リアルジプシー

ついに二年間住んだ貸家を引っ越しました。
ジプシーさんを連れての引っ越し、自分も、ジプシーのようです。

貸家に住んで３回目。
一人暮らし歴ほぼ１０年の私は、引っ越しをこれで５回経験しています。
そのどれもが、不思議物件でした。

最初の物件は京都へ弟子入りしたときに、彫刻の先生のアトリエの倉庫に住みました。
鍵もなく、ムカデさんやクモ君が顔の横を歩き回っていましたが、虫がすきなのでにぎやかでおもしろかったです。２０歳の女子とは思えない暮らしでした。

次の物件は東京、八王子市のなぞの貸家。
黒柴、月君と暮らし始めたこの物件は、一軒家、庭付き二部屋駐車場付き、隣の仲良しの友達はヘビさんを飼っていました。友達同士でしょっちゅう庭で遊びました。
貸家の魅力にはまったのがこの時でした。
狭いながらも庭がある。
親友が植えていった花が翌年、忘れた頃に生えてきて咲いた時は感動しました。

次は何と家賃３００００円の極小物件。　節約に明け暮れました。

そしてその次が今までお世話になった貸家、庭があり、名古屋まで車で５分なのにお手頃価格、音も夜中まで出し放題で、出たくない程いい物件でした。

そして今回も貸家。
今回は、縁、という言葉を感じてならない物件です。
お隣が大工さん、その隣が犬の美容室、大家さんは代々秋田犬を飼っていた大の犬好き。
前の物件を手放してでも住みたいと思った所でした。


アトリエは、木工室が外にひとつ。機械はこちらで使うことになります。
ドンちゃんがチラリ。
縁側から見える景色は、四角いのになぜか緑。

ジプシーさん、縁側に座るととてもいい顔をしてくれました。



いつかは家と土地とがほしいけど、いまはその練習をしているような気がします。
若いうちからいろんな土地を旅して来れてよかったなと思います。
いろんな土地が好きになり、好きになった頃に離れることになりますが、たくさんの旅が、私を鍛えてくれたと思います。

多摩動物園にいるジプシーさんも、その名の通り遠くから日本に引っ越してきましたが、その日本で、こんなにたくさんの人に感動や勇気を与えてくれる存在になりました。

旅した先で、誰かとふれあい、誰かと関わり合い、幸せを運んでゆく。
そんな「旅する彫刻」を作れる彫刻家になりたいなと、あたらしいおうちで思いました。
丁寧に、素直に、誠実にひとつの彫刻と向き合って行けるように、新しい誓いを立てました。


国立のアグレアブルさんから、すてきな写真が届きました。
なんと、まだ動物たちが住んでいる！？
すてきなお店の店内にこっそり、動物たちが隠れているかもしれません。
みんな東京が、大好きなようで（＾＾）
たくさんの子供達がおせわになっているアグレアブルさんに感謝です。

げつようびから、いつもの制作を、始めようと思います。