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美術のちから

長期取り組んでいた小児病院のカウンターに置く彫刻の仮設置を行ってきました。
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私は、4歳のとき心臓の病気で入院していたので、子供病院にはとてもお世話になりました。
生まれてから一番最初の記憶が、手術台だったというくらい、衝撃的な記憶ですが、それでも病院は楽しかった思い出があります。

神戸の須磨の子供病院は、図書室や駆け回って遊べる部屋もあって、お部屋にはいつも看護士さんたちの手作りの工作が置いてありました。

私は病室をぬいぐるみでいっぱいにしていました。
その頃から毛の生えた物が好きだったのかもしれません。

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先生も優しくて大好きでしたし、完治して以来、ありがたいことに、病院にほとんど行かない元気な大人に育ちました。

子供の気持ちを楽しくしてくれる病院は、どんなお薬よりも元気になれるのかもしれません。
なのでこの仕事は、過去の恩返しのような気持ちで取り組みました。

ひとときでも、心が楽しくなってくれたらいいなと思います。
この病院に携わったたくさんの方々の想いが、とっても伝わるすてきな場所でした。

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人を喜ばせたり楽しませたりするためにある美術。その根っこのところを見失い、自分のため、になるととたんに作品はだめになってしまいます。

けれど美術は大学に入るとき自分のためにだけ戦わないと行けません。
私は負けず嫌いのくせに、最後の最後で戦えませんでした。
勝ちたいのなら犠牲を出してでも勝たなければならない。
けれどよわい犬も好きだし、負け犬でもいいか、と思ってしまいました。

だけど今は、間違っていたなとおもいます。

私のために応援をしてくれる人たち、サポートしてくれる人たち、期待してくれていた先生や後輩たち、たくさんの人をがっかりさせてしまいました。
それは自分の事しか頭に無く、自分が負けてもいいや、誰にも迷惑はかけない、と思っていたからかもしれません。
本当は、私と関わってくれたすべての人たちのためにも、決して負けてはいけない勝負だったんだと思います。

誰かを喜ばせるために作る美術には、力が宿ります。
どんなに小さい彫刻にも、力が宿っていればそれは大事にしてもらえて、また誰かの力になり、つながって、とても大きなエネルギーの固まりのような物になります。

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美術は、自分一人の力でできる物じゃない。あらゆる物の力を借りて、だけど自分の手にすべてを集め、作って行く物なんだなとまた感じました。

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工芸は、私なんかが手を出してはいけない実用性、という物を考えると奥深い世界ですが、楽しめる彫刻カトラリーとして、一月に展示会をすることになりました。
実用性はまだまだですが、少しでも使い心地がいいものになるように日々改良しています。
おかしな彫刻のついたカトラリーに興味のある方は、ぜひ足を運んでみてくださいね!
by m_kirin30 | 2009-10-07 09:42 | 日常
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