの時間という意味ではなくて、ものによっては、
それこそ生きているうちに、一作でも最高傑作が生み出せれば、それだけで生きていけるということもあるでしょう。

環境はひとそれぞれですが、環境のせいにせず、環境はあってないものとする、
めぐまれていても、めぐまれていなくても、どこだって、
仕事を育てることの楽しさをおぼえたら、もう大丈夫、どこまでだって成長して行けるはずです。

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もちろん仕事には、自分がかくそうとしても現れてきます。

それなので、芸術家は、もっとたくさんいい思いをしないといけない、するために努力しないといけない、そう思います。
人より苦労もあっても、色んないい思いをすることで、人をいい思いにさせられるものが作れるから。

評価されないことにだけは、慣れてはいけないと、思います。
うまく稼げないことにも、決して慣れてはいけない、
くやしいとおもって、問題点を見つめ、いつも理想の形でものづくりができる暮らしをみすえていないと、仕事の成長は止まってしまいます。

大きく育てることが目標ではなく、ゆたかに、たくさんの実を付けて、鳥や動物たちがよってくるような、ほっとするような、
そんな一本の木のように、自分の仕事を、育てて行きたい、とおもっています。

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「ケモノたちの夏休み」 名古屋河合塾千種校 ギャラリーNAFで開催します

7/21(sat)~8/5(sun) 10:00~18:00

会期中は無休です。ご家族で、お友達と、はたまた一人でカメラ片手に、さわったり、思い出のスナップを撮ったり、会場で動物たちの絵を描いたり、自由に参加していただける彫刻の展示会です。

今回の写真は会場風景の写真です、受付ではシバちゃんがスタンバイしていますよ〜!
# by m_kirin30 | 2012-07-21 11:07 | 展示 | Trackback | Comments(12)

これから

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どんなものでも、使うことはとても楽で、作ることは手間ひまかかります。
その、つくる、と、つかう、の、バランスがこわれると、ものは失われて行きます。
一枚のお皿、木の机、一枚の絵。
たいせつに手のひらで作られたものも、いつかは壊れたりもしますが、たいせつなものほど、大事に使ったり、修理したりしながらいつまでもそのかたちが続くように、願われて守られていきます。

最近は、大量生産品が増え、失くしてもいいものが増えてきて、そのせいでか、ものをたいせつにする、使うことが、苦手になってきているような気がします。

すべてが使い捨てなら、よかったのですが、もちろんそんなことは許されません。
むしろ、そうやって後に残るものたちのことを考えず、今を使い尽くしてきたのが、ここ最近の私たちであり、日本なのでしょう。
これからのくらしを、真剣に考えないといけない世代の私たちは、成長期のこの国とは、大きく違った方向でものを使って行かなければならないし、
むしろ、失ったいいものや自然をこれからのために、つくってつくってつくりまくるしかない、そんな時期になっています。

色んな理由があって、色んな夢もあって、私も、この場所にいます。
大変なことがあっても、誰にだって日本で暮らしていきたい理由があり、日本で暮らさなければならない理由もあります。

日本の音楽や芸術、
すばらしい表現者の方々に、巡り会うといつでも、
この人たちの、表現する場を、守っていきたい、と思います。
音楽家がきもちよく音楽を続けられる場所を、
芸術家がのびのびと芸術を創作できる場を、
ものがうまれるところ、を、つくっていきたい、と心から思います。
芸術活動に過度な豊かさは必要ありません。
むしろ、文明を失って火と水だけになっても、つづけられるのが芸術で、
私たちの仕事は、感覚や心の、目に見えない部分の栄養を作り癒す、お医者さんのようなものです。

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使うことよりむしろ、作ることの方が私には楽しいです。
一つの土地で、制作を続けていこうと思うのも、一日でも地道に自分の仕事を進めよう、と思うのも、
今は、ひとつの彫刻家、という仕事を作っている最中なので、
きょろきょろせず、気をそらさず、無駄に手を広げず、
しっかりと、成長できる範囲で足場を作っていきたい、と思っているからです。

もし、興味のおもむくままに色んな物事に手を出し、
興味あることを使い捨て感覚でチャレンジしてはのりかえて
そのどれもが中途半端に終わってしまったら、
どれほど後悔するでしょう。

この仕事からだけは、離れない、そう決めて前へ、
またすこし、進んでいこう、と思っているこのごろです。

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お知らせはいろいろあり、

7月1日に、全国タリーズコーヒーさん店舗で、絵本「神様のないた日」が、再販していただけることになりました、ぜひ、タリーズコーヒーさんにおたちよりの際は、絵本を読んでみてくださいね。

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「ケモノたちの夏休み」 河合塾千種校 ギャラリーNAFで開催決定!

             7/21(sat)~8/5(sun) 10:00~18:00

             木彫りワークショップも同時開催!

会期中は無休です!ご家族で、お友達と、はたまた一人でカメラ片手に、さわったり、思い出のスナップを撮ったり、絵を描いたり、

自由に体験していただける彫刻の展示会が開催します。

場所は愛知県名古屋市、JR千種駅前の河合塾美術研究所付属の、NAFギャラリーです。

展示会&ワークショップもあります、おとな講座は定員になってしまいましたが、子ども講座はまだ申し込めますし、同伴参加もオーケーなので、ぜひ参加してみてくださいね!


