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旅する彫刻

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名古屋市新栄町にある、まちの縁側 MOMOさんでの展示会が始まりました。
新作リクガメちゃんを筆頭に、全国の動物園の仲間達が立ち並ぶ小さなサファリパークになりました。
始まったばかりにも関わらずすこしづつ作品を連れて帰ってくださり、皆さんのやさしさに、感動した犬のように震えて喜んでいます。

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今回は普段は山積みになって木屑をかぶっているスケッチも、飾らせて頂きました。
スケッチは、彫刻を作るために描くことが多いので、恐ろしい量がいつもたまって行きます。

白い紙と、絵の具と、コーヒーがあれば、おそらく何十時間でも耐久して描けるんじゃないかと思う程、絵を描く時間が好きです。
モチーフが目の前にあって、描く、デッサン的なものならなおさらです。

だけど描いた後の自分の絵にはあんまり興味がなく、自分で作った料理の味があまり分からないように、絵についてはどうやら作る行程だけが好きなようです。

今回飾らしてもらうのも、なんだかこっぱずかしいのですが、意外にも皆さんが喜んでくださっているので、ほっと一安心です。

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彫刻についてはまるで逆で、完成したリアルな存在が早く見たいために耐久して作ることが多いです。 行程も楽しいですがなにより存在が手に入った後のさわれる喜びの方が大きいです。

彫刻は、完成した後に、命になって一人歩きをして行くような感覚になる時があります。
皆さんが手に取って、気に入ってくださり、連れて帰ってくれるたび、
「ああ、あの子は新しい家族と暮らすんだ、いい人にもらわれて、よかったね〜!」
と、親心のような、不思議な感覚になります。

そうか!
かわいい子には旅をさせろ、とは
こういうことか!
と、思いました。

かわいいかわいいと、親が手元に置くことは、エゴでしかありません。
彫刻にだって、動物になったからには命があります。
動物なんだから、旅して当然。全国各地へ、好きな所へ行かせてあげるべきなんだ、と思います。
私は彫刻の動物たちを巣立たせてあげられるように里親探しをするのだ!
と、また新たな決意を固めました。

いつも、思います。
自分なんてどうだっていいけれど、
作った子達には、幸せになってもらいたい。
自分の作品、という感覚が私にはほとんどありません。
ひとつひとつの彫刻が、独立した性格を持つ新しい他者である感覚があります。
作っている途中でさえ、自分ではない何か大きな自然の力が、私に乗り移っているだけのような感覚になることがあります。
私だって地球の産物だから、ちいさな私が作った彫刻も、きっと地球の産物なのでしょう。
そんな大きな思いになれるとき、自分が一切なくなって、自分の手も、目も、脳も、地球の大自然の流れの一部になって命を吹き込める瞬間がやってきます。

いつか彫刻達が旅して、名のない彫刻が、人の心に残るといいな、と思います。
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名古屋市伏見にある商工会議所ビルの6階 会議所歯科さんの受付に寝そべる柴ちゃんの彫刻をただ今製作中で、だいぶ進みました。
春に完成するこの子は歯医者さんの受付で、たくさんの人の心をほっとさせてくれるといいな、とおもいます。
私も歯の検診に行くのが怖くて歯をほったらかしにしていましたが、この子に会いにこれからは定期検診に通おうかな、と思い、体にいい出会いに、とっても感謝の春です。
by m_kirin30 | 2010-04-08 20:03 | 展示
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