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原点


原点はどこか、考えてみると、小さい頃はお兄ちゃんと一緒にバイオリンをやったり、中高は演劇部で舞台にはまり、音楽をやったり、舞台をやったり、動物が好きなので獣医を志したり、それなりに充実していましたが、一番の原点は、それらのすべてが崩れ去ってしまうくらいにすべてを捨てて始めた、17歳のときに始めたデッサンの勉強でした。
自分は絵が得意なはず、おおよそ美術を志す人は、みんなそう思ってこの世界にやってきます。
学校では一番だった絵の力も、何の足しにもならないくらいのレベルの違いを目の当たりにして、愕然とします。
それで今まで持っていた変なプライドを捨てゼロになり、生まれ変わった感じで始めたのが美術人生の始まりだったように思います。
そして最初に「美術」というのを教えてくれたのが、現 象鯨美術学院の主任、西村先生でした。
先日先生のおさそいで象鯨美術学院に遊びに行ってきました。
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近所の人が続々見に来るのは、象鯨美術学院の壁画制作。
生徒たちが壁に、はたまた壁をはみ出して床に、思いのまま、しかし秩序を持って制作しています。また学院の大家さんも、近所の人たちも、それを嬉しそうに眺めていました。
久しぶりに、私の中で美術の原点を思い出しました。
ガチガチしていた頭の中と心の中にすっと気持ちのいい風が吹きました。
ここにはたくさんの人たちの理解と期待と、制作の喜びに満ちた美術の風景がありました。
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「美術は、自由が、いちばんいい」
これは、ここの大家さんがいってくれた言葉です。
これほどまでにシンプルで優しい言葉に、10年やっててようやく巡り会いました。
作品を見てくれる人たちは、私たちをいつも支えてくれているのです。
大家さんは隣に住んでいて、いつも学院に協力してくれています。
近所の人たちも自然に集まり、絵を嬉しそうに眺め、散歩の人や犬までもが立ち止まり、町なかの美術館が完成しました。

ああこれが、原点だ、と思いました。
美術はひとを喜ばせるためにあるもの。
完全に自由で、だけどあらゆる物の力を借りて成り立つものだ、と思いました。
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西村先生は、いつも私に言っていました。
「きれいに描こうとするな!お前のきれいなんてたいしたもんじゃない、もっとよく物を見ろ!」
「はみだせ!すすめ!ビビるな!」
この言葉を、美術をはじめて最初の頃に聞けた事が、私の美術への道を正しい方向へ向けてくれたんだと思います。

自然は、自分が思っているきれいでも、きたないでもない。
自分の理解を超えた、美であって、そこには、あらゆる要素が含まれています。
きれいだと思っていた色が、自然にとってはきれいでなく、汚いと思っていた色が、信じられない美を生むのが自然です。
人間としての既成概念を捨てれば捨てる程、天地自然の美は力を貸してくれます。

ただし表現するとき、周りの人たちから理解されない事が多いのも芸術です。
常識とは、一生戦って行かなければ行けません。
理解してくれる人たちがいてこそ、私たちは表現できる物なんだな、と見てくれる人たちに感謝の気持ちでいっぱいになりました。

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私は、象とひとを描きました。
この壁画は、神奈川県 元住吉駅から歩いて15分くらいの住宅地にあります。
生徒たちの自由で喜びあふれる素敵な絵を、機会があれば見に行ってみてくださいね!
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今回の東京近辺出張でもうひとつ、日記にしたい原点をみつけました。
ナマケモノですが興奮冷めやらぬうちにもうひとつ、近々記事をアップします!
by m_kirin30 | 2009-09-19 15:19 | すてきなところ
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