7月16日には、PoPoyansさんツアーファイナル、「PoPoyanzoo」に、彫刻の移動動物園を開催します!かわいい音楽も聴けて、彫刻にもさわれる、楽しい企画です。


またくわしくはつぎの機会に書きますね!
# by m_kirin30 | 2012-07-02 02:11 | 日常 | Trackback | Comments(5)

できること

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昔は、できないだろうと思っていた毎日彫刻を彫って仕事をする環境、あきらめかけていた作家という仕事、想像さえできなかったことが、今は忙しくも充実しながら、実現しつつ暮らしていて、
よくよく考えると、なぜ、できないだろうと思っていたのか、今となっては考えることがあります。

あれはきっとできない、この仕事にはきっと就けない、
いろんな思いが頭をよぎり、小さい頃の夢をあきらめた経験は誰でもあることかもしれません。
野球選手にはなれない、宇宙飛行士にはなれない、歌手にはなれない、、
あこがれの職業ほど、あきらめてしまうのはなぜなのか、
よくよく考えると、
「なれる可能性」という面では、ほぼ100パーセントの確実で、何にでもなれるでしょう。
日本という国にいれば、ほぼなおさら、何にでもなれるでしょう。
もし何かしらの障害があり、その職業が事実難しかったとしても、確実にその職業のちかくにある仕事に、つける、そう思います。

天賦の才能、という話もありますが、
私は努力でできないことはないと思っています。
持っている「夢」を、持ち続けることができれば、その可能性はほぼ確実です。
なぜなら、夢の実現にむけて努力するということは、
冷静に自分の実力を判断し、無謀な夢は捨て、自分に可能なものを探し、弱点を強化して長所を最大限のばし、着実に階段をのぼっていく、
むしろ、夢を持ち続ける事こそが、何よりもつらく、険しく、精神力のいることなのでしょう。

そこで誰しも生まれ持った力の壁にぶちあたりますが、
自分にしか開けない突破口が必ずあり、なりたい職業の分野で、自分だけにしか戦えない手段が、きっと見つかります。それを見つけさえすれば、何になってなれるし、どこへだって行ける、そう思います。
自分、という鍵はこの世界に一つで、自分だけが開ける扉がある、という謎解きのようなものです。
長い長いロールプレイングゲームのようなもので、どんなに難しくても、時間を費やし努力すれば必ずクリアできると、そういうイメージです。

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では、その自分の「夢」を壊そうとする敵は、なんなのか
よくかんがえると、それば、「既成概念」というやつでした。
脳の中の、「限界フィルター」みたいなもので、
生きてきた経験、受けた忠告、世間の常識、社会の情勢などによって、
振り払おうとしても全く消えてくれない、「既成概念」の重くて分厚い壁が、私たちの夢を拒みます。

「あれは無理だからやめとけ」「そんなのなれる訳ない」「それでは食べていけない」
大人になるにつれてたくさんの現実を見た中で、世間一般にとって難しい事は、自分にとっても難しい、と、判断し、楽な方へ脳が指令を出します。
その、甘い指令に、ちいさく強くすこしづつ抵抗していく事が、きっと、「努力」というものなのでしょう。

「限界突破」の脳さえつくれれば、あとはかなり自由に進みます。
できない事はないので、あとはできるまで時間や努力を費やし続けるだけです。
その、惜しみない努力と時間、犠牲だけが、短い一生の中でどれぼど費やせるかに、かかっているのでしょう。
鈍感で、バカなほどに一つの事をつづければ、たいていの事は、可能になるような気がします。

とはいいながらも、自分もまだまだ限界を知ってはいなくて、
今なお、既成概念の壁と戦いながら、毎日、彫刻をしている暮らしです。


「数学の神は、その自分に払われた犠牲の分以上は、決して人に恩恵を与えない」
これは数学の世界の言葉だそうですが、
どの世界でも、そうなのかなと思います。

美術で生きていくというのもまた、多くの犠牲(という言葉が正しいのかはわかりませんが)を、
自分の暮らしから払わなければ行けないのもたしかです。
これから、どんな厳しいことがあっても、けして美術をやめない精神力を、
養うためにいま、基礎体力作りをしていこうと思っています。

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星ヶ丘洋裁学校での展示会もおわり、会場には本当にたくさんの方が足を運んで、彫刻をさわってたのしんでくださいました。
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今年はたくさんの展示会の機会をいただき、本当にうれしく思っていて、
動物たちも、すこしにやりと喜んでいるような気もします。

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次回展覧会は、名古屋市千種駅近くの、河合塾美術研究所付属の、NAFギャラリーです。

ケモノたちのなつやすみ 展 

2012年7月21日(土)〜8月5日(日)まで 会期中無休 10:00〜18:00

小さな動物たちの彫刻約300体ほか、大きな等身大の犬や猫、異国の動物、ガゼルやラクダなど、たくさんのさわれる木彫りの動物たちを展示します。
彫刻をさわったり、記念写真を撮ったり、絵を描いてみたり?!
お好きな楽しみ方で、展示会にあそびにきてくださいね。


今回も、同時開催で、木彫り教室をします!
河合塾での木彫り教室は、大きなアトリエで一日つかってすこし大きめの作品を作ります。
初めての方も、道具がなくてもすべて貸し出せるので、お気軽に参加してみてくださいね!

お申し込みはこちらから  0120-591-109 です。


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# by m_kirin30 | 2012-06-05 12:24 | 日常 | Trackback | Comments(0)