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ひとつの才能

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マンボウは一度に二億もの卵を産むと言いますが、
私も、展示会がいつも終わると、制作意欲がわくというか、ものすごい数の彫刻を作りたくなります。

展示の前はいつも部屋中が動物だらけ、食卓もサファリパークのように恐ろしい状況になりますが、
展示会の後はなんだか、うちの動物密度がなくなってしまい、妙に落ち着きません。

そこで、段ボール箱一杯にとってある木っ端をとりだし、早朝から取り付かれたように小さな彫刻の粗取りをし、とにかくテーブルの上をこれから彫れる彫刻でいっぱいにします。

この、これから彫れる彫刻が無限に目の前にある状況が、私にとっては最高に幸せな時でもあります。

彫っても彫っても、まだある。
彫っても彫っても、彫りたい。

そうして一日がたち、右肩の限界が来るとバタッと動物のように眠る。
これが最高に幸せなのです。

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いつか、2畳分くらいのでっかいテーブルに、1000体以上の粗彫りの動物たちを並べて、

「こんなに作ってどうするん、、」と自分で自分にあきれながらも、
笑いながら制作をしてみたいな、と思います。
そうしておばあちゃんになって、
「よーけ、彫りすぎた〜!」
と、ばたっと倒れ、無数の動物たちに囲まれながら休みたいな、と思います。

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ひとつひとつの彫刻に、今日のドラマがあり、今日の思い出があり、同時期に生まれた作品は、一本の樹から生まれているので、兄弟でもあります。
みんなが旅立って行っても、寂しくないように、できるだけたくさんの動物たちの兄弟を作ってあげたいな、と思います。

ふと、実家で、自分のルーツを見つけました。
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あふれんばかりのぬいぐるみ、これは私のパパが描いた絵をママがぬいぐるみにするという我が家の儀式、今回は私が月君のぬいぐるみを作りたいと言ったばっかりに増えて増えて、深夜までかかり、朝起きてもすぐつくり、2日でこんな数になってしまいました!

私の、つきない制作意欲はどこからくるのか、両親を見ていて思いました。
ああ、遺伝子だ、と。
作るという事が無性に好きで、楽しくて、いくら作っても疲れない。
もしかしたら、このことだけが、私が神様からもらった唯一の才能だったのかもしれません。

名前もない、センスもない、お金もない、不器用で、常識のない、めんどくさがりやで片付けのできない生い立ちの私が、美術の世界にしがみついていられるのは、
この、作ることへの飽くなき魂、だけなのだな、と思いました。

ひとつの才能を磨くだけ磨けば、神は多くの才能を与える
という言葉があったので、
わたしはとにかく、生涯かけて、めっちゃつくるぞ!
と、
育った尼崎の町を歩いていて、心に決めました。

環境に恵まれていない人も子供達も、だから大丈夫です!
すきなことがあれば、とことんやって、
それを仕事にしてしまおう。
その仕事のためにめっちゃ努力をしよう。

わが町で育ったダウンタウンさんも、貧乏を笑いに変える事から今に至っていると言っていました。私も小学校時代はいじめられてるだけのよわっちい子供でした。
こんな町にだけ、与えられるひとつの才能もあるはずです。
美術を目指したい人たちへ、勇気を与えられるようなものが作りたいなと思いました。
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by m_kirin30 | 2010-02-21 21:53 | 日常
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