UAEにきて一週間、あまりに貴重な毎日に、かみしめてもかみしめても、足りないくらい、の体験をさせて頂いています。
野生動物たち、飼っているラクダとの生活や知恵、
砂漠の足跡の正体や、毎日必ず昇る太陽。
日本という国から、出たことのなかった私には、あまりに新鮮で、日々、言葉を失っています。
野生動物のガゼルが、自分のあしもとまできた時の感動は、今まで体験したことないものでした。
こころとこころがふれあう。
人というカタガキを捨てて、ひとつのいきものとして、こころを静かにする。
毎日、動物たちを前に自然とそんな事を学んでいます。
砂漠の真ん中で、朝日を眺められるしあわせ。
砂のなかの、あたたかい砂の部分に手を入れて、大地のあたたかさを感じたり、
夜明け前の虹色の空や、月明かりの砂漠。
「感動」ということが、
どれほどもの作りにとって大切な事なのだろう。
おそらくそのエネルギーがなければ、
何一つ作れない。
だけど砂漠の民でも、朝日に足をとめて見ない人もいるだろう。
日本でも同じ、美しい木々や空があっても、何も感じない人もいる。
どこへいたって、何をしてたって、
こころをやわらかくしておけば、感動はやってくる。
本物の感動は、お金のいらないものの中にある。
あたりまえにあるものにこそ感動できるからだづくりができたら、
それがものづくりのいちばん大切な事なのだと、
あらためて気がつきました。
奥様が撮ってくれた写真、わたしのたからものです。
理想の暮らしをまのあたりにするなか、
わたしもいつか、動物たちに囲まれて、自然の中でくらせたらいいなと、
心から思っています。
自分の仕事にとっていちばんいい生活を、しなければだめだと思いました。
まだ一週間ですが、とても早く感じます。
もっともっと一日を充実させて、めいっぱい学んでかえって、いい彫刻を作る力にしたいです。
当面の目標はガゼルたちをとにかく観察することです。