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とちゅう

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いつも、目的に向かうとちゅうにいるような気がしています。
作品でも、完成したものがすべてではなく、そのとちゅうに意味があるような。
いきものは、生まれて死にますが、あらゆるものごとで結果がすべてだとしたら、それはとても無機質なものになってしまいます。

でも、出来上がったものだけみると、とちゅうをその人がどう過ごしてきたかなんて、一見分からない。死んでいる虫を見て、この虫がどんな一生を過ごしてきたかも、到底わからない。

それほどあいまいな世界で、人は言葉を駆使し、表現を駆使し、他者に自分の過ごしてきた、大切なとちゅうを、伝えようとする生き物です。

「愛しても 愛しきれない   驚いても 驚ききれない  
 歓んでも 歓びきれない  哀しんでも 哀しみきれない 
 それが版画です 」

棟方志功さんの言葉です。

伝えたいのに、伝えきれないもの、その伝えきれない部分にだけ、ほんとうに大事なとちゅうの真実が隠されている事もあります。
隠している場合もあります。ほんとうの真実は、自分の中だけに閉じ込めたい場合もあります。
版画に限らず、彫刻も、絵画も、その作家の想いや、すごしてきた大切なとちゅうは、伝えきれないものなのでしょう。

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私は、むずかしいことだけれど、そのとちゅうの物語を、彫刻にこめて、作って行きたいのです。

ただの犬、ただのネコ、ではなく、たったひとりだった、たいせつな存在。
そのうまれてから死ぬまでのとちゅうを、一体誰と過ごして、その目は何をとらえ、その耳で何を一番に聞き、その体で何に喜んで、何に苦しんだのか、
飼い主にも分からないその子の真実だって、たくさんきっと、あるのでしょう。

そしてそれらを強調するのではなく、ただその子のありのままの姿のなかに、その子のとちゅうの歴史を閉じ込める。そんな彫刻を、目指して行こうと思っています。
それには、そのこの過ごしてきたとちゅうを感じてあげられる目を、持たないといけないなと思います。
思いやる、というより、思い描く、事に近いのかもしれません。
怒っているネコ、すねている犬、逃げる虫たち。
そのこたちの生きてきたとちゅうの歴史なんて、想像することしかできませんが、

大切にしたいのは、よく相手を観察する、とうこと。
よく見て、よく考え、よく思い描く。
何に怒り、何に喜び、何に哀しんでいるか、よくよく観察する事で、そのこのとちゅうの物語が、見えてきます。
そんな事を大切に、いまは彫刻と向き合っています。
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ものごとをよく観察する力は、美術だけでなくたくさんの瞬間で自分を支えてくれます。
相手を深く知ろうとしないことが、信頼関係を築けない事にもつながるからです。
向かい合っている相手の、結果ではなくとちゅうを観察する、
そうすると、本当のところが見えてくるようにも思っています。

あくなき世界への観察を、つづけて行けたらなと思っています。

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この秋〜冬はワークショップと展示会が続きます、
ぜひお近くの方など、遊びにいらしてくださいね^^

9月28日から10月14日まで、滋賀県でANIMAL展に参加

10月、東京もみじ市に参加 ワークショップあり!寝ている柴犬を彫ります!


11月、大阪ボダイジュエキスポさんに参加
今回はちいさなワンワン彫刻シリーズ、60種の犬種のミニ彫刻&ネコキーホルダーを販売します。
また、トートバックやTシャツなどのグッツ販売もあります^^
是非遊びにきてくださいね^^


そして、名古屋ミュシカさんでの木彫り教室も復活です^^ご予約はお早めに〜!
10、11、12月と開催、11月はなんと黒柴月君のデッサン会です!


今回の素敵な写真たちは、写真家の森田直樹君が撮ってくれたものです、ありがとう〜^^
by m_kirin30 | 2013-09-20 10:40
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