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はたらく

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彫刻で仕事を続けてきて、もうずいぶんと経ちました。
彫刻以外の仕事では、私は生活したことがありません。
それなので、会社勤めの苦労や、彫刻がしたいのに制作の時間がない、というような苦悩は、感じたことがありませんが、それとひきかえに、彫刻をとったら何も残らないぬけがらの自分になりました。

美術で仕事をしていくことに、始める前の私はずいぶんと誤解を持っていました。
過去の話を聞き、売れない画家でもいい絵を描くんだとゴッホを賞賛したり、ただ没頭すればいいんだと若冲を賞賛したり、
もちろん美術には、限りない方法があるので、それぞれの個人の方法で、いいものを残していくには、変わりないのですが、
自分の好きなものを好きなだけ作って、売れないなら売れないでいい、というのは、ほんとうにおおきな間違いでした。

それは、仕事を始めてみて、続けてみて、わかった大切なことでした。

自分のいいと思ったもので、ひともいいと思ってもらえるものをつくること、それが仕事です。
美術の仕事も、他の多くの仕事とおんなじで、自分の作ったものが、誰かの財産になるかどうかが、一番大切なことです。
わたしはこんな簡単なことを、はすかしながら美術の仕事を立ち上げてずいぶんとたってから、実感をもって知りました。
自分の作ったものが、多くの人の財産になればなるほど、それが偉大な仕事ということになります。

美術の作家業のことを、まだまだ学ばなければならないと感じます。
それは、日本の現代社会で、この業種の方が本当に少なく、彫刻家ともなると超絶滅危惧種に近い存在だからです。
いつか、このむずかしい彫刻家という職業を、目指す若い後輩たちが現れた時に、明るく正しい道標が示せるように、私たちが確かな実績を示さなければならないと感じます。

美術家が、ものをつくるとき、

それが自分にとっての財産になるのだろうか、
それが誰かにとっての財産になるだろうか、
それが社会にとって、国にとって、世界にとって、地球にとって、未来にとっての財産になるだろうか、
いつでも視野を広く大きく、この大切なことをいつも心におき、正しい判断で仕事を選び、制作できればいいなと感じます。
視野が狭いと、たとえ自分の身の回りは潤っても、目に見えぬ誰かや何かを犠牲にしてしまう場合が多いからです。

たったひとりの身近なひとから、やがては多くの見知らぬ人たちへ、
この大好きな世界にとって未来にとってのの財産になるように、そのようなものをつくるために私は、この仕事を続けていこうと考えています。
一枚の紙から、デッサンで多くのひとの心を輝かせるダビンチのように、
一つの石から、彫刻で多くのひとの心を震わせるミケランジェロのように、
なれたらいいな、とおもっています。

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3月末から東京主要駅に、ナチュラキュアという新型自動販売機が並び、動物たちの絵をかかせていただいたり、彫刻の展示会をしたりしました、
忙しくはたらくひとたちに、すこしでも駅の中でほっこりする時間が作れるように、動物たちの絵が入った自動販売機が並びます、みつけたらぜひ、動物を数えてみてくださいね、


近くの展示予定は、

4月4~5 アニマルクリエイターズカーニバル

5月16日〜6月20日 東京 ギャラリーキッサ 旅する彫刻 はしもとみお個展

7月4〜12日 香川県 古木里庫 個展予定

7月25日〜8月31日 大阪 彫刻の大動物園展示予定


お近くの際は、彫刻は触れますので、ぜひ動物たちにふれあいにいらしていただければと思います。
by m_kirin30 | 2015-04-02 13:15 | 日常
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