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ともだち。

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美術と人生の半分近くを共にしてきました。
その前は音楽とともに歩いてきましたが、
私にはそれなので、美術は一番の古いともだちのようなものです。

美術にほとんどのことを教わってきました。
ひとつのことを長く続けるということ、それはこれからどんなことにチャレンジする時も使える、
「努力のやりかた」のようなものを学ぶことでした。
音楽で壁にぶつかって、美術にチャレンジしましたが、美術でも同じ壁にぶつかりました。
きっと私は、この先、ここを超えなければ何事も成さずして人生が終わる。
そんなことを予感しました。

負けず嫌いで好奇心おう盛なので、ある程度まではぐ〜っとがんばってまずまずできるようにはなれる、だけど美術でプロフェッショナルになるのは、ある程度、ではまったく歯が立ちません。

かつてない、その道での、類を見ない、世界最高の、史上最高のものを目指さないと、意味がないのだ、そう気づきました。
美術は新しいものを生み出す仕事でもあります。
そのあたらしいものが、過去のものに負けていたり、見たことがあるものだったり、誰にでもできそうなものなら、つくる意味がなく、レコードを残せないスポーツマンのように、残酷に波に飲み込まれて行きます。
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美術と生活を共にする。
そう決めて、たくさんの人に、無理だ無理だと言われながら、それでもここまで続けて来られた。
10年経ってようやく、美術との友情が築かれてきたような気がします。
一方通行だった想いが、ようやく、美術の方から私に答えてくれるようになった。

無理だという人は、自分が成し得なかったか、あまりにも辛いからやめとけという意味か、わかりませんが、本当に正しい意見というのは、その人が心から堅く決めたことであれば、どんなに辛い道でも乗り越えられると信じてあげることが一番の友情なんだと思います。
人は、みんな他者だから、自分の固定観念ではその人の能力は計れない。

「わが怒りもって成したものは、華やかに生い育つが、
 一夜過ぎ、雨に消えたり。
 
 わが愛より捲けるものは、
 常に芽ぐむ。
 その実りおそけれど、祝福はその上にあり!」 ペーター ローゼッカー

肝心なのは、続けること。
どんなに遅くても、待ち続けること、
その人の中に怠惰やあきらめがないのであれば、
つねに芽ぐむ、と、そう思います。

この先どんな大きな壁にぶつかっても、私と美術との信頼関係なら乗り越えて行ける、そう信じて、
この仕事と、生涯を共にして行きたいなと心から思っています。
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今週24日から29日まで、東京、千駄木フリュウギャラリーさんで個展をさせて頂きます。
目の前に当たり前のようにあり続けている美。
ものの見方ひとつで、地球は美の塊ボールです。
そんなたくさんの思いをこめて、彫刻につめこみました。
見に来てくれる人に、少しでも伝わればいいなと思っています。
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今週の彫刻。
宇宙犬ライカ。
ライカは帰ってくる燃料を積んでいないロケットに乗せられ、星とともに消えて行った犬。
そのかなしくも人を信じているまっすぐな犬の強さをつくりたい。
ライカは、いろんな形でつくり続けて行きたい犬です。
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by m_kirin30 | 2010-09-21 10:06 | 展示
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