トゲトゲは、大学四年生の時に描いた絵本で、出版してもらう事ができました。
この、「トゲトゲ」には、モデルがいます。大学時代のコーヒー同好会の仲良しの友達です。
その子は長崎出身で、その頃劇団に入って頑張っていました。
その子がある日、「うちは、世界のトゲになる!」と、いいました。
『!!!』 私はその言葉の潔さに感動して、その日のうちに、みるみるストーリーが浮かびました。その子がどういう意味でその言葉を言ったのかはその子にしかわかりません。でも、その時の、その子の全てをかけた、言葉でした。
トゲは痛いし、怖いものかもしれないけど、自分を守る道具でもある。動物だって、みんなもってるし、その子がトゲトゲになるなら、トゲも、私の友達なんだ、そして世界には必要なんだ!と気がつきました。
柔らかく、優しいものだけが、生きてるんじゃない、とがって、嫌われそうなものでも、この世界には、必要とされて生きている、そういうテーマを込めて、描きました。

友達には恵まれて生きてきました。友達は、一生ものです。
みんな、元気かな?