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逆のもの

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誰もが見ているような目って、どんなものなんだろうとおもいます。

美術を始めたての頃は、自分だけの目を探さなければ!と、個性を信じて意気込んでいましたが、
私は奇抜なものや目を引くグロテスクなものもつくれず、
かといってコンセプトがつよくて、なんだかわからないかっこいいものもつくれず、
自分にできる事といったら、ふつうにあるものを、ふつうに作る事だけでした。

そういう美術に、ひかれていったのもあります。
ふつうに今あるものや、ふだん見慣れていて気にもとめないものが、彫刻や絵画になることで、きづかなかった美に気づいてドキッとする。
そんな瞬間がとても好きでした。

私は料理で言ったら家庭料理、
音楽で言ったら、みんなのうた、
そんなふつうの美術のせかいを、つきつめていきたいといつも思っていました。
そのうちに、人というかきねもなくなって、

虫と同じ目で
犬と同じ目で、
鳥と同じ目で、
そんなふうに世界をみられたら、しあわせですごいなと思うようになって、
そんな、みんなの美術、みたいなやわらかくてゆるい、彫刻が作れたらとおもいました。


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でも、想像以上に過酷なものでした。
やわらかいものをつくるには、きびしさをその形の内部に作らなければならなくて、
ゆるいものをつくるには、おそろしいくらいの緊張感を閉じ込めたものを作らないといけなくて、
命をつくるには、死をはらんだものをつくらなければ、生きてこなかったのです。

きっと、外にでてきたカタチと、まったく逆のものを、中に秘めていないと、
うわっつらだけでは、なにも伝わらないものしか、つくれないんだと、知りました。

やさしくゆるくいきているような、ナマケモノのその腕の中には、
人間なんてひねるつぶせるくらいの、たくましい筋肉が隠されていたり、
おっちょこちょいなダンゴムシでも、すさまじくすばやい丸まりをみせたり、
逆のものを強く持っていれば持っているほど、その特徴はうつくしく輝く。

普段元気で明るい人ほど、哀しい事を知っているように、
やさしい彫刻をつくるには、あらゆる痛みを知らないと、ほんものじゃない。
なので、最近は、つくりたいものと逆なものを、よく知るようにしています。
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夏が終わったと思ったらもう秋も終わりかけ、
今年がもう終わろうとしています。
いつでも、なにかに飢えていたいな、と、ケモノのようなこころで、
毎日彫刻にのめりこんでいます。
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12月に、神奈川県で、今作っている彫刻達を並べます。
会場:
大磯・世代工房
開館日:
2011年12月9日(金)・10(土)・11(日)
・16(金)・17(土)・18(日)
・23(金)・24(土)・25(日)
開館時間:
11:00~17:00
※9日~25日の期間中、上記以外の休館日に
  ご見学希望の方はinfo@sedaikobo.comまで
  お問い合わせ下さい。
かつて出会っては、失ってきた、ケモノのかたち。
海のむこう、めのまえにいた、ケモノのかたち。
めのまえにある、ここにいる、うつくしさを、感動を、
手紙のように、ライブのように、つたえたい。


UAE(アラブ首長国連邦)で出会った、たくさんの動物たち、
それにまつわる仲間達の彫刻を、大小あわせて約60点展示します。

大磯の、世代工房という恩師のアトリエです。

そして、関東では初の、デッサンと木彫りのワークショップや、恒例のいぬのえかきやさんもします。

木彫りワークショップ
2011/12/10(土) 13:00 - 16:00
定員15名 ※予約制 info@sedaikobo.com

デッサン教室
2011/12/11(日)
13:00 - 15:00 / 16:00 - 18:00
各回定員10名 ※予約制 info@sedaikobo.com

いぬのえかきやさん
2011/12/18(日)
10:00 - 17:00※予約制 info@sedaikobo.com

関東では、初となるサタデッサン教室です。
ゆるゆるとみんなで、デッサンや木彫りを、たのしみましょう!
はじめての方も、ぜひこの機会に、チャレンジしてみてくださいね!
by m_kirin30 | 2011-10-15 10:19 | すてきなところ
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